第55回 マリメッコ展

第55回:  Marimekko マリメッコ展 (2003/12/10)   左:Marimekko創立者Armi Ratia スモックのパターンはTiiliskuvu 1952 右:夫のViljo Ratia 1950年代に発表されたMarimekko作品を説明 する今展覧会のキューレーター Marianne Aav マリメッコの歴史を総合的に紹介 「Marimekko:Fabrics, Fashion, Architecture」と題して、マリメッコの歴史を総合的に紹介する展覧会が、2003年11月21日から2004年2月15日まで、NYの18West 86StreetにあるBGC(The Bard Graduate Center)で催されています。 マリメッコ社は、20世紀のデザイン界に新風を起こしました。大胆なカラー、大柄のオリジナル・プリント・テキスタイルが特徴ですが、それを一貫したビジョンのあるコンセプトで、ライフスタイル全般に取込んだ最も成功したデザイン企業として、今でも多くのファンを持ち続けています。 私が最初に海外旅行に行った1964年に、NYのDesign Reserchで最もHotだったマリメッコの商品に出会い、いくつも日本に買って帰り、皆にそのすばらしさをお土産話にしました。その頃、日本で唯一のデザイン誌だった「ジャパン・インテリア」(森山和彦氏編集)でも、特集が組まれて何度か紹介されました。その後、何人ものデザイナーがマリメッコ社を訪ねて行ったりと、当時のデザイナーのあこがれだったのを覚えています。 そして、当時の日本ではインテリアというカタカナがめずらしく、染織といえば着物か傘、コタツふとんくらいしかない時代でしたから、ライフスタイルというコンセプトで、マーケティングまで考えるこのような企業の存在自体が、新しくテキスタイルやデザインを志す人達に夢と希望を与えてくれたような気がします。 そんな時代、どっぷりとデザインに浸っていた私にとって、今回のマリメッコの歴史展は、懐かしさと思い出が蘇る特別興味のある展覧会でした。 手前 Design by Maija Isola 1950 左:ブラウス Design by Riitta Immonen, 1950 右:Maija Isola, 1940 Vuokko Nurmesniem 1957の布デザイン Design by Vuokko Nurmesniemi 1953, 1956 デザイナーVuokko Nurmesniemiとその背後は彼女の作品 … 1階展示風景・デザイナー Vuokko Nurmesniemi コーナー —–  * 以上、写真は1階会場 1950年代の展示     |     ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影 —–   デザイナーAnnika Rimalaと右はその御主人

第54回 メトロポリタン美術館の「織部 ― 転換期の日本美術」展

第54回:  メトロポリタン美術館の「織部 ― 転換期の日本美術」展 (2003/11/12)   桃山時代の伊賀焼きで直接古田織部と関わ って残っているものの代表作「破れ袋」 梶原拓 岐阜県知事 メトロポリタン美術館の「織部 ― 転換期の日本美術」展は、 本物志向の内容で構成 ニューヨーク市のメトロポリタン美術館で「織部 ― 転換期の日本美術」展が始まりました(2003年10月21日から2004年1月11日まで)。岐阜県美術館と共同企画で、5年の歳月を経て実現されたこの展覧会は、桃山時代の茶人、古田織部(1544-1615年)が、サイズ、形式などにこだわっていたそれまでの茶道、茶器に、ひと味違う新しいスタイル、革命を起こした部分に焦点をしぼって、注意深く構成されています。 Museum企画のシンポジウムでは東京芸術大学美術館館長の竹内順一氏、東京国立博物館陶磁器担当の伊藤嘉章氏、インディアナ大学名誉教授のJ.エリソナス氏、共立女子大学教授の長崎巌氏、国立民族学博物館教授の熊倉功夫氏、大阪大学教授の奥平俊六氏等が出席し、マイケル・カニングハム氏の司会で開催されました。 「茶道具とは」「織部焼の技術と意匠」「南蛮人の文化遺産」「織部焼の文様と辻が花の関連」「茶道史における古田織部の位置」「路上の歌舞伎もの」といったテーマのもと、専門家の分析や織部に関する分かりやすいレクチャーがありました。メトロポリタン美術館の講堂(オーディトリウム)は、ほとんど満員で(日本人以外の人で)した。 観客はみな本物・プロ志向の熱心な人たちで、すばらしいシンポジウムでした。それだけに、現在どれほどの日本人が織部についての知識を持ち、彼の茶道を理解しているのか、と心配になるくらいでした。 わび茶を大成した利休の茶碗 利休の後継者のひとり、織部の茶碗 オープン前日、メトロポリタン美術館でのパーティー デンドゥール神殿で開かれた大掛かりなオープ ニングレセプションの準備風景。吉野の茶会を イメージしたセットでの記念茶会(NY 裏千家) 26日にメトロポリタン美術館で行われた織部シン ポジウム  / 左から:東京国立博物館陶磁器担当の 伊藤嘉章氏、大阪大学教授の奥平俊六氏、国立民族 学博物館教授の熊倉功夫氏、共立女子大学教授の 長崎巌氏、東京芸術大学美術館館長の竹内順一氏、 右端はインディアナ大学名誉教授のJ.エリソナス氏 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影   NY裏千家のお点前で知事が一服、前夜祭パーティーで Japan Societyでの内田繁のお茶会も好評 Japan Societyを借りてのお茶会は、岐阜から各派の茶道関係者が100人近く訪れて大盛況だったようですが、内田繁の茶室の中で実際にお茶会を体験でき、初めてのJapan Society メンバーの人にはなかなか好評だったようです。 内田繁の茶室 メトロポリタン美術館のオープニングでも太鼓、 書道を披露した、無形文化財保持者、大倉正之助 (左)と書道家 矢萩春恵(右)中央は内田繁 滝村弘美(漆塗職人)の作品 岐阜の陶芸家、吉田喜彦の作品   グランドセントラル駅構内では「クラフト展・観光展」が開催 メトロポリタン美術館での織部文化のサポートはすばらしかったのですが、岐阜県はこの他にも「織部の精神を世界に発進」と、文化観光イベントを立ち上げました。 「オリベ2003 in NY」事業の「クラフト展・観光展」は、10月28日から11月2日までグランドセントラル駅構内のバンダービルトホールで行われ、飛騨高山の木工、美濃陶磁器、美濃和紙他、岐阜県の広報と愛知万博の広報をしていました。しかし、織部的という解釈の勘違い(?)パフォーマンスなども披露しており、大変な労力とお金を使ったようですが、NYにいるプロの協力をどうして得られなかったのか、不思議でした。 岐阜のクラフトでは、世界中に広まっている関の刃物やハサミは出品されていませんでしたし、今迄に何年もかけて国際コンペを実施した成果や、NYのデザイナーが岐阜に住み込み地場と協同で開発したすばらしいプロダクトが、すでにMoMAや他のミュージアム・ショップで紹介されている、といった国際的な動きは展示していませんでした。 こうした展開があれば、NYで知名度のあるデザイナーのPR力で、今回得られなかった現地メディアのパブリシティー他、地元のアドバイスも得られたのではないかと思いました。 行政や大企業のNY駐在を2~3年ずつ入れ替える勤務体制、「世界に発進」と言いながら日本に向けてだけの運営姿勢など、いつまでたっても60年代、70年代と変わらない思考では、アジア各国のインターナショナルなビジネスマインドに負けてしまうのではないかと案じます。 何でも自由に受け入れるNYの寛容さには、個々が批評家であるという厳しく真剣なビジネスマインドがバックグランドにあります。これらをきちんと受け止めずにお金を使っただけであっては、日本向けの成功物語にしかならないのではないか、と心配にもなります。 旧来の考え方を打ち破った、織部の精神に立ち戻ることも必要なのではないでしょうか。     Museum of Art & Designのギャラ・パーティー   MADのロゴ

第53回 ロックフェラーセンターで村上隆の大インスタレーション

第53回: ロックフェラーセンターで村上隆の大インスタレーション (2003/10/8)     ロックフェラーセンターの展示会場風景 高さ7メートルのとんがりくん 昨年のナム・ジュン・パイクやIBMでの森万里子展と同じPublic Art Fundのプロジェクトで、今回、村上隆「Reverse Double Helix」(二重螺旋逆転)という高さ7メートルの現代仏像風作品が、ロックフェラーセンターで9月9日から10月12日まで展示されています。Public Art FundとTishman Speyer Propertiesがオーガナイザーで、TARGETがスポンサーをしており、9月9日にはスケートリンク場を会場に盛大なオープニグ・パーティーが行われました。 最近のアートアニメのきっかけを作った村上隆は、プロデューサーもできるアーティストとしてアメリカで認められ、世界のトップアーティストになりつつあります。NY Timesが「アンディー・ウオーホールの次に出てきたポップカルチャー・アーティスト」とまで言っているほどです。 私には良くわからないのですが、最近のアートのおどろおどろしいものや、けばけばしく刺激的なだけでピンとこないものよりは、誰にでもわかりやすく、明るくて良いのではないでしょうか? 彼の歩みをふりかえると、1996年頃NYでローカル新聞の表紙を飾っていたり、アニメフィギュアーのアーティストの展覧会を企画したり、アニメオタク、Japanポップカルチャーを早くからアメリカに紹介していました。 2000年のパルコでのポップカルチャーショー(SUPERFLAT)の成功を、MOCAで2001年に発表したり、NYグランドセントラルでのWINKのショーが海外でのデビューで、それをきっかけに現在のように知れ渡った存在になったと思います。時代の読みとビジネスセンスに長けたアーティストではないでしょうか。 作品はこのところオークションに出品されているようで、Miss KO2(KOKOちゃん)はコレクターに莫大な金額でコレクトされています。 今回のような現代彫刻は六本木ヒルズにもあるそうで、ロックフェラーセンターではとんがりくんを中央に4体のカラフルな四天王像が囲み、周囲にはキノコ型のベンチが配されています。そして、このベンチにもスマイル・マークを思わせるようなカラフルな顔、顔、顔。さらに、周囲のビルから張り巡らせたコードでとめた、超巨大な目玉のバルーンが2個空に浮かんでいます。 目下、NYを訪れる観光客の格好の撮影場になっていて、毎日人だかりがしており、近辺のビジネスマンも思わず足を止め見上げています。     初日には盛大なオープニグ・パーティーが開催 スケートリンク・パーティー会場 展示夜景 オープニングにくりだしたキャラクター 展示夜景 パーティー会場風景 村上隆とJohn Remington(Targetの副社長) 村上隆 オープニングにくりだしたキャラクター 展示夜景 村上隆   FelissimoとFirstop     展示会場風景 Fiberglass “Ori” table by Douglas Fanning Sylvia Nagy (陶芸家と*岐阜Talkで作った作品) porcelain pieces “River” 「Made in Brooklyn」をテーマに開催されたFelissimo フェリッシモ・デザイン・ハウスがポートフォリオを見て選んだ38名のファッション、家具、プロダクト・デザインのプロトタイプから製品までの新しい作品の展覧会が9月8日~10月25日まで開催されています。最近のブルックリン・パワーをキャッチして「Made in Brooklyn」をテーマに、Brooklynをベースに活躍するデザイナーばかりを集めての新しいNYパワーの紹介となりました。展示デザインは知名度のあるAli Tayarに依頼、彼の作品展も4階で行われています。 オープニングにはデザイン界の人々で満員という盛況ぶりでした。 Brooklynでも、大きく分けてWilliamburg とDANBO の2つの地域が、アーティスト・コロニーとしてソーホーやチェルシーに次ぎ活発なアートメッカとなっています。ちょうどWilliamburg で第2回目のDESIGN WEEKENDイベント、Firstopが9月28日、29日に行われました。 Felissimoにも参加した多数のデザイナーが関わり、スタジオをオープンしたり、レストランやショップも参加して若い活気のある催しになっていました。 Felissimo

第52回 NYのBlackoutに影響を受けた2つの大きなイベント

第52回:  NYのBlackoutに影響を受けた2つの大きなイベント (2003/9/10)   ジャビッツ・センター   好評だったAccent on Design NYのインターナショナル・ギフトショーAccent on Designが8月10日~14日に開催されました。年2回開催されるのこのショーのことは、毎回このコーナーでご案内しています。今回はここしばらく低迷していた景気に、皆どうなることかと思って出展しましたが、2、3年ぶりに景気が上向いたようで、初日から好調な人出で、結果が良かったというBoothが多かったようです。Gallery 91も継続して出展しているおかげで、世界中の大手Museum Storeからのオーダーがさらに増えました。 今回もAccent on Design Awardを4社が受賞し、初日のショーの後には、2月の受賞者と一緒に表彰式・パーティーがありました。 このAccent on Designですが、オリジナリティーや魅力が減ってきているということで、次回のショー(2004年2月1日~5日)から模様替えをする計画があり、Karim Rashidにアクセント・イメージ・会場デザインを依頼しているそうです。Booth替えも行われるようで、皆どうなることやらと案じたり期待したりしています。   Award Ceremony Award Ceremony         Award Winner Best Product「Eastern Accent」 Eastern Accent のオーナー村松正幸さん 気になるアワードの結果は 今年のベストプロダクトを受賞したのは、「Eastern Accent」のNestin Glass Collection(ボストン)。Excellence in Contemporary Everyday Functional Objectsは、「BENZA」(ブルックリンNYの商品群)が受賞し、今年は若手有名デザイナーにグラフィックを依頼したオリジナル時計を発表しています。Excellence in Multi-lineは「Keena New York」が受賞。Overall Excellenceを受賞した「Michael Aram」は、長い間Lewis DolinのBoothで発表していたのですが、今回は独立してオリジナルの大きなBoothでのデビューとなりました。   搬出時にBlackout 例年より30分早く始まり、30分早く終わった今年のギフト・ショー。最終日は12時で終了し、我々は片付けを終わり、車で荷物を送り戻した直後の大停電でした。 ジャビッツ・センターでユニオン(組合)を使ったり、時間をかけて搬出していた人達は、Blackout の影響を受けたそうです。ジャビッツ・センターは自家発電に切り替えてくれたそうで、内部は問題なかったそうですが、外の渋滞やガソリンの列など帰宅に何時間もかかったそうです。 私の所では6人のアシスタントのうち、一人は友人の所へ、一人は我が家へ泊まり、後の人は歩きで何時間もかけてなんとか帰宅できたようで無事でした。NYのビルは電気がないと外の明るさとは反対に真っ暗になり、すぐに緊急のフラッシュ・ライト付きラジオを買ってきて、キャンドルの明かりで停電の情況を聞きましたが、NYではもう何が起きても皆落ち着いていて慌てないという感じがしました。ただ、友人の中にはアップタウンのオフィス49階から暗い階段を懐中電灯で歩いて降りた人や、エレベーターの中に9時間閉じ込められたという災難にあった人もいたようです。 電気が復旧した後も、コンピューター化されたNYオフィスは、時計やクーラーをはじめいろいろな調整が必要で、正常なオフィスワークには2、3日かかったようです。 Excellence in Contemporary Everyday Functional Objects Award

第50回 SOFA New York 2003

第50回:  SOFA New York 2003 (2003/7/9)   SOFA の会場風景 Sculpture Objects & Functional Art 展「SOFA New York 2003」 今回で第6回目となる「SOFA New York 2003」が5月28日から6月1日まで、Park Avenuの67th. StreetにあるARMORY(兵器庫)で開催されました。一般客も対象としており、毎年、高級工芸品、骨董品などのギャラリー、個人作家までが、現代工芸でブースを出して、コレクターなどがマークしているレベルの高いショーとして定着しつつあります。 オーガナイザーはExpressions of Culture-NY Inc.のMark Lyman。オープニングにはいつもAmerican Craft Museum(現Museum of Art & Design「MAD」)をサポートするためのギャラ・パーティーが催され、アメリカ中からコレクターが集まり盛大に行われます。 このSOFAショー、毎年5月がニューヨーク、10月がシカゴで開催され、今秋のシカゴは10月17から19日です。 SOFA の会場風景 SOFA の会場の中央に Museum of Art & Design の展示 SOFA の会場風景 全景よりCharon Kransenのジュエリー・ブースを見る SOFA の会場の中央に Museum of Art & Design の展示   Dai Ichi Arts Gallery 今年は日本や日系アジア作家の作品も増えたSOFA アメリカのクラフトは、個人の独創的、アート的なクラフトといった傾向が強く、マンネリ化していたように思いますが、ここにきて皆、そのことに気がついているようです。今年は、日本の作家や日系アジア作家の作品なども増えて、きめの細かい質の良い作品が目につきました。 また、ニューヨークでは少なかったクラフト・アートのギャラリーが、認知されてきている様子も頼もしいかぎりです。また、SOFAは、現代陶芸、ガラス、テキスタイル、家具などの専門ギャラリーのディーラーが、世界中から出展する数少ない専門的なショーであり、厳しい選択があることも特徴です。 www.sofaexpo.comで全体のパノラマ写真も見ることができます。   Museum of

第49回 ICFF 国際現代家具見本市 Off Siteプログラム

第49回: ICFF 国際現代家具見本市 Off Siteプログラム (2003/6/11)   Gallery 91 Opening 今年も活気のあったOff Site 慣例の国際現代家具見本市 / ICFF(International Contemporary Furniture Fair)が、2003年5月17日~20日までジャコブ・ジャビッツ・コンベンションセンター(Jacob K.Javits Convention Center)で行われました。 今年も『INTERNI』誌が、昨年と同じようにプログラム小冊子を発行。冊子の半分はNYデザイン情報保存版、もう半分は日毎に分けたOff Siteプログラム(期間中行われる街中のイベント)で、今年もOff Siteプログラムの方により活気があったようです。 私は19日より出張の為、Off Siteの一部を見ただけなので、全体をレポートできませんが、Sohoで行われた17日のオープニング・パーティーからいくつかを紹介します。 Soho のストアーCITI Soho のストアーCITI         Gallery 91の展示 まず、Gallery 91のスペースで昨年も行った、Core 77のメンバー・サイトCoroflotの展覧会「Canary in a Coalmine (炭坑の中のカナリア)The 2003 Corofllot Members Show」のオープニングが、6時から11時までありました。 この展覧会は、Coroflotメンバー1万3千人の中から、今までのデザイン展では選ばないような、あらゆる角度から眠っている才能を発掘するものです。作品が実際の形になっているもので、ICFFにちなんだ、なるべく家具よりの32点だけを展示しました。 Pratt Institute卒のプロダクトとインタラクティブ・デザインのグループでできた、この若いCore 77のサイトは今やプロの間で世界一活発な動きがあるようです。今回の展覧会はCore 77主催のEric Ludlumがキューレーターを担当し、あっという間に今までのGallery 91のスペースを一変させて、テンポラリーな材料を使いながら、しっかりとしたインスタレーションで展示ができあがりました。     ウインドーに飾られた「aircraftcarrier」 デザイン:Chad Vermeulen カナダ 1:152 スケールのCVA-31のモデルで、 8000個以上のLegoを使ってつくったもの。     「Single Flat Panel Folding Table」 デザイン:Ramon Villamarin

第48回 NY 国際自動車ショー 2003

第48回: NY 国際自動車ショー 2003 (2003/5/14)     プレス・プレビュー NY 国際自動車ショー2003年が4月16日から26日までジャコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで行われました。 世界の主要自動車メーカー、販売会社60社が新型車とコンセプト・カー等を一堂に展示。連日、例年に負けない人出で、人気を集めました。 いつも我々が出展するギフトショーの見慣れた300ブース位のスペースを、5社くらいのゆったりした豪華なブースがとってかわり、雑貨小物と車のサイズ、価格の根本的な違いを実感しました。 ここ数年の課題である環境問題や経済性に、今年は造形美、パフォーマンスを追求した自動車やスポーツ・カーが来場者の注目を集めたようです。16日のプレス・プレビューに招待を受け、トヨタの新型プリウスとコンセプト・カーのLexus HPXの発表を見る機会を得ました。舞台での新車の形を見せるまでの演出や、布をかぶせたコンセプト・カーを光りや音楽と煙りまで交えて、ショービジネスのスターが登場するのと同じように、時間を取って、じらしながらの盛り上げる演出でした。一斉にフラッシュをたいていたPressが、撮り終わったら締め切りの為かいち早く出ていく様子も、スター誕生を思わせる様子でした。 トヨタの新型プリウス   Lexus HPX     Lexus HPX コンセプト・カーとハイブリッド・カー コンセプト・カーのLexus。他社コンセプト・カーにも見られたことなのですが、ドアには取手がなく、リモコン操作で、ハンドルはもう円の必要がないそうで、今までにない形をしているのが目をひきました。 ハイブリッド・カーは、各社とも電池燃料カーのつなぎと受けとめていたのですが、まだ開発に時間がかかるため、各社がハイブリッド技術を使った新型車を発表しています。Fordはエスケープ、GMはSUV(サタン・ビュー)、ToyotaはプリウスTHS2を発表していました。 コンセプト・カーではハイパフォーマンス・モデルとして、斬新なスタイリングを重視したスポーツ・カーが各社から発表されています。上記の他には、Nissan の2004 350Z Roadster、クライスラーAirflite、Buick Centieme、Cadillac V Sixten、ドアーが翼のように上に開くInfiniti Triant、マツダ Washu、Ford Mustang Consept、Chevy SS、Mitsubishi Tarmac Spyder、Suzuki GSXR4、Ford Freestyle FX、Dodge Kahuna等が注目をあびていて、今後の方向性を予感させるデザインを発表していました。     多くの人々が訪れた一般公開 Toyota FJ クルーザー Toyota FJ クルーザー BMW Z4 トヨタMR-2     これからの車の必要性とは? NYで一般に最も人気を集めていたのはHUMMER のミリタリー・トラックやジープで、今回の戦争の映像で何度も見ているのが宣伝になったともいわれています。 今回、以前お目にかかったことのある日産の中村氏とご挨拶するチャンスがあったのですが、4月25日のNY Timesでカラーで記事を見つけて、日本の企業の変化、インハウス・デザイナーの頼もしさ、今後の期待にうれしくなりました。 今回、最も自家用車を必要としない街NYで開かれた、車のショーが一番人出が多かったそうです。「これからの車の必要性とは?」という課題を考える上で、ヒントとなることもあるのではないでしょうか? ポルシェ GT3 本物に見える車のバルーンが会場の空を動きまわり、一瞬皆がドッキリ   三菱 三菱 クライスラーのバイク (コンセプト・カー)

第47回 Archetectural Digest Home Design Show

第47回: Architectural Digest Home Design Show (2003/4/9)   Architectural Digest Home Design Show Pier 94のエントランス風景 一般客に人気の家具トレード・ショー 第3回 Architectural Digest Home Design Show が3月6~9日まで、55丁目とウェストハイウエイの間にあるPier(波止場) 94で行われました。デザイナー、業者200社以上の出展でした。 毎年10月に行われていたこのショーが「9月11日」のために1昨年中止になり、その後、この春の時期に行うことになって今回が最初のショーです。いろいろなイベントが行われるこのPierで、 Art showも同時期に行われたので、大変な人出でした。お天気も、長い寒かったNYの冬が一瞬春の気候になったWeekendだったので家族連れで、部屋の模様替えのアイディア探しに出かけたようでした。 このショーは雑誌のArchitectural DigestとNew York Timesの後援もあり、他の家具トレード・ショーと違って広々と休憩ロビーもとってあり、楽しみながら住まいの模様替えや家電の新しいアイディアなど、一般客に人気のショーのようです。 日本から、めずらしい岩手県の伝統的工芸品 岩谷堂箪笥が出展していましたが、始めて にしてはプロフェッショナルな展示で、箪笥ファンには人気のようでした。 休憩ロビー ダイニングの奥にレクチャー会場が設けられていて、いろいろなセミナーが行われていた 日曜日、一般客も訪れるので、大変混雑していた レジデンシャルが主体なので、自動ピアノから音楽を流し、ディスプレイされていたり 岩手県の伝統的工芸品岩谷堂箪笥が初めてのブースを出品、好評でいろいろ質問されていた 癒しのリヴィング、白やオフホワイトでカントリーの雰囲気に人気が集まっていた 電気コンロでさわってもあつくなく、紙が燃えずに紙の上でお湯が沸くなどキッチンまわりの電化製品は、やはり人気で人がいっぱいだった   NYのアートシーン   Pier 88 とPier 90の International Fair of New Art、2003年 The Armory Showのエントランス風景 Scalo Zurich Gallery NYのGalleryの展示ブース ハイテクの素材で鏡の役もする透き通るカラ-シートをはめ込んだ梯子のような作品でプロダクト作品としても通用する International Fair of New Art 2003年 アーモリーショー International Fair of

第45回 インターナショナル・ギフトフェアー Accent On DesignとHandmade

第45回: インターナショナル・ギフトフェアー Accent On DesignとHandmade (2003/2/12)   Accent on Design賞 慣例のインターナショナル・ギフトフェアーが、今年も2月1日から6日までジャビッツ・コンベンションセンターで行われました。20周年、40回を迎えたAccent on Design。今回のアクセント・アワードは以下の出展者に授与されました。 今年のAccent on Design賞 Best Product: Icons of Design アリゾナ・フェニックスから出展、Braniのベルト Best Booth: サンフランシスコ・ベースのBy Mazeのブース NYブルックリンのFred Flareのピンクのブース Best Collection: イタリア、ミラノのNavamilano社 Overall Excellence: メイン州のAngela Adams Creative Collaboration: フィラデルフィアのBozart 以上、6社です。   Braniのベルト By Mazeのブース Fred Flareのブース Kenga Carryall NavaMilano 社 NavaMilano 社 Angela Adams Bozart     Gallery 91 ギフトショーの各ブース アメリカの景気もなかなか回復せず、今回も皆冷え切った購買客に、いつまでこの不況が続くのかと不安の会話がしきりにされていました。しかし、癒しの製品を扱っている店は景気がよかったということなので、購買客のテイストが変わってきているような気がします。初日の会場は結構混み合っていたようでした。 日本のデリケートな商品をセンス良く見せているボストンのEastern Accentが、前面にブースを拡張して、フレッシュなイメージを与えていました。その2ブロック先がGallery 91で、壁側は日系のINATOMEと日系勢が続きます。4200番台のブースの列は、ますます拡張していく陶芸のJonathan Adlerが先頭にUNBLAと続きます。   Gallery 91 UMBRA INATOME Alan Spigelman社ブース

第44回 VitraがNY に本格的ショールームをオープン

第44回: VitraがNY に本格的ショールームをオープン (2003/1/15)   チェルシーの元肉問屋だった14丁目の変化を物語る店が、Vitraの近所にいくつもオープンしました。 上写真は、14丁目に出店した最初のファッション系ブティック NYの今話題のチェルシー地区にVitraがオープン NYで今話題のチェルシー地区。その9番街29番地に昨年の11月、Vitraがオープンしました。 建築、インテリア、展覧会場、ストアーそしてグラフィック等といったデザインを通して‘全ての人達に刺激や喜びを与える場を提供する’というふれ込みです。スイスに本部を持つVitraが、グローバル企業として、重要なマーケットとリソースの場であるアメリカにますます力を入れ始めました。 Vitraの名前は、1950年代に創立されたガラス製造業者(Glass Vitrines)が由来です。現会長のWilli Fehlbaumの父親であるRolf Fehlbaumが、ヨーロッパでイームズの椅子と出会い、ヨーロッパで製造をするための交渉の翻訳に、16歳だった息子のWilliをアメリカのハーマン・ミラーへ行かせたのが50年代中頃です。 Vitraの創立と成功には、アメリカの偉大なデザイナー、チャールズ&レイ・イームズ(Charles & Ray Eames)とジョージ・ネルソン(George Nelson)が大きな役割を担っているのです。 Vitraは1990年からフィラデルフィアのアレンタウンで家具を製造していましたが、アメリカに3つの店とショールームをオープンしたのは、この2年のことです。 2000年にはサンフランシスコ。2002年にロスアンジェルス。そしてNY、このチェルシーの一角にショールームのオープンです。 このあたりウエストサイド14丁目は、2、3年前までミートマーケットだったところで、朝は市場として賑わっていました。ミートの臭い残る地域にアーティスト達が住み始め、ギャラリーが移り、そして最近は高級ブティックの出店…、と考えられないような変化をしています。 外観 1F Retail ショップ 2F ショールーム 地下 展示会場 最近出来たブティックStella McCartney Alexander McQueenも最近オープン   Vitra Opening Party の様子 コンスタンティン・ボイム(左)とカリム・ラシッド(右) …       1Fのショップスペース アメリカで最大規模 3階建て、12,100平方フィート(約1124平米)のこのショールームは、Vitraアメリカで最も大規模なショールームとして、オフィス・住居の為の家具や椅子、ミニ・チェアーそして本やアクセサリー等を展示しています。1階はショップ、地下は展示会場、2階はオフィス・スペース兼ショールームになっています。 建物はRoy Design StudioのLindy Royが設計を担当しています。彼女は2001年夏のMoMA Young Architects Competitionで25人の中から選ばれて、様々な出版物でとりあげられ、最近もCooper Hewitt National Design Museumの「New Hotel for Global Nomads」に出展し、NYタイムズ等に取り上げられている若手建築家のリーダーです。 … … … … … 地下へ降りる 地下の展示会場 地下の展示会場