第48回: NY 国際自動車ショー 2003 (2003/5/14)


 

 

プレス・プレビュー

NY 国際自動車ショー2003年が4月16日から26日までジャコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで行われました。
世界の主要自動車メーカー、販売会社60社が新型車とコンセプト・カー等を一堂に展示。連日、例年に負けない人出で、人気を集めました。
いつも我々が出展するギフトショーの見慣れた300ブース位のスペースを、5社くらいのゆったりした豪華なブースがとってかわり、雑貨小物と車のサイズ、価格の根本的な違いを実感しました。
ここ数年の課題である環境問題や経済性に、今年は造形美、パフォーマンスを追求した自動車やスポーツ・カーが来場者の注目を集めたようです。16日のプレス・プレビューに招待を受け、トヨタの新型プリウスとコンセプト・カーのLexus HPXの発表を見る機会を得ました。舞台での新車の形を見せるまでの演出や、布をかぶせたコンセプト・カーを光りや音楽と煙りまで交えて、ショービジネスのスターが登場するのと同じように、時間を取って、じらしながらの盛り上げる演出でした。一斉にフラッシュをたいていたPressが、撮り終わったら締め切りの為かいち早く出ていく様子も、スター誕生を思わせる様子でした。

トヨタの新型プリウス

 

Lexus HPX

 

 

Lexus HPX

コンセプト・カーとハイブリッド・カー

コンセプト・カーのLexus。他社コンセプト・カーにも見られたことなのですが、ドアには取手がなく、リモコン操作で、ハンドルはもう円の必要がないそうで、今までにない形をしているのが目をひきました。
ハイブリッド・カーは、各社とも電池燃料カーのつなぎと受けとめていたのですが、まだ開発に時間がかかるため、各社がハイブリッド技術を使った新型車を発表しています。Fordはエスケープ、GMはSUV(サタン・ビュー)、ToyotaはプリウスTHS2を発表していました。
コンセプト・カーではハイパフォーマンス・モデルとして、斬新なスタイリングを重視したスポーツ・カーが各社から発表されています。上記の他には、Nissan の2004 350Z Roadster、クライスラーAirflite、Buick Centieme、Cadillac V Sixten、ドアーが翼のように上に開くInfiniti Triant、マツダ Washu、Ford Mustang Consept、Chevy SS、Mitsubishi Tarmac Spyder、Suzuki GSXR4、Ford Freestyle FX、Dodge Kahuna等が注目をあびていて、今後の方向性を予感させるデザインを発表していました。

 

 

多くの人々が訪れた一般公開


Toyota FJ クルーザー

Toyota FJ クルーザー

BMW Z4

トヨタMR-2

 

 

これからの車の必要性とは?


NYで一般に最も人気を集めていたのはHUMMER のミリタリー・トラックやジープで、今回の戦争の映像で何度も見ているのが宣伝になったともいわれています。
今回、以前お目にかかったことのある日産の中村氏とご挨拶するチャンスがあったのですが、4月25日のNY Timesでカラーで記事を見つけて、日本の企業の変化、インハウス・デザイナーの頼もしさ、今後の期待にうれしくなりました。
今回、最も自家用車を必要としない街NYで開かれた、車のショーが一番人出が多かったそうです。「これからの車の必要性とは?」という課題を考える上で、ヒントとなることもあるのではないでしょうか?

ポルシェ GT3

本物に見える車のバルーンが会場の空を動きまわり、一瞬皆がドッキリ  

三菱

三菱

クライスラーのバイク (コンセプト・カー)

スズキのコンセプト・カー

展示フロア

 

Karim Rashidのアート展  チェルシーのGalleryにて


NYの最もHotなデザイナーであるKarim Rashidの “KARIMAGOLOGOS” 展のオープニングが、チェルシー26丁目のギャラリーElga Wimmer PCCで行われました。コンピュータで描く彼のアートをキャンバスにinkjetでプリントした作品で、彼のデジタル・ワールドから、ロボット、ファッション、シンボル、ロゴあらゆるものを、彼の言う「ポスト・パンク部族」のボディ・アートとして表現しているそうです。
このあまり大きくないギャラリーでも、タレント的存在の彼が入ってくると華やか雰囲気になります。
inkjetのプリントはナンバー、サイン入りでコレクターが買っていました。Louis Vuittonのカラフル・ロゴはアーティストである村上隆が手掛けましたが、このあらゆる企業ロゴをもじったアートは、プロダクト・デザイナーから発表されました。

案内状

左が Karim Rashid と、右が Hani Rashid(建築家)の兄弟


※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影