インターナショナル・ギフト・ショー、Accent on Designが、今回は例年より早い1月25日~29日に、ジャビッツ・コンベンション・センターで開催されました。
今年はパリのメゾン・オブジェと重なったせいもあってか、出展できないブースもあり、休憩所を増やすなどで工夫しているようでしたが、やはり不況のあおりもあり、今迄になく閑散とした会場と売行きで、出展者は皆、忍耐の期間と頑張っていました。
それでも地下に設けられている、キャンドルなど香りのする癒し系商品を扱う「Extracts」の部門はとても賑わっていたようです。不景気で外出が減る分、家の中を充実させるものが人気でした。景気に関わらず消費するものは売れるということでしょうか。
初日を除いて、天候も寒さと大雪などで厳しかった事も、更に入場者の足を遠のけることになったようです。
Accent on Design部門への入り口ロビーには、今年も 「Sustainability」の特別展示が設置され、来場者の目を楽しませていました。
例年のAccent on Design賞の今年のBest New Product Designは、コネチカットの会社Ameico、そのスエーデンのBo Designのデザインによる、壁に取り付け折畳める、場所要らずの赤ちゃんオムツ取替えテーブルに。またもうひとつは、メキシコシティーから、DFC Mexicoのカラフルなメキシコ工芸を思わせる、コンテンポラリーでポップなバッタのテーブル。
Best Collection賞はNY・ブルックリンのKiln Design Studioへ。
そしてOverall Excellence賞はAreaware(NY)の、常に若手無名デザイナ-の商品開発をしている姿勢に与えられました。
きみどり色の絨毯が敷かれている3600~4200番台の列がAccent on Designセクションです。入ってすぐに右にあるブース「A+」は、次世代を担うデザイナーの発表の場として主催者側が提供しています。
またレースのような繊細なペーパーカットによるランプシェードで人気を集めたArtecnicaの華やかなブースが目につき、その隣りでは今回、umbraのユニークなアート商品ライン「U+」のためにもう一つ別にブースを設け、白い紙を大量に重ねたすっきりとしたデザインで展示していました。
KIDIでも教えていたAaron LownがチーフデザイナーのBuilt NY Incが、会場前方に進出して、目をひくユニークなブースデザインを手掛けていました。 また昨年紹介した、RISD卒の日本人カップル、Morihata Internationalが、今年はAccentの方に出展していました。同じくアクセント部門の、板雅子さんと妹さんのバッグとジュエリーの「acrylic」もすっきりとして好評でした。
Gallery91は今回もコストを押さえる工夫をしたブースに仕上げましたが、円高の影響でどうしても価格を上げざるを得ず、日本製品を扱う方達はどこも苦労していました。オーダーが通常よりかなり減り、顧客のMUSEUMのオーダーに頼る形となりました。
他ではHAND MADE部門を覗きましたが、ドイツ・セクションは毎年品質の高い手作り工芸品を国がサポートしていて、素晴らしい見せ方をしています。どのようにビジネスにつなげているのか気になります。
地下の8600~8700列のExtracts部門は、最初にも書きましたが毎日かなりの人で賑わい、売れ行きも良かったそうです。癒し商品が時代に合っているようです。
ジャビッツ以外では、同時イベントとしてフエリッシモが、今回は1月25日~2月7日まで「unfolding」Japanブランド・エキジビション in NYとして開催していました。各商工会議所がバックアップしての盛大なオープニングは、ジャビッツから流れて来た来場者と日本からの方で超満員で、あまり見られない状態でしたが、トレード・ショーとはかけ離れた日本的展覧会でした。
改めて再度見に行きましたが、きれいな展示風景で、日本をきちんと紹介するには素晴らしい展覧会でした。しかし、一部、NYの常識を無視しての価格設定で、3月迄の予算を使う為の無駄使いに思われるものがありました。日本からの人達はどうも、展覧会とトレードショーの違いがわかってないように思います。美術館を借りて展覧会で売りたいと言ったり、ジャビツのトレードショーの中で展覧会と思って参加して、値段も付けられないで出展してたり、同じような事を毎回繰り返しており、せっかくのすばらしい日本商品を真剣に売るための努力をしてないように思えました。
次回のAccent on Designは8月15日~20日です。
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影