第60回 新しくなったBrooklyn Museumのフロント広場
第60回: 新しくなったBrooklyn Museumのフロント広場 (2004/5/12) 正面玄関(下は筆者) 新しくなったBrooklyn Museumのフロント広場 以前の「ブルックリン・ミュージアム・アート」という名称を、新しい時代に合わせた幅の広いMuseumという意味を込め、「ブルックリン・ミュージアム」とオリジナルの名称(アートをとって)に変え、4月16、17、18日と盛り沢山のプログラムで盛大なオープニングが開催されました。 最初の改造計画は1998年、実際のフロントの工事は2000年から始まり、2004年4月に完成ました。南玄関の駐車場の改築、Eastern Parkway側の憩いのフロント・エントランスと6,300万ドルをかけて82,000 平方フィート* の公共広場ができました。建築家はPolshek Partnership。最初の提案では磯崎新と組んでコンペに勝っています。 オリジナルの建物にある煉瓦をそのまま活かして空間を繋げたガラスとステンレスのプラザ、総面積が14,700 平方フィートのガラス・パビリオンが入り口にできました。 * 平方フィート … 1,000平方フィートはおよそ93平方メートル。 ガラス・パビリオン夜景 ロビー パーティー風景 2000年当時のMUSEUM(レクチャーより) 改築工事中(レクチャーより) ガラス・パビリオン ロビー パーティー風景、ブルックリン・アーティスト 2004年の完成写真(レクチャーより) * Museum提供 地下鉄のBrooklyn Museum前駅 地下鉄のBrooklyn Museum前駅 桜パーク プロムナード ガラス・パビリオン 建物内部の旧建物との繋がり 新しいフロント広場は野外劇場のようなスペース 地下鉄を降りるとすぐ桜並木のパークがあり、反対側にはWET Designが創作した噴水広場になります。ウォータージェットのパフォーマンスを見ることのできる階段がパビリオンの上のプロムナードまで続き、そこから美術館周辺の景色を見渡すことができます。まるで野外劇場のようなスペースで、今後いろいろなパフォーマンスが催される予定です。 地下鉄のBrooklyn Museum前駅 噴水広場 正面玄関 ガラス・パビリオン * Museum提供 4、5階ではブルックリンのアーティスト200人 展が開催手前の作品は、Karlos Carcamo オープニング企画展は、ブルックリンのアーティスト200人展 美術館内部の壊れかけた壁の補修の他にも新しいシステムを取り入れたりと、眼に見えない部分でも丁寧に工事が施されました。そして、今回オープニング企画展として、ブルックリンのアーティスト200人による2000年以後の作品展が4階、5階で開催。ペインティング、彫刻、ドローイング、写真、インスタレーション、フィルムやVideo 等の歴史的な21世紀のアート展という内容で見せています。通常Museumの企画展は、Galleryを通したりすることが多い中、キューレーターが実際に個々のスタジオを尋ねたりして集めたという、大変活気のある面白い作品が多く見られます。そして、アーティスト達も又とないデビューの場を与えられ、その熱気がオープニングでも伝わってきました。 公共広場に莫大なお金を使って、その分作品を買えるのに、などの批判も入り混じってはいますが、今HotなBlooklynにまた一つ楽しみのあるMuseumが出来て、階段で噴水のパフォーマンスを見ているだけでも皆の心が癒される、これもMuseumに足を向けさせるひとつの方法かもしれません。Brooklyn Museum Jean Shin Leonardo Drew Bryan Crockett David Baskin 奥の絵…Dawn Clements 左机…Robert Lazzarini