第151回 SOFA NY 2011

 今年で14回目となるNY恒例のSOFA(Sculpture Objects Functional Art Fair ─ 現代工芸アート展)が、2011年4月14日~17日にArmoryで開催されました。コレクターやキュレーターをはじめ、建築家、インテリアデザイナー、アートアドバイザーが、インテリアとアートの境界線を越える表現力と豊かな感性を持つアーティストに出会うことを目的にやって来ました。 【写真1】  13日にMAD Museumの基金集めを目的としたオープニング前夜祭が行なわれました。12カ国から600人のアーティストと、57の各種ギャラリーが出展しました。 前夜祭のベネフィット用チケットは、ワンドリンク付きのオープニング・パーティーの100ドルチケットや、ティファニー・ルームでのベネフィット・ディナーの5,000ドル、1,000ドルチケット等がありました。また、工芸作品やジュエリー作品の他、各種旅行等の豪華賞品が用意されたサイレント・オークションが催され、賑わいました。新しい試みとして、ジャック・レナー・ラーセン(longHouse Reserve)の特別賞「Best Artwork in Show, Best Booth Design賞」が新しく設置されました。 この特別賞は14日に行われた朝食会で、“コンテンポラリーデザインの視点 ─ 私たちはここからどこへ行くのか”をテーマに、受賞者が発表されました。Best ArtにはLacoste Galleryから出品された、信楽焼の巨匠として知られる神山易久氏の作品 【 写真 54 】 、Best BoothにはSarah Myerscough Fine Art 【 写真 26、27 】 が選ばれました。 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】 【写真21】 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】  【写真26】 【写真27】 【写真28】   【写真29】 【写真30】  【写真31】  【写真32】  【写真33】  【写真34】

第150回 Architectural Digest Home Design Show DIFFA Dining by Design

 今回で10回目を迎えるArchitectural Digest Home Design Show(以下、ADHD Show)が、Pier 94を会場に、3月17日~20日まで開催されました。会場の一部ではDIFFA(Design Industries Foundation Fighting AIDS)のDining by Designが開催され、著名な建築家やデザイナー、セレブが参加しました。 隣りのPier 92ではThe Artist Project New Yorkも開催していて、この3つのイベントを同時に見られることもあってか人出も多く賑わっていました。私は、ADHD ShowとDining by Designの2つで精一杯でした。 ADHD Showは、300社ほどのメーカー、ギャラリー、デザイナー、アーティスト等が、ホームデザインに関わるあらゆるプロダクト(家具、テーブル・アクセサリー、骨董、キッチン、バス・プロダクト[風呂まわり]、床、壁材、照明、その他の素材など)を出展していました。   【写真1】 また、今年から「The Made」セクションと名付けたハンドメイドのセクションと、「ドリーム・ルーム」賞が設けられました。来場者とインテリア・デザイナーがひと組になり、ゲーム感覚で「ドリーム・ルーム」を探して、当てたチームにiPhoneをプレゼントするというものです。例年行う協賛のニューヨークタイムズのセミナーで、著名建築家、インテリア・デザイナー、シェフが講演し、満員の聴衆を楽しませました。 【 写真 5 】   【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】  全体としては都会生活に向けたデザインではなく、「The Made」のセクションや素材をみせている作家のブースが、個性的でおもしろいと思いました。また、メインのブースが大型化するなどの変化も見られました。ベテランの出展者はどのトレード・ショーでも同じように、来場者の入りやオーダーの数を気にしていましたが、今回が初となる出展者は混雑に期待して、希望を持っていたようです。手頃な規模で、家族連れで楽しる人気のショーです。 【写真21】   【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 【写真28】 【写真29】 【写真30】 【写真31】 【写真32】 【写真33】 【写真34】 【写真35】

第146回 MoMAの企画展「Small Scale, Big Change」

 2010年10月30日から2011年1月3日の期間、NY近代美術館MoMAで「Small Scale, Big Change: New Architectures of Social Engagement」が開催されました。この展覧会は、恵まれない地域のための革新的な11の建築プロジェクトを紹介するものです。地域社会の経済的負担や社会的負担を、建築によってどのように改善できるかに焦点を当てています。 プロジェクトは、構築済みのもの、現在進行形のもの、実行予定のものなど様々です。会場には、プロジェクトに使用された素材、模型、ドローイング、ビデオ、大版写真、スケッチ等が展示されました。■ Primary School 1999-2001 Gando, Burkina Faso Diébédo Francis Kéré 【 写真 9~13 】   【写真1】  建築家Diébédo Francis Kéréは、自身がまだ建築を学ぶ学生だった頃に、故郷のGando小学校が荒廃状態にあることを知ります。そこで彼は、Gandoに学校を建設するためのプロジェクトを立ち上げ、より良い学校を作るための組織を結成しました。 彼は現地の伝統を踏襲し、日干しレンガを使った小学校を設計します。日干しレンガは、その地域で簡単に手に入り、丈夫な素材でありながら軽視されがちでした。しかし、学校の建設資材として耐えうるだけの強度を持ち合わせているのです。耐久性の高いレンガを作るために、レンガを圧縮する人力プレス機を導入しました。 屋根は、雨と熱から壁を保護するように、大きく張り出したデザインが施されました。また、天井と屋根の間に通気スペースを作り、空気循環を向上させました。 建設の進行に伴い、訓練された地域の人々は協力して建設作業を行いました。レンガは人の手で組み立てられ、屋根の構造は大型機械を使用せずに人の手で溶接されました。   【写真2】  「Primary School」の入校希望者は、2001年の開校以来9年目にして、定員数を遥かに超えるほどになりました。その後、国際的に成果が認められたため、教育者のための学校施設や住居も建設されるまでになりました。今日のプロジェクトを通して、1人の建築家が、非常に貧しい環境にあるコミュニティーに、ポジティブな効果を与えることが出来るという手本を示したのです。 ■ METI – Handmade School 2004-06 Rudrapur, Bangladesh Anna Heringer and Eike Roswag 【 写真 14~16 】 2002年当時、建築科の学生だったAnne Heringerはクラスメイトと、バングラデシュの村や都市の経済構造の分析を行いました。この分析で、村人の教育を受ける機会が不足していることがわかりました。そして彼女は修士論文としてMETI-HANDMADE SCHOOLを設計します。2004年、村の学校を運営するRudrapur地区の非政府組織に提案したところ、彼女のデザインが採用されました。 建設計画と資金集めに1年を費やした後、2005年にプロジェクトを開始。ベルリンの建築家Eike Roswagが現場監督を引き受け、指導を行いました。 構造は主に土で作られ、地域の伝統的な建築材料である粘土、砂、耐久性を保つためのワラが使われました。また、建物内部壁に防風層を設けるなど、地域の伝統的な建設方法に多くの改良が加えられました。 地域の居住者や非熟練労働者は建築の訓練を受け、すべての工事を自分たちの手で完成させました。その結果、3つの室内教室が完成しました。 「METI – Handmade School」は、伝統的な方法と材料への革新的なアプローチで、村人の建築への関心を刺激し、また、Rudrapurのコミュニティーにおける建物の新しい基準を作ったのです。 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】

第145回 Patrick Jouin:デザインとジェスチャー at MAD Museum

 2010年11月9日から2011年2月6日まで、フランスを代表するデザイナー パトリック・ジュアンの展覧会「デザインとジェスチャー」が、MAD (Museum of Arts and Design)館内の「The MAD Projects Gallery」で開催中です。このギャラリーでは、デザインに関する世界の動向や技術革新の新たな探求を目的に、話題のデザイナーやトレンドを紹介しています。 パトリックによって考え出されたオブジェクト・デザインとジェスチャーの関係を探るべく、展示にマルチメディアを導入しています。会場には、ベルギーの映画監督ジェローム・デジェルラシュ氏によるパノラマムービーが設置され、不思議な空間を演出しています。 MADのロビーには、パトリックがイタリアの照明会社Leucosと共に制作した光のオブジェがありました。このオブジェは今回の展覧会のための新作です。パトリック・ジュアンは1967年フランス生まれ。1992年にエコール国立高等インダストリアルアトリエを卒業。翌年、トムソンマルチメディアに参加。1995年よりフィリップスタルクがアートディレクターを務めていたグループTim Thomに務め、1999年に独立。自身のプロダクトデザインとインテリアデザインスタジオを設立しました。その後、数多くのデザイン賞を受賞し、重要な公共プロジェクトを手掛けています。2010年春には、パリ・ポンピドーセンターで個展が開催されました。今回のMADの展覧会はパトリックにとって、「アメリカ美術館デビュー展」になります。   【写真1】 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】  パトリックは1999年に自身のスタジオを設立して以来、カトラリーデザイン、スパニングツリーのプロジェクト、Puiforcatセルフクリーニング洗面所、パリのストリートファニチャーなど、様々なプロジェクトに多彩な才能でチャレンジしてきました。また、「2005ソリッドポリウレタン樹脂チェアシリーズ」に代表される技術的な妙技から“達人”と呼ばれています。 【写真8】    パトリックといえば、エレガント且つクリアなデザインが特徴です。世界的料理人アラン・デュカスとコラボレーションしたALESSI Pasta Potパスタ調理ユニット、彼の建築パートナーSanjit Mankuが設計した私邸のシャンデリア、13,000枚もの磁器製の花びらで出来た照明器具などが良く知られています。 フランスを代表するデザイナーといえばパトリックですが、他国のメディアではあまり取り上げられていません。しかし、彼の才能を披露したこの展覧会がきっかけとなり、欧米でも話題になることでしょう。 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】

第143回 Eat Drink Art Design展

 コロンバスサークルにあるMuseum of Arts and Designで、「Eat Drink Art Design展」が開催されています。同展では、MAD Museumのパーマネント・コレクションの中から、食卓のアートを約60点選んで展示。会期は2010年9月21日から2011年3月27日迄です。 テーブル、プレート、カップ、ティーセット、シルバーウェア等、MAD Museum初期の豪華でエレガントな食器類、ゴブレット等のコレクションから、最近の作品、米国内のファミリー食卓、コンテンポラリーな作品までを展示しています。バラエティーにとんだ作品群で、時代の変化、様式の変化も垣間みる事ができます。 また、MAD Museumの特徴のひとつともいえるコレクションで、アメリカの著名アーティストのキャンバス以外の作品があります。Roy Lichtensteinのカップ&ソーサー 【 写真 14 】 やKeith Haringの朝食セット 【 写真 15 】 、ガラスの巨匠 Dale Chihulyの珍しいワイン・ボトル等 【 写真 34 】 、アーティストの手作りのプロトタイプから機械生産まで、展示は4つのパート (Eat,Drink,Art,Design) に分けられています。   【写真1】  実際の生活で使える作品として、今回コレクションに加えられた緒方慎一郎デザインの「ワサラ」 【 写真 25、26 】 は、従来の木のパルプ使用の紙ではなく、葦と竹、バガス(サトウキビ)等の土に帰る素材でできた使い捨てテーブルウェアです。最近、アメリカのパーティーでも、人気が出てきた商品です。他には、Funfamの藤岡恒行デザインの竹製のテーブルマナーセット。竹を素材に作られており、環境問題を配慮した作品が選ばれています。 これらのコレクションになった作品が、ミュージアム・ストアで購入できるのも、NYの美術館の楽しみのひとつです。 【 写真 68、69 】 もう1人、日本人で、Pate de Varreというガラスのテクニックで作品を作っているガラス作家・樋口主明(きみあけ)の「キャベツの葉とgoblets」 【 写真 36 】 の作品は、1995年の goblet showで展示された事があり、2007年からコレクションに加えられた作品です。Toshiko Takaezuの初期の茶碗 やWarren MacKenzie の土瓶 【 写真 30 】 が、とても日本らしく見え、馴染みの感じがするのもアメリカの美術館だからでしょうか。   【写真2】 【写真3】 【写真4】

第132回 SOHO MEWS

SOHOのグランド・ホテルの前に出来た新しいコンドミニアム「SOHO MEWS」は、建築家・ Gwathmey SiegelとLandscape ArchitectのPeter Walkerよって建てられ、ウェスト・ブロードウェイとウースター通りまでの2つの建物を中庭を作ってつなげ、タウンハウス・ペンタハウス、そしてロフトの良さを活かした住居として建てられました。 建築家・Gwathmey Siegel社は、国際的な大きなプロジェクトを手がけていますが、パートナーCharles Gwathmeyが、71才で亡くなったという知らせが入りました。NYのコンドミニアムが今迄の短期、少数旅行者用から、家族での長期滞在者向けに、建てられているのが最近の傾向で、今回の2つのプロジェクトにも見られると思います。 そして、普通の不動産セールスとは違い、雑誌社と組むという、なかなかおしゃれで上手な方法で、この不景気でも話題になっています。 【 1 】 SOHO MEWS 玄関 【 2 】ロビー 【 3 】SOHO MEWS コンドミニアム・ショーケース・ルーム(写真3、4) 【 4 】 【 5 】2つのビルをつなぐ中庭 【 6 】ESQUIRE誌のプロジェクト『バチュラー・ペンタハウス』(写真6~9) 【 7 】  【 8 】提供:ESQUIREマガジン 【 9 】 【 10 】デジタル・インタラクティヴ・プールテーブル(写真10、11) Todays Newsで動きが見えます。>リンク参照 【 11 】 雑誌社が選んだインテリア・デザイナーが、映画をテーマにデザインした部屋です。ESQUIRE誌のプロジェクトは7回目。「バチュラーペンタハウス」と云うテーマで、贅沢なペンタハウスをつくりあげました。2つのペンタハウスを一緒にした大きな部屋、デジタル・プールテーブルのあるリビング・ルーム。9200SQの所に11ルームと9バスルーム、2つのファイヤープレース、2つのスパ。レコーディング・ルームはミキシングやレコーディングが出来、そのまま放送も出来るというものです。 ここでは色々なイベントが行われ、ニュースや雑誌でも取り上げられました。フィルム・フェスティバルの基金集めイベント等も開催されました。 【 12 】 ESQUIREマガジンのプロジェクト『バチュラー・ペンタハウス』(写真12~25) 【 13 】 【 14 】 【 15 】 【 16 】 【 17

第130回 Slash: Paper Under The Knife「紙を斬る:ナイフを下に」

10月7日から2010年4月4日まで、MAD Museumの企画・素材・行程をテーマにしたシリーズ展の第3弾として、Slash: Paper Under The Knife「紙を斬る:ナイフを下(もと)に」が開催されています。MADの第1回の「ニッティング」、第2回の「レース・刺繍」に続くもので、第3回の紙をテーマのこの展覧会はナイフ、レーザー、新テクノロジー等を駆使し、イタリア、ドイツ、オーストリア、日本、中国、カナダ他16カ国のアーティスト52人が挑戦した紙の作品の展示です。紙がこの何年か大変注目されていて、今回MAD Museumが取り上げた作品の一部を紹介すると、まずロビーにはAndrea MastrovitoのColumbus Circleを意識した「Columbus’s Ship」を天井から展示した作品(写真1)があり、海の波が紙で表現された天井にまず目をうばわれます。3階にはChris Gilmourの「Triumph of Good and Evil」があり、イタリアで街中にある銅像を見ながら、段ボール箱のリサイクルで糊付しながらイタリアで作りあげた作品で、すでにNY市のコレクターが自分の館に飾るために買い上げた2メートル以上ある大きな作品(写真2)です。Andreas Kocks PaperworkはドイツのミューヘンとNYで制作していて、水彩で黒く塗った紙を切って、空間に合わせ重ねて構成していく作品(写真3、4)が迫力でせまり、Tom Friedmanの朝食のオートミールで有名なQuakerの箱35個を切り裂き、ラベルを水に付けてはがして用意し、コンピュータでのばした画像を見本にまた原型の円柱の箱に貼りなおしたというユーモアが際立つ細く長い彫刻の作品(写真5)もあります。紙を切って、こんなにも表現豊かな沢山の作品に、日本にももっと違う紙を見せたい夢がひろがりました。6階のワークショップのフロアーでは、12月5日2時から、女子美同窓会NY支部の有志2、3人がデザイナーの太田恵子さんを中心に、クリスマス・ラッピングとホリディ・カード制作のワークショップをする事が決まりました。はじめての日本人によるワークショップで今後、日本からの匠の技を見せるきっかけになればと願っています。 http://www.madmuseum.org/DO/Calendar/200912/think%20global.aspx 【 1 】 ロビーにAndrea MastrovitoのColumbus Circleを意識した「Columbus’s Ship」を天井から展示した作品 【 2 】 Chris Gilmour「Triumph of Good and Evil」 段ボール箱のリサイクルで糊付した銅像の紙作品 【 3 】Andreas Kocks Paperwork PHOTO CREDIT: Christoph Knoch 【 4 】Andreas Kocks Paperwork 【 5 】Tom Friedman「Quaker Oats」2009 Photo: Justin Kemp 【 6 】Ferry Staverman, Exhibition a Space Odesey in 2007, Weekendgallery Photo:

第128回 NY恒例の夏期Accent on Design

NY恒例、8月のインターナショナル・ギフト・ショー「Accent on Design」が、今回は8月16日~20日にジャビッツ・コンベンション・センターで開催されました。今年は天気にも恵まれ、初日2日目の会場は結構混み合い、前回の冬の時期より回復したように思えたのですが、全体的にはオーダーの数が少ないなど、まだアメリカの景気は回復せず、今回も忍耐のショーとなりました。作年同様「Accent on Design」へのアプローチとエントランス・ロビーには、今年も注目される「Sustainability」の特別展示スペースが設けられ、主催者側が選んだ175の点の環境にやさしい、これからの社会を考えたギフト、パーソナルケアー商品から家庭用品などのプロダクトが展示されました。この展示を見てブースを尋ねる人達も多く、展示参加者には大きな助けになっているようです。「Accent on Design」のTOPが変わり、ドロシー・ベルシャウ(NYIGFディレクターとGLM副社長)は「25年間 『Accent on Design』 は、ギフトとライフスタイルの現代のデザイン製品規格をつくりあげてきました。」「そして今回の 『Accent on Design』 賞を受賞した3つの会社とそれらの製品は、混雑している今の業界の中でも『Accent on Design』を特徴付けるエネルギーと巧みさを例示し、輝いています。」と言っています。 【 1 】 慣例になった北コンコースの「サスティナビリティー」展示風景(写真1~4) 【 2 】 【 3 】「サスティナビリティー」上からの全景 【 4 】 【 5 】Accent on Design上からの全景(写真5~7) 【 6 】 【 7 】 【 8 】Accent on Designn会場の入ったすぐの景色、作年迄の ALESSIが降りて、Jonathan Adlerが移動し正面に展示。 【 9 】Accent on Design 賞の発表パネル アワードの選考委員は革新、機能、独創性を評価基準で判断し、今年は以下3社を選びました。□最優秀プロダクト賞は、ブルックリンの「Desu Design」のドアーノッカーで、コートハンガーがミニマルの彫刻としても認識されました。□もう一つのベスト・プロダクトデザインは「Design House Stockholm」(スエーデン)の昔ながらのファミリーチェアーが受賞。新しくて美しいどこにでもある伝統的なスウェーデン人のstickbackチェアー。□Best Overall Collectionを受賞したのは、ブルックリンの「neo-Rtility」。アプローチと共にさまざまな実用的な範囲のカテゴリを提供する、管理選択における素晴らしさが認められました。このboothには日本では知られている「IDEA」が初めて出展しています。 【 10 】 【 11 】 【 12 】もう一つの最優秀プロダクト賞はDesign House

第125回 ニューヨーク国際現代家具見本市21回目

今年で21回目を迎える「ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)が5月16日~19日まで、NYのジェイコブ・ジャビッツセンター(Jacob k. Javits Convention Center)で行われました。正味14,500平方メートルの会場が、23,500人のインテリアデザイナー、建築家、小売業者、デザイナー、メーカー、卸売業者等でにぎわいます。 出展者は550で、ジャンルは現代の家具、椅子、カーペットと床、照明、屋外の家具、壁関係アクセサリー、織物と台所関係…と幅広く、住宅向きで商業的な内装のための商品など全てをカバーしています。この期間、「ニューヨーク・デザイン・ウィーク」と名付けられていて、ソーホー、ミートパッキング地区、アップタウンからブルックリンまでデザインショップが参加して、新作発表などのイベントが毎日行われる、年々大変なデザインのお祭りなのです。 今年のスタートを切ったのは、事務所を移転して、新居のオープニングをかねたマテリアル・コネクション(60 マディソン街 Madison Ave)のパーティーでした。【 写真 1~10 】 2階のライブラリー・ショールームには、フィリップ・スタルクも講演の合間をぬって顔を出したりし、大物デザイナーらを多く見かけました。 そしてJacob k. Javits Convention Centerは、今年は34カ国、慣例の団体ではオーストリア(Austrian Trade Commission) イギリス( British European Design Group (BEDG), ベルギー Design in Brussels (Belgium), ポルトガル、Furniture Association of Portugal, アメリカ、Furniture New York, The Furniture Society (U.S.), German Design Council), イタリア( i Saloni WorldWide (Italy), IDSA New York (Industrial Designers Society of America), ノルウェイ(Inside Norway), スペイン( Interiors from Spain), 日本(Japan External Trade Organization),(JETRO), スコットランド、Scottish Development International Scotland),

第122回 Museum of Arts & Design Innovation Galleryの新しい企画

昨年9月末コロンバス・サークルにリニューアル・オープンした「Museum of Arts & Design」ですが、2階を「Innovation Gallery」と銘打って、デザイン展をショート・サークルで開催する今までのミュージアムにはない企画展を発表しました。 そのスタートに「デザイナーのキューレーターによる展覧会」第1弾で、デザイナーのカリム・ラシッドの「Totally Rad:Karim Rashid Does Radiators」(Rad:ラジエーターやラジカルをもじったカリムの言葉)が3月4日から5月17日まで行なわれています。 ミュージアムでの作品は通常一品もののプロトタイプで、なかなか手に入らないものが多く、展覧会も開催までに通常は2年から5年と時間を要しますが、カリムはこの「Innovation Gallery」に、購入しようと思えば市場ですぐ手に入る、日常の生活の必需品である暖房具、ラジエーターをデザインで見せるというショーケースの試みを提案しました。カリムは以前NY市のマンホールのフタをデザインした事もあり、通常目につかないようなところのデザインを提案をし、「世界を変える」をテーマにしています。 Antrax、Caleido、Deltacalor、Irsap、Hellos、Gruppo RagainiとRuntal社等のデザイン・インテリア・ラジエーターを、「斬新な形」、「部屋の中での重要度」、「形」、「パターンとテクスチャーの現代感覚」、「モジュール/柔軟さ」、「多用性」、「新しいテクノロジー」などを基準に、彼のセンスで30点を選び、展示設営も彼によるデザインで、今迄のMADミュージアムにはない新しいデザインの展示になっています。 NYの冬の暖房ラジエーターは、19世紀から序々に開発されているようですが、日本と違ってどのアパートも古くからのラジエーターが取り付けられていて、なんとかならないかという代物も多く、横からスチームがでたり、音がするもの等、一向に改善しているように見えません。アメリカでは家主が購入するという不動産事情があるからではないかと思われます。 日本のように個人購入するのであれば、もう少し工夫され、新しいハイテクノロジーを駆使したものが出てくるように思いますが、今回の展覧会はあくまでも、NY事情で感じた中で、アメリカのインテリアにあうラジエーター、ヒーター・システムを選んだものだと思います。 短期間での企画で新しいアイデアやデザインは新風ですが、マンハッタンの小さなアパート、日本の住居でもフィットする小型のラジエーターや、新しいテクノロジーやエネルギー・セーブを追求したものがもっと出てきてほしいと思いました。 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影