第2回アジア現代アートフェアー・ニューヨーク(ACAF)がニューヨークのピア92(52丁目 / 12番街)で2008年11月7日(金曜日)から10日(月曜日)迄開催されました。
現代アジアの芸術の最も重要な展示会で、ニューヨークで唯一の国際的な美術展示会として今回2回目となるACAFに、昨年の成功から期待と興味が高まりました。一般公開に先駆け、6日にはプレス・プレヴュー、Vip Partyがあり、いろいろな趣向がこらされて、注目を浴びました。今回は15カ国から70以上の国際的なギャラリーが参加。中国、日本、韓国、インド、バングラデシュ、フィリピン、シンガポール、ベトナム等のアーティストによるによるさまざまな現代の作品が展示されました。絵画、彫刻、写真、紙の作品、ビデオ、およびインストール他をはじめてアメリカで発表される作品が多く見られました。
6日のオープニング・ナイト・プレヴューでは、受賞デザイナーのAngel Changのファッション・ショーが行われたり、Yibin Tianの北朝鮮兵士を装った大勢の兵士達のパフォーマンスの動きや、山下画廊の茶会のはじまりを知らせる拍子木の行列などが、何度か展覧会会場を沸かせ、アジアをアピールしていました。
北京のYibin Tianの写真とパフォーマンスは、彼が北朝鮮を尋ねた時の厳しい規制で写真を撮る事が出来なかった強い印象を、自国にも捻って訴えているという作品だそうです。
もう一つ話題だったのは大きなケージに入った真っ赤な鳥で、韓国の女性作家、Ran Hwangの作品『Dreaming for Joy』で、赤いボタンと金属のピンを壁に鳥の形にインストールしたものですが、抑圧からの開放の夢との事、人気を集め注目されていました。
山下画廊の日本画家・手塚雄二氏の大きな屏風の作品は、黒い畳みを敷いた本物日本の会場設営、京都の裏千家・今日庵・金澤宗維氏のお手前と道具、脇役も揃ってすばらしい会場になっていて、来場者も身を引き締めて観ていました。
東京とチェルシーにある一穂堂ギャラリーから、CHICARA(永田力)のLiquid Chromeのオートバイも、ファインアートの中で異種な感じもあり、人気を呼んでいました。
2つのスペシャル展覧会:Dr. Charles Merewetherのキューレートによるカザフスタン、トルコ、およびジョージア等のアートからの選ばれた作品展、そして、キューレーター・Feng Boyiの「MyBone, Flesh,and Skin」は中央アジアと中東の国からの人体に関連する現代の中国人のアーティストと彫刻を奥の会場を広く使って展示されていました。
各Galleryの展示ブースの他に、スポット・ライトとしての招待作家の作品ブースが6カ所あり、知人のNYのPierre Sernet氏のゲリラTeaの写真と、2畳間の木枠も展示されていました。
他にもアジアの現代の芸術に関連する問題をテーマに、毎日公開討論会や講演、主な館長、美術史家、コレクター、ジャーナリスト、芸術ディーラー、および芸術家がパネラーで企画を行っていたようです。
アジアの現代アートの要求は、最近すごい勢いで成長していて、暮れのマイアミ・バーゼルにもアジアン・セクションが出来たりと、高く昇り続けているように見えますが、宣伝や投資家達の不況の波に潰されないよう、足を地につけて、歴史と本物指向でがんばってほしいと思いました。
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影