和の影響を受けている
NYの新しい食文化・レストランを見る

ニューヨークの食文化はこの2、3年、目をみはるものがあります。例えば、お寿司を食べることが当たり前になりました。お刺身を盛り沢山オーダーする若者達や、「わさびがきかない」と別注文する人など、私などとても足下にも及ばない和食通のような感じなので、驚いています。

最近は、TV番組『料理の鉄人』の影響か、(番組のアメリカ版があり、現在も放送されています)より名シェフの、オリジナル料理に人気があるようです。また、味や雰囲気を好む居酒屋風が流行しており、日本酒を各種そろえた本格的な通のレストランと、エンターテイメント化して大型の演出で楽しませてくれます。

【 1 】 食器から家具までアジア系の製品がでまわっている。 (写真1~3)
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【 4 】 ケータリングの会社のデモンストレーションでもアジア、和のイメージが盛り込まれる。 (写真4~10)
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エンターテーメントがレストランの重要な要素

58丁目にある“TAOレストラン”もそのひとつ。大仏のもとで鯉が泳いでいる池が店内中央にあり、天井にはビックリするような大きな書が張り巡らされています。食事のサーブは、細長いお皿に料理がカラフルに盛りつけられてきます。味は、日本人にはちょっと・・・という感じですが、演出が盛りだくさんなのでレストランはいつも満員です。
このレストランで使用されている食器の一部は、日本でも活躍しているIzabel Lamのデザインです。家具や食器、漆器などが、アジアスタイルとして5~6年前からはやりはじめたのも、これらの前ぶれだったのだと思います。

最近の有名レストランは、各種雑誌などで取り上げられ一般に知られていますが、59丁目のタイム・ワーナービルの上にある“NMASA寿司”は、高いことで有名になりました。ダウンタウンには“NOBU”、“メグ・レストラン”、チェルシーには“祭りレストラン”、“アジア風のスパイシーマーケット”・・・。1カ月ほど前には、“ONOレストラン”というものもオープンしました。

【 11 】 祭りレストラン
【 11-2 】 メグレストラン
【 12 】 タオ・レストラン エンターテーメントがレストランの重要な要素。大仏、天井の漢字。(写真12~14)
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【 15 】 お茶の伊藤園レストランもNYの和のブームの素 (写真15~16)
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【 17 】 若い人向きの新しいNYの和のおむすびの店 (写真17~18)
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食器や盛り付けに、神経を使って和を生かす

若手名シェフたちは、ヴィレッジやノリータに、こじんまりした凝ったレストランを次々と開いています。
デザートのフルコースを出す専門店として初めてオープンした“チカリシャス”は、オーナーの一人が日本人女性です。おしゃれな盛りつけ、濃すぎない味付けでフルコースが食べることができるメニューになっています。この店は、ニューヨークの沢山のメディアに取り上げられました。

その先生や仲間といったシェフ達が、NY Timesにも取り上げられている“クリントン71”の28才の話題のシェフ。
半熟卵の黄身がイカスミで作られた皮に包まれた料理があり、シェフがお客の目の前で温かいソースをかけるとイカスミがとけて、中の黄身が出てくる演出でお客を喜ばせています。他に、ウニのデザートや和の食材を使って、いろいろ工夫をしています。

【 19 】 デザートのフルコースをだす専門店、チカリシャス。食器や盛り付けに、神経を使って和を生かしている (写真19~22)
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【 23 】 レストラン“クリントン71” (写真23~31)
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【 31 】 “クリントン71”の28才の話題のシェフ Jason

和を意識したレストランが次々とオープン

ビレッジには、“重箱”をもじった“Jewel Bako”という名前のレストランがあり、アメリカ人が和を取りいれた、と話題になっています。インテリアやテーブル・コーディネイトはシンプルにまとめられています。ここと同じオーナーが経営するオイスターバーも、和を意識しているそうです。
ノリータのレストラン“WD50”でも、有名なシェフが日本を意識したメニューを展開しています。食器にこだわり、枝豆のアイスクリーム、みそアイスクリームなどのオリジナルに挑戦しています。

「日本酒ブームを作ろう」「日本茶をもっと」といった、日本からの応援もあると思いますが、ケチャップを山のようにかけて食べていた、アメリカの昔の味気ない食文化が、健康志向も手伝ってこうも変わってきたかと思うと、感無量です。

 

【 32 】 アメリカ人が和を取りいれたという話題のレストラン「Jewel Bako」 (写真32~34)
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【 35 】 和を意識しているというオイスターバー (写真35~37)
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【 38 】 レストラン “WD50” 有名シェフによる日本を意識したメニュー。で食器もこだわり、オリジナルメニューに挑戦している (写真38~44)
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※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影