今年で12回目を迎えるThe Armory Showが3月2日から7日まで、Piers 92と94を会場に開催されました。5日間で6万人という集客数は過去最大となり、売上総金額も過去最高となりました。また、この期間アカデミー賞が開催されていたこともあり、俳優、モデル、デザイナーなどが目につき、華やかな街の様子でした。

The Armory Showの他にもミッドタウン34丁目では「VOLTA」、リンカーンセンターの敷地内のテントで毎年行われる「Scoop」、ダウンタウンでは「PULSE,」、そして、今年は28丁目のウェストサイドのイベント会場を使って、初めての「Korean Art」が開かれました。こちらは自前のシャトル・バスで他会場とをつなげ、ビッグ・イベントの旗揚げとなりました。

【 1 】 Armory ア-トショー入り口

【 2 】Armory ワークショップ講演の一つ

【 3 】Armory 会場風景(写真3~5) 【 4 】 【 5 】 【 6 】Jim Dine Alan Cristea Gallery London
【 7 】julianOpie Allan Cristea Gallery
【 8 】CarlosCruzDiez 【 9 】Chagall Gallery Thomos(Munich) 【 10 】AndyWarhol Gallery Thomas
    今年のThe Armory Showは天候にも恵まれ、どのブースも満員の大盛況ぶりでした。著名なギャラリーも数多く名を連ね、オークションハウスにも出る程の名画が展示され、見応えがありました。

アムステルダムから出展のUpstream Galleryは、オープン日開始35分で個展の作家作品が完売したそうです。また、Lower East Sideから初めて出展したギャラリーでも、2時間で作品を完売したとのこと。全体の90%のギャラリーが最終日までに作品を売り切り、不況を感じさせないNYのアートビジネス事情を実感しました。

【 11 】SamFrancis. Gallery Thomas

【 12 】Machis Allan Ctitea Gallery-London
【 13 】Fontana 【 14 】MarthaBoto 【 15 】CarlosCruzDiez
【 16 】Aki Kuroda Galerie Maeght Paris(写真16~18)
【 17 】 【 18 】 【 19 】Gustavo Diaz Cecilia De Torres.LTD NY
【 20 】Jason Martin Wetterling Gallery stockkholm(写真20~21)
【 21 】
今回のショーには現代作家の作品を観るために集まったロンドン、スイッツランド、オーストリアからのキューレーター、ヨーロッパのコレクターの姿が多く見られました。また中国系のコレクターやその関係者も目立ちました。作品ではJim Dine【 写真 6 】シャガール【 写真 9 】アンディーウォーホール【 写真 10 】 また、ほとんど目にふれることがなかったマチスがロンドンのAllan Ctitea Galleryからでていました【 写真 12 】 。フランスのMaeght Galleryから出展しているアーティスト、黒田あき氏とお話ししました。黒田氏は40年パリに在住しており、NYのアートにおけるビジネス・マインドの違いや活気に驚いていらっしゃいました。

NYのMarlboroughの作家Juan Genovesの作品は、大量の絵の具を筆でたたきつけたように、人間模様が表現されています。この、ありそうでなかった表現手法は、多くの観客の興味を惹いていました【 写真 27〜34 】 。Piers 94では、手のこんだ工芸、ジュエリーが、素材の選び方、表現方法で、アートの立体の作品になっているものを多く見かけました。アートの表現方法にもこの2、3年変化が見られますが、今年の映画界でも3Dの新しい表現方法で話題になったと同様に、彫刻やペインティングにも映像で表現したり、新しいテクノロジーを駆使したりと、新たな流れが生まれています。素材の新しさで見せるなど、何でもありの幅広いアートになってきていました。

【 22 】Elias Crespin Cecilia De Torres.LTD NY(Kinetic Sculpture)

【 23 】Tony Oursker Galerie Firsblom(Blob,2008)

【 24 】HC Berg-Galerie Firsblom(Visual Vortex) 【 25 】 Peter Halley Galerie Firsblom(Red Ray.2008) 【 26 】会場 【 27 】Juan Genoves Marlborough_NY(写真27~28)
【 28 】 【 29 】 Juan Genoves ディテ-ル(写真29~31) 【 30 】 【 31 】
【 32 】Juan Genoves Marlborough NY(写真32~34) 【 33 】 【 34 】 【 35 】Peter Kogler JGM Galerie(Steel Table) Paris
【 36 】Galerie Jousse Entreprise_Paris(写真36~38) 【 37 】 【 38 】 【 39 】Mizuma Art Gallery Tokyo(写真39~40)
【 40 】 【 41 】会場 【 42 】Los Carpinteros Sean Kelly Fallery NY 【 43 】紙の束に映写する最近の傾向(写真43~44)
【 44 】 【 45 】Peter Liversidge(Little by llittle..)(写真45~46) 【 46 】 【 47 】Luciana Brito Galeria Sao Paulo
【 48 】Anish Kapoor Lisson Gallery London(写真48~49) 【 49 】 【 50 】Tatsuo Miyajima Lisson Gallery(C.F Lifestructurism-no.8 2008)
【 51 】Paul Kasmin Gallery NY(写真51~52)
【 52 】 【 53 】Michaelangelo Piatoletto Giergiepersane(ステンレススティールを鏡のように磨いている) 【 54 】今回良く観る、ステンレススティールにシルクスクリーンの鏡のような作品(写真54~55)
【 55 】
【 56 】ROBERTS & TILTON(プラスティック織物)(写真56~57) 【 57 】 【 58 】映像バルーンランプ 【 59 】これもアート?
【 60 】うえの方に小さなカラス人間が時々会場中に響く泣き声で観客をひきつけていた。 【 61 】Vip Roomの作品のオブジェ。(写真61~62) 【 62 】
Scoop

リンカーンセンターのDamrosch Park内にあるGlass facade pavilion 62丁目では、20ケ国のアーティストの個展、またはテーマやグループ展を選び、新しい試みの発表の場を提供しています。また、フィルム・プログラムにも力を入れています。ひとつおもしろい作品を見つけました。暗いBOOTHに最初本物の人間が2人、見えました。毛布にくるまって、おしゃべりしてるのかとばかり思ったら、彫刻に映像を写しだしている作品です。外側から携帯電話の音がよく聞こえるので、見てみると、ビーチ.パラソルの下で新聞を見ながら電話で会話している男性。近くによってその男性を見てみると、目はぱちくりするし、口を動かして会話しているようで、石工の彫刻像に映写されてるとは思えない作品にびっくりさせられました。作家はDaniel Glaser。これが今のアートなのでしょうか? テクノロジーの進歩には感心させられます【 写真 68〜71 】。素材もいろいろで、注射針を使って表現している作品、David Datuna【 写真 72〜75 】 ゴミ箱に落ちていそうなダンボール箱をキャンバスにして、写真をプリントしたWilde GalleryのEVOL作品【 写真 91〜93 】等、楽しみました。

 

【 63 】 会場入口

【 64 】

【 65 】Maddalena Ambrosio ミラノ(写真65~66) 【 66 】  【 67 】 【 68 】Daniel Glaser・ Magdalena Kunz(写真68~71)
【 69 】 【 70 】  【 71 】 【 72 】David Datuna ・mironova Gallery Kyiv(写真72~75)
【 73 】 【 74 】  【 75 】 【 76 】
【 77 】 【 78 】  【 79 】 【 80 】
【 81 】 【 82 】 Ana Quiroz 【 83 】Liao Yibai・Mike Weiss Fallery(写真83~87) 【 84 】
【 85 】 【 86 】  【 87 】 【 88 】AlexGupfeng Cao・Chinasquare NY(写真88~90)
【 89 】 【 90 】  【 91 】EVOL・Wilde Gallery(写真91~93) 【 92 】
【 93 】 【 94 】  【 95 】Marck ・Light Feld(写真95~96) 【 96 】
【 97 】Harma Heikens・Witzenhausen Gallery(写真97~99) 【 98 】  【 99 】 【 100 】Ryan V. Brennan(写真100~103)
【 101 】 【 102 】  【 103 】 【 104 】会場で創り続けているパフォーマンス・アート
【 105 】 【 106 】 
PULSE

こちらはウエストサイド・ハイウェイ沿いのダウンタウンの様子です。ウエスト・ストリートとハウストンの広い会場でPULSEが開催されており、若い活気のある出展者、入場者であふれていました。立体作品が多くみられましたが、やはり、新しい素材、表現方法が多く、フレッシュな雰囲気が人気を集めていました。ここの出展者も作品が良く売れていると喜んでいましたが、投資家ではない、若いコレクターを惹きつけていました。MAD Museumのオープニングで話題を呼んだ糸巻きを使ったアーティストのGalleryが出展していました。【 写真 127〜129 】、似た様な作品に見えて、こちらはゴム印を重ねた作品【 写真 130〜131 】です。日本からの出展者の福原HIROSHIGEさんの作品です。【 写真 123 】

 


【 107 】  PULSE 会場入口

 

【 108 】PULSE 会場入口 【 109 】 PULSE Entrance 【 110 】Entranceロビーに展示されている作品 【 111 】会場風景
【 112 】 【 113 】Alyson Shotz “Magnetic Force #2 2010″(Carolina Nitsch Contemporary Art)Steinless Steel on mirroe Polished 【 114 】 【 115 】
【 116 】 【 117 】剥製をまぜた空想動物(写真117~118) 【 118 】 【 119 】 お洒落な移動式 KIOSK
【 120 】 カフェも若者向きに。 【 121 】Kevin Osmond 【 122 】Darren Lago [Block]オルゴール 【 123 】日本からの作家、Fukuhara Hiroshige
【 124 】Stephan Reusseレーザーショー 【 125 】 【 126 】Sophea Pich ・Tyler Rollins 【 127 】Devorah Sperber(写真127~129)
【 128 】 【 129 】 【 130 】Reena Saini Kallat・STUX(写真130~131) 【 131 】
【 132 】 【 133 】会場風景(写真133~135) 【 134 】 【 135 】
【 136 】 【 137 】 【 138 】 【 139 】
VOLTA

Voltaは34丁目の5番街と6番街の間の便利なイベント会場で行われました。Armoryの続きのような構成、少しおとなしい会場でした。MAD Musuemのオープニングに出展したアーティスト。【 写真 146〜147 】

【 140 】 34丁目のVOLTA会場入口(写真140~141)

【 141 】 【 142 】会場風景(写真142~145) 【 143 】 【 144 】
【 145 】 【 146 】 MAD Musuemのオープニングに出展したアーティストと作品(写真146~147) 【 147 】
KOREAN ART SHOW

KOREAN ART SHOWの会場となったのは、28 Streetを11thから12thのウエストサイド・ハイウェイ沿いまでの広い倉庫跡。まだレールが残っていた80年代にトンネルDISCOで賑わった場所でしたが、今はイベント会場になっていて、そこに26 Galleryが出展しての開催となりました。自前のシャトルバスで他の会場とも繋げ、ビッグイベントを旗揚げしていました。あちこちの会場で見かける韓国の売れっ子アーティストのGalleryが出ていて、パワーを感じました。韓国ソウルでこの秋9月に行われる「KIAF / 10」アートフェアーの宣伝もしていて、これからのKorean Artの力の入れ方、勢いに、圧倒されました。

他の地域でも様々なイベントが開催されていました。パーク・アベニューのARMORYでのアート・ショー、各美術館は関連イベントを行い、ChelseaのGalleryもツアーやイベントを、Brooklynのオ-プン・スタジオやロアーマンハッタンのアーティスト・レジデンス・プログラムのオープン・スタジオも行われたりと盛り沢山で、とても見きれないアート・ウイークでした。ただ他のアート・フェアーのMIAMI、BAESL、LONDONに比べて大きいわりに、移動がマンハッタンの中とBrooklyn迄なので、短期間でコンテンポラリー・アートの世界の動きを見たい人には、この時期NYが最も適しているといえるでしょう

【 148 】Korean Art show 会場入口

【 149 】Korean Art show 会場入口(写真149~150)

【 150 】

【 151 】 会場風景(写真151~160) 【 152 】 【 153 】  【 154 】 
【 155 】  【 156 】 【 157 】  【 158 】 
【 159 】  【 160 】