ICFF(国際現代家具見本市)

18回目を迎えた北米一大きな国際現代家具見本市(ICFF)が、5月20日~23日の期間、NYのJacob k. Javits Convention Centerで行われました。今年のテーマは「明日への家具:ヤングとグリーン」。遊び、実験、そして地球に優しい材料等に焦点を合わせたようで、47万5700平方フィートの床には、明るい緑色のカーペットが敷きつめられました。 597社が出展、31カ国が参加し、今年はイタリアのミラノサローネ“isaloni”がICFFの中の400列、500列、600列の一部を同じロゴや色でまとめて出展していました。去年のピアーに比べて俄然華やいで見え、賑わいを増していました。世界中のバイヤー、デザイナー、学生等、会期中の集客数は2万1千人と、昨年と比べて8%アップしたそうです。

入口ロビーには、素材のライブラリーとして知られているマテリアル・コネクションが展示ブースを中と両方に持ち、隣には、毎年Accent on Designに出展しているカナダのUmbraの遊びの小物が展示してあり、今年のテーマを強く象徴していました。
初めての試みで、IDSA(アメリカ工業デザイン協会)が壁際の100列のブースに出展し、若い作家達の展示をサポートしていました。

【 1 】 ジャビッツ・センター 撮影:一力アキ
【 2 】 ICFF入口のマテリアル・コネクション社 展示風景
【 3 】 Umbraが入口に展示
【 4 】 今年はミラノ・サローネがICFF内に展示
【 5 】 ICFF入口のマテリアル・コネクション社 展示風景
【 6 】 IDSA(アメリカ工業デザイン協会) (写真6~9)
【 7 】 PIASA Folding Screen D:Emiliano Godoy
【 8 】 Embossed Wall Tiles [wall flats]
【 9 】
【 10 】 ICFF Studio これも今年はじめての試み

Best Body of WorkはMoloの「インスタントの壁」

今年もデザイン誌の編集者が審査員となって選ぶ“Editors Choice Awards”が開催されました。“Best Body of Work”には、Softwall製品の「Molo(モーロ)」のフレキシブルな「インスタントの壁」が選ばれました。一見、Haney-Popのイスと同じ様な材料に見えますが、耐水の織物で出来ており、軽く、収縮自在で、アコーディオンのように必要に応じ継ぎ足すことができ、そのバリエーションの展示で注目を集めていました。展示の奥に続く壁がコンフェランスの会議室になっているのも効果的に使われていました。
マテリアル・コネクションのICFF内のブースでは、フィリピン貿易産業省との共同プロジェクトで、フィリピンの自然素材を生かした『トランスフォーメーション』というタイトルの展覧会が行なわれました。同展は、国際的なデザイナー16人の考えたプロトタイプのプロジェクトで、作家の顔写真とコンセプトパネルの展示を見ると、日本の内田繁氏、David Rockwell, Kevin Walz, Karim Rashid, Paul Haigh, Clodagh等の顔写真が展示されていました。

【 11 】 「Molo」 Softwall製品のバリエーションの展示 撮影:一力アキ(写真11~12)
【 12 】
【 13 】 デザイン学校の展示(写真13~17)
【 14 】
【 15 】
【 16 】
【 17 】
【 18 】 マリメッコーの展示(写真18~19)
【 19 】
【 20 】 ハーマン・ミラー
【 21 】 マテリアル・コネクション社の展示風景
【 22 】 マテリアル・コネクション社の展示風景 内田繁

日本人の作家も出展

英国がサポートで日本の作家達が出展しているブースを4つ発見しました。出展者は海外に住んでいる日本人が多かった様ですが、日本でやらなければいけないような事をサポートしている英国の懐の深さや理解度に感激しました。
デザイン学校のブースは今年も新鮮でがんばっていました。出版物のスペースは、大きくすっきり、デザイン誌が並んで分かりやすい展示でした。
今年もその場で買えるデザイン土産マート:DESIGNBOOMの会場は人気を集めていました。
入ってすぐのところに、ポーズをとったKarim Rashidの大きな写真が、映画スター並みに貼られていました。彼は、今やTV番組にもデザインクリティックで、レギュラー出演しており、ニューヨークのデザイン界では 数少ないタレント的存在になっているようです。 今年のICFFのオープニングパーティーは久しぶりにMOMAのSculpture Gardenで行われました。

【 23 】 Vitra
【 24 】 ストローで出来たランプ Padlab design(写真24~25)
【 25 】
【 26 】 マイラに切り込みを入れたスクリーン Forte Air Factory Studio
【 27 】 West Villageに和紙のお店を持つPrecious Piecesが出展
【 28 】 Driade 撮影:一力アキ
【 29 】 Moroso 撮影:一力アキ
【 30 】 Kartell 撮影:一力アキ
【 31 】 IFUJI Design
【 32 】 Mixko ランプとジュエリー
【 33 】 Monacca 木工細工の丁寧な作品
【 34 】 BonaLdoのBoothのバックにKarimRashid

Off Site(InsideOut New York)

Offサイトは見逃せないエキサイティングなシーンが沢山ありました。今年は、Javitsの向かい側にIKEAが大掛かりな特別展示即売を行ったり【写真35】、マーサ・スチュワートのLiving Omnimedia(MSO)が26丁目に出来たビルの1階でMSOの家具ショーをしたりと、マンハッタンのそれぞれのショールームでのパーティーやイベントが年々大きくなってきていました。
前回紹介したMobile Living展も大きなイベントの一つ。会場のSkyLightはイベント会場としては人気のスポットですが、もう一つ最近話題のイベント・スペースで、昔トンネルというDiscoの跡地が今ホットな会場です。
DUNEのPartyとイタリーのIDCSが展示、パーティーが行なわれました。この細長い空間で、DUNEは12アベニュー側入口から半分をとり【写真36-37】、11アベニュー側入口の半分はイタリーのIDCSが展示して、クールな空間を作っていました。
以前はSOHOにあって、人気のThe Apartmentストアーが23丁目に移り、そのパーティーは若い熱気であふれていました【写真40】。
ミートパッキング・エリア14丁目にあるStella McCartneyでもOff Siteのパーティーをしていました【写真41-42】。
イタリーのアソシエーションが幾つかのスモールビジネスをサポートしてソーホーで展示をしていました【写真43-46】。SOHOのグリーン・ストリートにあるブティック・DiselでもInsideOut New Yorkの旗を置いて、参加して派手なバルーンで店の中から外まで目を引いていました【写真47-49】。今年も毎日とてもカバーしきれないICFF外の、InsideOutイベントの数々でした。

【 35 】 Ikea 撮影:一力アキ
【 36 】 DUNEのParty 撮影:一力アキ(写真36~37)
【 37 】
【 38 】 イタリーのIDCS(写真38~39)
【 39 】
【 40 】 The Apartmentのパーティー
【 41 】 Stella McCartney(写真41~42)
【 42 】
【 43 】 イタリーのアソシエーションINSohoItaly(写真43~46)
【 44 】
【 45 】
【 46 】
【 47 】 Disel ブティック(写真47~49)
【 48 】
【 49 】

※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影