Accent on Designの冬期のトレードショーが、1月28日から2月1日までジャビッツセンターで行われました。
今年はジャビッツセンターが一部改造中のため、ハンドメイドやキッズセクションなどの大幅な配置変えがあり、来場するバイヤーがいつもの買付け先を探すのに戸惑っている様子でした。また、新しい出展者のための離れのピアの展示場が一部縮小されると同時に、ミッドタウンのメトロポリタン・パビリオンが拡大され、ピアと違った評価が得られそうです。
今まで入場口の真正面に設置されていた2階建デッキがなくなり、突然、インパクトの強いアレッシー社の大きな垂幕が現れるところから展示が始まっていました。【 写真1~2 】
今年のGallery 91のブースでは、新しい照明器具がたくさん登場しました。ブースはいつもの白い壁からトーンを落したペイントをし、全体的にシックにまとめ、ライトアップしました。【 写真3~10 】
受賞ブースの数々
今冬のAccent Award賞が以下の通り決定しました。
<ベスト・ニュー・プロダクト・デザイン賞>
・KleinReidのJames KleinとDavid Reidのデザインによる、陶器とシルバーの組合せで創られた鍵シリーズのジュエリー【 写真11、12 】
・Wunderwurks Designs。【 写真14 】
ハンドメイドで、その変わったホットグルーの素材の使用法の新しさ、美しさが、今回が初めての出展での受賞につながりました。実際触ってみると、シリコンのように柔らかく不思議な商品。
<オーバーオール・エクセレンス賞>
・Dwellのブース。【 写真15、16 】
総括的に優れている商品に与えられるこの賞は、Dwellの常に斬新なデザインを寝具コレクションに生み出し続け、特に、コンテンポラリーベビーベッドというカテゴリーの先駆者として認められました。
<ベスト・コレクション賞>
Walteria Livingのブース。【 写真17 】
初出展で、食器コレクションやユーモラスな新しさのある商品群が好評で受賞しました。
癒し系の商品が人気
Josh Jakusは初出展。1枚のリサイクルのフェルトをジッパーで閉めていくと、立体のバッグや財布になるというシンプルで機能的なコレクションデザインでした。【 写真20 】
Accent Award賞には選ばれませんでしたが、私の目で見たところ、こちらの方がアワードに値するのではと思ったデザインのブースが幾つかありました。例えばIngo Maularから独立したデザイナー、Mark Mckennaによる、LEDランプ。プラモデルのようにパッケージされており、型から外して、組み合わせてランプを創るというもの。【 写真23 】
イギリスからやって来たsuck UKのブースは、ピストルを陶器でかたどった花瓶や、サッカーボールの果物ボウルなど、UKらしいエクセントリックなユーモアのある商品ばかり。【 写真24~25 】
年々のデザインものの景気の低迷が影響してか、今年のショーも全体的に、増々、癒し系の商品が人気のようで、今回目に付いたのは、犬(ドッグ)関連の商品が増えた事。犬用のアクセサリーまであり、盛り沢山で驚きました。また、ベビー用品も多く見かけました。今まで癒し系というと、とかく香りやセラピーグッズなど、間接的なものが主でしたが、子供やペット、などが与える癒し、を利用したものが増えたような気がしました。
これも癒し、に入るかと思われましたが、カリフォルニアから花の種を紙につけたギフトパッケージが、明るいギフト用品として華やかに陳列されていたのを、ミッドタウンのメトロポリタン・パビリオンで見つけました。
今年はパリのギフトショーと初日3日重なったとか、バイヤーはニューヨークに間に合わせて訪れ、疲れを見せていました。客足が少なかったのはそのせいもあったようです。
犬(ドッグ)関連の商品が盛り沢山
2月3日はNational Wear Red Day
2004年2月から米国心臓協会(American Heart Association)が中心になって展開されているプログラムのGo Red For Womenキャンペーンは、国立心肺血液研究所(National Heart Lung and Blood Institute)が展開するThe Heart Trushキャンペーンなどが代表的なプログラムです。在米の女性の死因のナンバー1が、実は人種にかかわらず心臓病であるという事実を広く知らしめる為のユニークで大規模な社会的運動にしようとしたのが、はじまりのようです。ブッシュ政権により、2月が心臓病月間とされており、毎年2月3日はNational Wear Red Dayとされて、この日はエンパイア・ステートビル、ナイヤガラの滝、ワシントンモニュメントなどアメリカ各都市で、象徴的ランドマークやモニュメントが赤に染められ、心臓月間到来を告げています。
それと同時に主催団体を中心に、各地域で、盛り沢山のチャリティーイベントが展開され、さらに草の根的にこの活動を広めるために、各地域コミュニティーや団体、企業などが独自にイベントを開催することを促進しています。また、イベント開催のコツやアイディア提供、企画相談サービスなどを提供して支援しています。
New Yorkで2月に行われるFashion Weekにあわせて、ニューヨーク市立図書館を借りきりレッドカーペットを引いて、モデル、女優、俳優、ゴスペルシンガー、バレーダンサーなどを起用し、赤いドレスを着用してファッションショーを行なったり、同時に歴代のアメリカ大統領夫人たちが着た赤のドレスやスーツを集めた「ファーストレディー・レッドドレス・コレクション」の展示会も開催され、メディアへのインパクトを最大限に活用するイベントを行っています。
ランチョン・パーティーの模様
ワールドルフ・アストリア・ホテルで行われたランチョン・パーティーの模様。【 写真50~58 】
受付も全てレッドで飾られ、皆赤いドレスを身にまとっています。午前のワークショップ、レクチャーでは、医学とスポーツそして栄養学の専門家が、あらゆる角度から心臓病予防の話と質疑応答がありました。ランチョンの前にはオークションがあり、会場には沢山の景品が並びました。モノだけでなく、フィットネスクラブやレストランのお食事券、クルーズ等、あらゆるアイディア商品が含まれていて、見るだけでも大変です。
ランチョンの会場には、900人分のテーブルがならび、最低一人300ドルですから、これだけでも920,000ドル[110,000,000円])』の大変な基金が集まり、心臓病の研究費などにあてられることになります。テーブルの食事はすべて、コレストロールや、糖尿病などを考えたもので、卵の白身だけで出来たケーキが出ていました。
ランチョンの司会はFOX 5 Newsのアンカーで有名なRosanna Scotto氏が務め、心臓病に貢献した女性へ授賞式を行ないました。心臓病の経験者達が何人か壇上で、厳しい闘病経験談を語り、身につまされました。
夜のギャラ・パーティーは、1,000ドルから別の豪華な基金集めが行なわれました。このようなイベントも赤をテーマに皆にレッドドレスで参加するよう謳ったり、おしゃれなバッジやロゴなど、デザインの力でインパクトが違う事を感じました。
http://www.goredforwomen.com
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影