ジャパン・ソサエティー(JS)は、1907年(明治40年)にニューヨークに設立された米国の民間非営利団体で、全米唯一の規模を誇る日米交流団体として、100年間に渡って両国間の相互理解と友好関係を促進するため、多岐に渡る活動を続け2007年に創立100周年を迎えました。その活動範囲は、政治・経済、芸術・文化、日本語教育など幅広い分野にまたがる各種事業や人物交流などを通じて、グローバルな視点から日本理解を促すと同時に、日米関係を深く考察する機会を提供しています。現在、JSは日米の個人・法人会員をはじめ、政財界のリーダー、アーティスト、教育関係者、学生など様々な参加者を対象に年間100件以上のプログラムを提供している団体です。

JSの2008年度アニュアル・ディナー年次晩餐会が、6月12日グランドハイアットホテルにて催されました。去年は100周年ということもあり、今年の倍の1000人の盛大な晩餐会だったそうですが、今年も600人の政財界の方々がブラック・タイで参加しました。
NYの日系企業が名を連ねて、ひとテーブルにつき1,5000~75,000ドルを寄付して出席する姿は、他の美術や文化系の催しでは、あまり見ることがなく、さすが米国政財界のリーダーがBoardに多いJSならではだと思いました。

司会進行はレナード・ロペート氏(WNYC『The Leonard Lopate Show』)。ジャパンソサエティー会長ジェームス・マクドナルド氏(Rockefeller & Co.会長兼CEO)の挨拶の後、JSの副議長を努めるトヨタ・モーター・ノース・アメリカ社長・早川茂氏が、本年の基調講演をする、Citi Group会長のウィンフリード・ビショッフ卿を紹介し、講演がはじまりました。Citi Groupが見る日本社会の大切さや可能性について、日本が同銀行の国際成長戦略において最も重要なマーケットであり、日本においてのCiti Groupの31支社や傘下にある110グループの日興ホールディングズでは96%が日本人を採用しており、今後どのように発展させるか等の展望を話されました。

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【 3 】 パーティー会場風景
【 4 】 トヨタ・モーター・ノース・アメリカ社長:早川茂氏
【 5 】 ジャパンソサエティー会長ジェームス・マクドナルド氏(Rockefeller & Co. 会長兼CEO)
【 6 】 基調講演をする、ウィンフリード・ビショッフ卿(Citi group 会長)

ディナーの後はジャパン・ソサエティー賞授与式です。ジャパン・ソサエティー賞は、ジャパン・ソサエティー(JS)が日米間の相互理解の向上に寄与した日本人・米国人の功績を賞賛することを目的に1984年に設立された賞で、2008年度は、米ハワイ州上院議員のダニエル・イノウエ氏と映画監督・俳優のクリント・イーストウッド氏に贈られ、授与式とスピーチが行われました。
ダニエル・イノウエ氏は、自らの立場から、日米間の様々な困難や懐かしい話を、クリント・イーストウッド氏は、画面いっぱいのビデオメッセ-ジで、映画『硫黄島からの手紙』の思い出話を交え、日本との関わりを語られました。
最後のエンターテイメントは、ヒップホップダンサーの蛯名健一によるパフォーマンス(共演:上野隆博)。アポロシアターTV版コンテストで7回連続優勝、史上唯一の2冠王というだけあって、その新しい日本を感じさせる迫力のパフォーマンスに、会場の政財界の人々は感嘆し、この選択をしたJSのセンスに、今後大きな期待が持たれました。
本晩餐会への寄付金1億円は、JSの主催する様々な文化・芸術プログラム活動に対する助成金として活用され、日米交流のさらなる発展に役立てるそうです。
JSは、70年代の能、歌舞伎紹介、黒沢映画ブーム、そして、この5、6年のアニメや日本食、日本酒の紹介と、日本文化へ多大なる貢献をしています。これからの、伝統を含めた日本の将来を、今後どう広めて行くか、日本も本気で考え協力すべき時期という感じがしました。

【 7 】 パーティー会場風景
【 8 】 パーティー会場風景
【 9 】 米ハワイ州上院議員のダニエル・イノウエ氏(写真9、10)
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【 11 】 クリント・イーストウッド氏
【 12 】 パフォーマンス:蛯名健一 撮影:石川サトル

※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影