今年で21回目を迎える「ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)が5月16日~19日まで、NYのジェイコブ・ジャビッツセンター(Jacob k. Javits Convention Center)で行われました。正味14,500平方メートルの会場が、23,500人のインテリアデザイナー、建築家、小売業者、デザイナー、メーカー、卸売業者等でにぎわいます。
出展者は550で、ジャンルは現代の家具、椅子、カーペットと床、照明、屋外の家具、壁関係アクセサリー、織物と台所関係…と幅広く、住宅向きで商業的な内装のための商品など全てをカバーしています。この期間、「ニューヨーク・デザイン・ウィーク」と名付けられていて、ソーホー、ミートパッキング地区、アップタウンからブルックリンまでデザインショップが参加して、新作発表などのイベントが毎日行われる、年々大変なデザインのお祭りなのです。
今年のスタートを切ったのは、事務所を移転して、新居のオープニングをかねたマテリアル・コネクション(60 マディソン街 Madison Ave)のパーティーでした。【 写真 1~10 】
2階のライブラリー・ショールームには、フィリップ・スタルクも講演の合間をぬって顔を出したりし、大物デザイナーらを多く見かけました。
そしてJacob k. Javits Convention Centerは、今年は34カ国、慣例の団体ではオーストリア(Austrian Trade Commission) イギリス( British European Design Group (BEDG), ベルギー Design in Brussels (Belgium), ポルトガル、Furniture Association of Portugal, アメリカ、Furniture New York, The Furniture Society (U.S.), German Design Council), イタリア( i Saloni WorldWide (Italy), IDSA New York (Industrial Designers Society of America), ノルウェイ(Inside Norway), スペイン( Interiors from Spain), 日本(Japan External Trade Organization),(JETRO), スコットランド、Scottish Development International Scotland), and そしてタイ Thai Trade Center (Thailand).等が続けて参加しました。
今年初めてICFFに参加したジェトロは、「ジャパン・バイ・デザイン」を出展しました。パリで見せたという「感性展」をアレンジした展示で、NYでは今迄みたことのないお金をかけた日本の大掛かりな演出に、いろんな意味で話題を呼んでいました【 写真 11~22 】 。その周囲を囲むように、見せるディスプレーや会場の壁全体を覆う巨大スクリーンと、その映像に気をとられ、展示作品にずらりと見られるの著名デザイナーの名もかすんでしまうほどのスケールの大きい会場でした。
このICFFは家具のトレード・フェアー、つまりビジネスの発生するべき会場ですが、その事情をあまり知らない、またはこのビジネスに関係のない来場者には、大変日本を印象づける展覧会だったようです。ただ、同業者の間では、もともと「家具」というカテゴリーにも疑問のある展示品群、価格も分からない、見せたいものを見せた形の「展覧会」、ということに疑問の声も上がりました。また展示品の中にはすでに同じ日本のものが、別の業者から売られているものも多く見られ、既存の日本の業者を無視したケースもあり、他の小さな業者がそれぞれ必死にビジネスをしようとしているこのご時世のため、NY事情の詳しいプロを通すべきと言う声も聞こえてきました。
他には、今年もイタリー製のミラノ・サローネが、沢山のブースを確保してすっきりとまとめ、フードサービスありのエンターテイメントで人気を呼んでいました【 写真23~30 】 。
レッド・カーペットで区切った24余のブースは、インテリア・フロム・スペイン。【 写真31 】
壁際には今年も若手を応援する、IDSA ニューヨークのブースや作家のブース【 写真32~34 】 。
今年のアカデミック・アチーブメント・アワードは、クランブルック・アカデミー・オブ・アート、メリーランド・インスティテュート美術大学(MICA)、プラット・インスティテュード、ロードアイランドデザイン学校(RISD)、そして、サンディエゴ州立大学に与えられました。又、今年もデザイン誌の編集者が審査員となって選ぶ「編集者賞」“Editors Choice Awards”が行われ、
Body of Work: Duravit,
New Designer: Misewell,
Craftmanship: Jaime Hayon for Baccarat,
Furniture: Council, Inc.に与えられました。
ミートパッキング地区 5月17日(日曜)
「ニューヨーク・デザイン・ウィーク」に間にあうようにとオープンしたばかりのホテル・スタンダードへ。ハイラインはさむように建てられたこのデザイナーホテルを情報の拠点に、【 写真35~38 】 14丁目の10番街と9番街ではブラジルのデザイン展やIDSAの作品発表など、若手の勢いを感じる展示で盛り沢山。【 写真39~50 】
ソーホー地区 5月16日(土曜)と18日(月曜)
ソーホーは土曜の夜のパーティーがグリーン通り沿いに、スプリング通りからハウストン通りにかけて行われ、モス、モロッソ、ドローグ、ブルードットのICFFパーティーをはじめ、ウースター通りのカッペリーニ、サイトなど軒並みどこも満員。【 写真51~88 】
そして18日の月曜日はグリーン通りのダウンタウンよりのショップ、kartellや照明のArtemide、Ingo Maurerでのパーティー。これまた満員の人気でした。【 写真89~99 】
駆け足で「ニューヨーク・デザイン・ウィーク」を見物しましたが、特にイタリー、オランダは勢いが良く、頑張っているように見受けられました。