マイケル・アラム
マイケル・アラムから私へ、4月23日に開店するマンハッタンのフラッグ・シップ・ショップの、オープニングのお知らせが届きました。
マイケル・アラムは、ギフト・ショーで着実にビジネスを拡大させていって、この1~2年、ブランド商品として大きなブースを持ち、売れっ子になってきています。
私が、マイケル・アラムの初期の作品を日本の展示会に紹介したのは1985年のことです。その当時の作品は、鉄の曲がりくねったスプーンやフォークでしたが、何か不思議な形でいて、自然体の力強さがあり魅力を感じたものでした。
あれからビルディング一棟ごと買って、1階にショップをオープンし、アメリカン・ドリームを着実に実らせていく彼を、横で見ながら、褒讃の気持ち、いっぱいで、あっぱれと思いました。
マイケル・アラムの出身はアメリカで、主にメタル作品を手掛けるアーティストです。1980年代後半にファインアートを勉強し、アーティストとしてニューヨークで暮らしました。その後、のちに己の人生を変えることになるインドの旅へ出て、豊かな金属加工の伝統工芸と出会いました。そして、彼は、まだあまり知られていない職人たちと共同作業を行い、作品を作る糸口を掴みました。、アラムはすっかり感化されて、住居とワークショップをニューデリーにかまえ、その創造意欲を彼のデザインに基づいた工芸作品へと向けました。
アラムの仕事
アラムの仕事は、手作業の率直なありかたを表現することで、人間性を映し出しています。一つ一つの作品に、古くからの伝統的技術が施されながら、愛情が込められていて、心のこもった品質とエネルギーがしみ込んでいます。熟練職人の仕事とは、その職人の手が感じられるものだけである、とアラムは信じています。このエネルギーがさらに、張り詰めた線、形、そしてアラムの独自の作品の意識にまで高められています。
テーブルウェアーから家具までに及ぶオブジェは、世界中のギャラリーや特選ショップ(メーシー・デパート、ブルーミングデール)等で販売されています。この多様性は、アラムが、個人的な注文の依頼も気楽にこなしながら、ギャラリー展示会向けの一点物、また、一般大衆向けの商品も創る、というアーティストとしての多才性をよく現しています。
そして、芸術家と職人との架け渡しを長く続けているのが、彼の仕事の著名なところです。「物語的、具象的」で知られるコレクションにしろ、もっとコンテンポラリーな「スタジオ」ラインにしろ、一つ一つの作品はすべて手で作られるので、全く同じ物は存在しません。この手作業の品質の良さ、またこの品質と独創性がしっかりと混ざり合っているからこそ、クラッシックなインテリアにも、コンテンポラリーなインテリアの家にも、心地よく合うと皆が認めています。
インドのメタルと組んで、成功させた模範例
ヒンズー語で、”aram”は、”優しく、平和な、愛と気配りをもって”、という意味を含むそうです。このマントラのような方向性を、職人達に伝えて、アラムが、完成度の高い作品創りを続けているので、今の成功を納めているのだと思いました。
日本の地場産業の活性化とか、日本の伝統を海外へ等の運動と同じ事を、地道に着実に一人の作家がインドのメタルと組んで、成功させた模範例だと思いました。
トライベッカフィルムフェスティバル
トライベッカフィルムフェスティバルは、9・11で大きな被害を受けたトライベッカ(Canalストリートよりダウンタウンの3角地帯、ゼロ地点より上)の地域活性化を目的に、ロバート・デニーロを中心に始まった映画祭で、今年は4月25日~5月6日まで開かれました。
あちこちでレッドカーペットのイベントが行なわれた様でしたが、俳優を追いかけるチャンスは逸してしまいました。そのため、フィルムフェスティバルの看板の写真を撮り、案内所までは出かけたのですが、あまりの量と沢山のインフォーメーションで、専門外の私にはあまり分からなかったため、5月5日の子供の日に行なわれた、ファミリー・フェスティバルに参加しました。
この時期は一日中「ストリートフェアーのよう」という噂を毎年聞いていましたが、沢山の人手と大掛かりなイベントとは思わずびっくりしました。また、フィルムフェスティバルのイベントのひとつというだけあって、いろいろなものが無料で参加できます。トライベッカに、こんなに子供のいる家族が住んでいるのか、と思うほど、あちこちから子供連れで、このフェスティバルに参加していました。
分かリやすい全体地図も用意されていました。あちこちで、無料の出来たてのポップコーンに行列ができ、お試し無料のチョコレートバー、フリードリンクもありました。ほかには、子供向けの参加型シアター、大人気の髪の毛や顔のカラーリング、シャボン玉作りのコーナー、アート・工芸のテント、スポーツ体験大型コーナーもありと、大人も子供も楽しめる盛り沢山のストリート・フェスティバルでした。
キッズコーナー
ストリート&体験コーナー
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影