第153回「Hats: An Anthology by Stephen Jones」展

英・ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で昨年開催された話題の展覧会「Hats: An Anthology by Stephen Jones」がスティーブン・ジョーンズと同博物館の協力により、ニューヨーク西86丁目にあるBard Graduate Center(バード・グラデュエート・センター)のギャラリーで開催されています。会期は2011年9月15日から2012年4月15日までです。 スティーブン・ジョーンズは、ロンドンでも有数の婦人用帽子デザイナーとして、ボーイ・ジョージ、故ダイアナ元英国王妃やウェールズ王女のような名士の帽子デザインを手掛けています。また、バレンシアガ、クリスチャン・ディオール、マーク・ジェイコブス、ジャン・ポール・ゴルチエなど多くの有名ファッションデザイナーとも仕事をしてきました。 今回の招待状はインパクトのある帽子を持つ彼の顔をメインに用いて、カードからも、その世界観が伝わってくるような内容です。 【 写真 1 】 【写真1】 この展覧会は3つのテーマで構成されています。一つ目は、はるか昔、12世紀のエジプトで使われていた繊細なフェズ紙で作られた帽子や、絹、金属糸を使った帽子、また、20世紀のヨーロッパとアメリカの帽子について幅広い作品例を展示しています。2つ目は抽象的な作品で、特に材料、技術、感性やテイストを中心に選ばれたもの、3つ目は、ミスター・ジョーンズによってデザインされた約80点の帽子を展示、過去10年間における彼のデザイン作品回顧展のような印象を醸しています。彼の作品には頻繁に視覚的なシュールレアリスム・トリックが取り入れられていて、駄洒落ともとれる作品も見受けられるのですが、人間の頭を利用して、ファッションとしてだけでなくオブジェとしてのアート装飾で個性を出しているのも特徴です。ミスター・ジョーンズはヴィクトリア&アルバート博物館での展覧会からニューヨークのバード・グラデュエート・センターのギャラリーで行うショーの為に内容を再構成しました。ベーブ・ルースのヤンキース・キャップとアンディ・ウォーホルのかつらなど、ニューヨークの街と縁のある帽子が追加で展示されています。また、帽子作りの仕事部屋 【 写真 18、19 】 の一つ 【 写真 20 】 では、ニューヨークの老舗デパート、バーグドルフ・グッドマンの顧客係であったマリタ・オコーナーに宛てたジャクリーヌ・ケネディーからの注文の手紙等も帽子の型と共に展示されました。合計約260点の帽子の内100点以上は、ヴィクトリア&アルバート博物館展から巡回した作品だそうです。   【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】 ニューヨーク・ファッション・ウィークの期間中に行われた9月14日のオープニングでは、各々工夫をこらした帽子をかぶった女性が多く、そちらも展覧会と同じ位、目の保養になりました。私達は帽子というと、皇室のような優雅さを思い浮かべてしまいますが、この展覧会を見た後は、何となくケーキに装飾されたアイシングが思い出され、髪飾りとしてひと工夫してみたい様な、創作力が湧いてきました。これからのパーティー・シーズンに反映しそうな感じがします。 【写真21】   ・お知らせ 海老原が創立理事となって立ち上げた非営利団体IDNFでは、「Design Saves Lives」チャリティオークションへの出品作品を募集しています。このオークションは、日本とニューヨークの作家、デザイナーが出品する、東日本大震災の復興支援金を集めるためのチャリティプロジェクトです。 出品申込締切りは10月20日(木)。募集要項等の詳細は公式サイトよりご確認ください。 「Design Saves Lives」 公式サイト http://www.designsaveslives.org/ja 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 【写真28】 【写真29】 【写真30】 【写真31】 【写真32】

第152回 BMW・グッゲンハイムによる新たな試み BMW Guggenheim Lab

 2011年8月3日に、NYマンハッタンのイーストビレッジよりダウンタウンに位置するノリータの空地に、移動式のBMW Guggenheim Lab(ビーエムダブリュー グッゲンハイム ラボ)がオープンしました。関係者をはじめ多くの人々の感心が寄せられています。このラボは、BMWとグッゲンハイム財団による文化事業の一つで、世界9都市を6年間に渡って3回ずつ巡回します。各都市でそれぞれの課題に基づいたテーマを掲げ、これからの都市のありかたに挑戦、その重要性を認識させ、各都市で持続可能な解決策を生み出すことを目的にしています。 【写真1】 ファースト・パーク(Houdson st.2nd Av)に突如現れたこの黒い囲いの空間は、日本人建築家の塚本由晴さんと貝島桃代さんのユニット、アトリエ・ワン(Atelier Bow-Wow)が設計を手がけています。骨組みにカーボンファイバーを使用した初の試みとなっている上、オープンスペースで、さまざまな特別プログラムのニーズに対応できる「移動式道具箱」として考えられています。この道具箱の外壁は2層の半透明のメッシュになっており、モアレ効果を引き出し、光り輝いてみえます。プログラムに応じて道具箱の小箱が動き、空間に様々な変化が生まれるように計画されています。 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】  その道具箱の中では、このラボの内容となるロールプレイングゲーム“Urbanology”が行われています。会場はもとよりオンラインでも参加できるようになっており、会場ではチェスのような駒を使ってゲームが行われます。都市の変革、教育、住宅、医療、持続可能性、インフラなどのテーマが盛り込まれており、参加者はそれぞれの課題にYES, NOで答え、その統計が都市の形に変化を与え、新しい一面を発見することになる仕組みです。 【写真17】    ラボ内では、ウィリアムズバーグで人気のレストラン“Roberta’s”が運営するカフェが併設されており、オープンエアーで軽食がとれるようになっています。このラボは10月16日まで開催されますが、その間100を超えるワークショップ、ディスカッション、上映会、ツアーなど盛りだくさんのイベントが用意されています。昼と夜では異なる景色になり、いろいろな使い方による変化を見るためには何度か足を運ぶ必要がありそうです。 【写真18】  オープンに先駆け8月2日に行われたプレスレビューには、世界中から集まった専門分野のプレスも多くみかけました。次の開催地となるドイツ、その次のインドのムンバイ等の関係者も来られていました。設計されたアトリエ・ワンの貝島桃代さんとお話することができました。Guggenheim Labとのコラボ、場所の幾度かの変更など気苦労も多かったようですが、一番懸念されていた近隣住民の方々の反応が良かったので、本当にうれしいと笑顔でおっしゃっていたのが印象的でした。 【写真19】 【写真20】 【写真21】 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 名称  BMW Guggenheim Lab       住所 Houston St at 2nd Ave, New York     会期 2011年8月3日-10月16日     時間 毎週水曜-日曜日     入場費 日によって異なる     http://bmwguggenheimlab.org/whats-happening/calendar?reset=1  

第151回 SOFA NY 2011

 今年で14回目となるNY恒例のSOFA(Sculpture Objects Functional Art Fair ─ 現代工芸アート展)が、2011年4月14日~17日にArmoryで開催されました。コレクターやキュレーターをはじめ、建築家、インテリアデザイナー、アートアドバイザーが、インテリアとアートの境界線を越える表現力と豊かな感性を持つアーティストに出会うことを目的にやって来ました。 【写真1】  13日にMAD Museumの基金集めを目的としたオープニング前夜祭が行なわれました。12カ国から600人のアーティストと、57の各種ギャラリーが出展しました。 前夜祭のベネフィット用チケットは、ワンドリンク付きのオープニング・パーティーの100ドルチケットや、ティファニー・ルームでのベネフィット・ディナーの5,000ドル、1,000ドルチケット等がありました。また、工芸作品やジュエリー作品の他、各種旅行等の豪華賞品が用意されたサイレント・オークションが催され、賑わいました。新しい試みとして、ジャック・レナー・ラーセン(longHouse Reserve)の特別賞「Best Artwork in Show, Best Booth Design賞」が新しく設置されました。 この特別賞は14日に行われた朝食会で、“コンテンポラリーデザインの視点 ─ 私たちはここからどこへ行くのか”をテーマに、受賞者が発表されました。Best ArtにはLacoste Galleryから出品された、信楽焼の巨匠として知られる神山易久氏の作品 【 写真 54 】 、Best BoothにはSarah Myerscough Fine Art 【 写真 26、27 】 が選ばれました。 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】 【写真21】 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】  【写真26】 【写真27】 【写真28】   【写真29】 【写真30】  【写真31】  【写真32】  【写真33】  【写真34】

第150回 Architectural Digest Home Design Show DIFFA Dining by Design

 今回で10回目を迎えるArchitectural Digest Home Design Show(以下、ADHD Show)が、Pier 94を会場に、3月17日~20日まで開催されました。会場の一部ではDIFFA(Design Industries Foundation Fighting AIDS)のDining by Designが開催され、著名な建築家やデザイナー、セレブが参加しました。 隣りのPier 92ではThe Artist Project New Yorkも開催していて、この3つのイベントを同時に見られることもあってか人出も多く賑わっていました。私は、ADHD ShowとDining by Designの2つで精一杯でした。 ADHD Showは、300社ほどのメーカー、ギャラリー、デザイナー、アーティスト等が、ホームデザインに関わるあらゆるプロダクト(家具、テーブル・アクセサリー、骨董、キッチン、バス・プロダクト[風呂まわり]、床、壁材、照明、その他の素材など)を出展していました。   【写真1】 また、今年から「The Made」セクションと名付けたハンドメイドのセクションと、「ドリーム・ルーム」賞が設けられました。来場者とインテリア・デザイナーがひと組になり、ゲーム感覚で「ドリーム・ルーム」を探して、当てたチームにiPhoneをプレゼントするというものです。例年行う協賛のニューヨークタイムズのセミナーで、著名建築家、インテリア・デザイナー、シェフが講演し、満員の聴衆を楽しませました。 【 写真 5 】   【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】  全体としては都会生活に向けたデザインではなく、「The Made」のセクションや素材をみせている作家のブースが、個性的でおもしろいと思いました。また、メインのブースが大型化するなどの変化も見られました。ベテランの出展者はどのトレード・ショーでも同じように、来場者の入りやオーダーの数を気にしていましたが、今回が初となる出展者は混雑に期待して、希望を持っていたようです。手頃な規模で、家族連れで楽しる人気のショーです。 【写真21】   【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 【写真28】 【写真29】 【写真30】 【写真31】 【写真32】 【写真33】 【写真34】 【写真35】

第149回 New York Armory Arts Week(後編) バイバイキティ!! 天国と地獄の狭間で ─ 日本現代アートの今

  Armory Arts Weekレポートの後編は、Armory Arts Week会期中に開催された様々なサテライト・アートフェアをご紹介します。また、7ページからはジャパン・ソサエティー(JS)ギャラリーで開催中のイベント「バイバイキティ!! 天国と地獄の狭間で ─ 日本現代アートの今」をご紹介します。 ■ ボルタ(Volta) 確立したギャラリー中心のアーモリーショーに対比して、ボルタ(Volta)は新しい才能の発掘に主眼をおいたスピンオフアートフェアです。アーモリーショーのピアから、ミッドタウンのペンステーション近くのボルタ会場をつなぐシャトルバスが運行されるなど、アーモリーショーのスポンサーの恩恵を最大限に受けています。一番の目玉は、ソロプロジェクトという選抜した個人の作家を紹介するセクションの「ソロプロジェクト」。幾つものサテライトフェアがある中、よりクリエイティブなアートフェアを提案しようと適度に新しい素材とテクノロジーがあり、これが次世代のアートをうたっているように思いました。   【写真1】 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】 【写真21】 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 【写真28】   ■ パルス(Pulse) パルス(Pulse)の新ディレクターは、コンテンポラリーアートギャラリーの経験もあるため、出展ギャラリーのセールスやプロモート効果が高く、ギャラリーの立場から望まれるアートフェアとなっています。主な出展者はオープンしてから5年~10年のギャラリーが多いです。ソロプロジェクトのセクションでも、ディーラーやキュレーターがそれぞれ1人の作家をプロデュースする形をとっていて、今年からロスアンジェスでも開催予定とのことです。まだまだ新しい展開のありそうなアートフェア。 【写真29】   【写真30】 【写真31】 【写真32】 【写真33】 【写真34】 【写真35】 【写真36】 【写真37】 【写真38】 【写真39】 【写真40】 【写真41】 【写真42】 【写真43】 【写真44】 【写真45】 【写真46】 【写真47】 【写真48】 【写真49】 【写真50】 【写真51】 【写真52】 【写真53】

第148回 New York Armory Arts Week(前編)

 2011年3月、アートの大祭典「Armory Arts Week(アーモリー・アート・ウィーク)」が開催され、アーティスト、ギャラリー、キューレーター、コレクター、批評家等がニューヨーク市に集まりました。 3月2日、ブルームバーグニューヨーク市長が、Armory Arts Weekのメイン会場であるThe Armory Show(アーモリーショー)のプレス・オープニングで、Armory Arts Weekの歴史とニューヨーク市の収益等について説明しました。   【写真1】  今年で13回目を迎えるArmory Arts Weekは、インターナショナル・アートフェアの中でも卓越したプログラムで、20~21世紀の現代アートを紹介する世界有数のギャラリーからさらに選抜された出展者が展示をします。期間中は、ニューヨーク市への訪問者が50%近く増えるそうで、2009年からニューヨーク市がイベントの援助をしているそうです。世界中から訪れる観光客だけでなく、ニューヨーク市民やトライステートエリアをも活気づけています。 The Armory Showの言われは、1913年に最初のコンテンポラリーアートショーが開催されたArmory(軍の兵器倉庫)からきています。その時、ピカソなどヨーロッパの現代アートがアメリカに紹介されました。その後アート業界の景気の上昇に伴い、1999年から、マンハッタン西側のピア92とピア94(Pier92、Pier94)で開催されるようになりました。   【写真2】  3月3日から6日までのThe Armory Showの期間、ニューヨーク市では、VOLTA NY, PULSE, SOPE, The Art Show, Red Dot, Independent, Moving Image, Fountain NY, Verge Art Brooklyn, Pool Art Fair NY等、数多くのサテライトアートフェアが同時開催され、The Armory Showの会場からは、各アートフェア会場を繋ぐシャトルバスが運行されます。また、マンハッタンだけでなく、ブルックリン区やロングアイランドシティなどでも、特別なレセプション、オープン・スタジオ、アートツアー、博物館の割引、公演、パネル、アーティスト・ディスカッションやパーティーと、とても参加しきれないほど多くのイベントがありました。ピア92とピア94の会場だけで、今年は6万人以上の集客数だったそうで、年々大きなアート・コミュニティの祭典になっています。 【写真3】  メイン会場のピア92では、モダンアートを集めた「The Armory Show:Modern」が行なわれ、有名ギャラリーや著名作家の作品が97ブース展示されました。また、ピア94の「The Armory:Contemporary」では、コンテンポラリーアートのギャラリー、生存するアーティストの新作が207ブース展示されました。 会場に入ってすぐ目についた作品は、昨年も人気だったMarlborough GalleryのJuan Genovesの油絵【 5 】【 6 】です。この作品は、絵具を重ねただけであるのに、人に見える技法が来場者の足をとめさせていました。日本のアーティスト作品を出品しているアメリカのギャラリーもいくつかあり、草間彌生や奈良美智、桑山タダスキー、丸山シンイチ等の作品が目につきました。 日本の著名ギャラリーはほとんど出展していませんでしたが、若手の実力あるギャラリーがピア94に出展しており、東京の東神田ギャラリー「TARONASU」の那須太郎さん、東麻布の「Gallery SIDE 2」の島田淳子さんとお話しました。 【写真4】  テクニックで見せるか、素材のおもしろさで見せるか、他にも映像を取り入れるなど、新しい手法は昨年同様ですが、今年は、それぞれの作品のラベルに、価格を明確に表示しているギャラリーが多く目につきました。来場者がまず気になるのは価格で、わかりやすく打ち出しているのは、アメリカらしい方法なのではと思いました。また、会場にコンピュータのラップトップが必ず設置され、展示しきれない作品群をタッチスクリーンの画像で見せているのも、新しい展示方法でした。 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】

第147回 インターナショナル・ギフトショー「Accent on Design」

 ニューヨーク恒例のインターナショナル・ギフトショー「Accent on Design」は、2011年冬期で26周年、51回目を迎えました。今年は1月30日~2月3日の期間にジャビッツ・コンベンション・センターで開催されました。 1月のニューヨークは何度も大雪に見舞われました。その悪天候の中、オープニングの日曜日と2日目には昨年よりも大勢の人々が来場し、出展者に希望をもたせました。3日目は冷たい雨と気温の低下、他の州の大雪等による飛行機のキャンセルの影響か、客足が鈍り気味でした。それでも昨年は見られなかった新規の来客がブースに名刺を置き、カタログなどを要望する姿が多く見受けられ、景気の回復が期待されました。 前回に続いて今回も「アクセント・オン・ジャパン」が「日本のすぐれたデザイン・文化・ライフスタイルをまとめて見れるコンセプト」で出展しました。ブースには、ミュージアムショップや ハイ・デザインショップのバイヤーや、海外から来ているバイヤーが多数見受けられました。   【写真1】  Gallery 91のブースは、今回新しく出品した「紙の工作所」の「空気の器」の白黒デザインや白色が人気で、ディスプレイにもあしらって来客者の目をひきました。また、昨年から人気のある、紙皿の「WASARA (ワサラ) 」に多くの来客が足を止め、対応に追われました。 フィラデルフィアのMORIHATA Internationalは、癒しの空間に必要な優れた商品群で最先端を行くバイヤーたちの注目を集め、多くのパブリシティーに取り上げられていました。人気のブースで来客が途ぎれません。   【写真2】  INATOMEは、ファッション・ストリートPOPカルチャーと工業デザインとを組み合わせたデザインを中心に展示していました。パーソナルアクセサリーは機能性のある身に着ける小物や、ペーパークラフトを展示し、セレクトショップやミュージアムショップ等で人気を得ています。 今回で3度目の出展となるFUNFAMは、竹製の子供用テーブル・ウェアーを中心に、今年は雪ダルマの形をした可愛いお皿を出展しました。日本では「安心、安全なベビー食器」として人気が高まっています。 ここ最近ではCNNに取り上げられ、昨年にMAD Museumのパーマネント・コレクションにもなったシリーズです。 【写真3】  SAIKAIは日本の著名デザイナーの家具、陶器などの作品を全米に卸しています。今回はオーナーの故郷、長崎県産 波佐見焼(HASAMIーYAKI)を世界に紹介していくプロジェクトを立ち上げ、新作を発表しました。 和食、洋食、中華、世界中どこででも使用できるように、形状、サイズ、収納を考えた作品は好評で、話題になりました。この新商品は次回の夏のショーから本格的な販売に入るようです。 そして今回初出展のMSY Incは、キース・ヘリング(Keith Haring)とライセンス契約を得た、日本製のカラフルなiPhone ケースと、日本の地場で丹精込めて作られた木の製品を発表。ミュージアムショップなどから多くのオファーが入り、喜んでいました。 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】 【写真14】 【写真15】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】  今回の「Accent on Design」賞を受賞したのは6社です。審査員が2日間かけて会場の作品を見て回り、審査しました。 ■Excellence in Product Design賞(4社) 1.Stelton (NY) の、ステンレスに黒のマット・ティタニウムを施したナイフと、白のマグネットのストラップがセットになった製品。シンプルなフォームのナイフ、ミニマムでクラシックなハイデザインと、クオリティを長年保っての出展が、審査員達の共感を得たようです。 【写真20】   2. Black+ Blum (London) の「Hot Pot BBQ」ユーモラスなアイディアで、ステンレス・スティールと 断熱陶器でコーティングされたバーベキューグリル。落ちた灰が肥料になり、グリルをどかすとテラコッタのポットでハーブなどの家庭栽培が出来る仕組みになっています。 3. American Design Club(LA CA) Brendan Ravenhill

第146回 MoMAの企画展「Small Scale, Big Change」

 2010年10月30日から2011年1月3日の期間、NY近代美術館MoMAで「Small Scale, Big Change: New Architectures of Social Engagement」が開催されました。この展覧会は、恵まれない地域のための革新的な11の建築プロジェクトを紹介するものです。地域社会の経済的負担や社会的負担を、建築によってどのように改善できるかに焦点を当てています。 プロジェクトは、構築済みのもの、現在進行形のもの、実行予定のものなど様々です。会場には、プロジェクトに使用された素材、模型、ドローイング、ビデオ、大版写真、スケッチ等が展示されました。■ Primary School 1999-2001 Gando, Burkina Faso Diébédo Francis Kéré 【 写真 9~13 】   【写真1】  建築家Diébédo Francis Kéréは、自身がまだ建築を学ぶ学生だった頃に、故郷のGando小学校が荒廃状態にあることを知ります。そこで彼は、Gandoに学校を建設するためのプロジェクトを立ち上げ、より良い学校を作るための組織を結成しました。 彼は現地の伝統を踏襲し、日干しレンガを使った小学校を設計します。日干しレンガは、その地域で簡単に手に入り、丈夫な素材でありながら軽視されがちでした。しかし、学校の建設資材として耐えうるだけの強度を持ち合わせているのです。耐久性の高いレンガを作るために、レンガを圧縮する人力プレス機を導入しました。 屋根は、雨と熱から壁を保護するように、大きく張り出したデザインが施されました。また、天井と屋根の間に通気スペースを作り、空気循環を向上させました。 建設の進行に伴い、訓練された地域の人々は協力して建設作業を行いました。レンガは人の手で組み立てられ、屋根の構造は大型機械を使用せずに人の手で溶接されました。   【写真2】  「Primary School」の入校希望者は、2001年の開校以来9年目にして、定員数を遥かに超えるほどになりました。その後、国際的に成果が認められたため、教育者のための学校施設や住居も建設されるまでになりました。今日のプロジェクトを通して、1人の建築家が、非常に貧しい環境にあるコミュニティーに、ポジティブな効果を与えることが出来るという手本を示したのです。 ■ METI – Handmade School 2004-06 Rudrapur, Bangladesh Anna Heringer and Eike Roswag 【 写真 14~16 】 2002年当時、建築科の学生だったAnne Heringerはクラスメイトと、バングラデシュの村や都市の経済構造の分析を行いました。この分析で、村人の教育を受ける機会が不足していることがわかりました。そして彼女は修士論文としてMETI-HANDMADE SCHOOLを設計します。2004年、村の学校を運営するRudrapur地区の非政府組織に提案したところ、彼女のデザインが採用されました。 建設計画と資金集めに1年を費やした後、2005年にプロジェクトを開始。ベルリンの建築家Eike Roswagが現場監督を引き受け、指導を行いました。 構造は主に土で作られ、地域の伝統的な建築材料である粘土、砂、耐久性を保つためのワラが使われました。また、建物内部壁に防風層を設けるなど、地域の伝統的な建設方法に多くの改良が加えられました。 地域の居住者や非熟練労働者は建築の訓練を受け、すべての工事を自分たちの手で完成させました。その結果、3つの室内教室が完成しました。 「METI – Handmade School」は、伝統的な方法と材料への革新的なアプローチで、村人の建築への関心を刺激し、また、Rudrapurのコミュニティーにおける建物の新しい基準を作ったのです。 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】

第145回 Patrick Jouin:デザインとジェスチャー at MAD Museum

 2010年11月9日から2011年2月6日まで、フランスを代表するデザイナー パトリック・ジュアンの展覧会「デザインとジェスチャー」が、MAD (Museum of Arts and Design)館内の「The MAD Projects Gallery」で開催中です。このギャラリーでは、デザインに関する世界の動向や技術革新の新たな探求を目的に、話題のデザイナーやトレンドを紹介しています。 パトリックによって考え出されたオブジェクト・デザインとジェスチャーの関係を探るべく、展示にマルチメディアを導入しています。会場には、ベルギーの映画監督ジェローム・デジェルラシュ氏によるパノラマムービーが設置され、不思議な空間を演出しています。 MADのロビーには、パトリックがイタリアの照明会社Leucosと共に制作した光のオブジェがありました。このオブジェは今回の展覧会のための新作です。パトリック・ジュアンは1967年フランス生まれ。1992年にエコール国立高等インダストリアルアトリエを卒業。翌年、トムソンマルチメディアに参加。1995年よりフィリップスタルクがアートディレクターを務めていたグループTim Thomに務め、1999年に独立。自身のプロダクトデザインとインテリアデザインスタジオを設立しました。その後、数多くのデザイン賞を受賞し、重要な公共プロジェクトを手掛けています。2010年春には、パリ・ポンピドーセンターで個展が開催されました。今回のMADの展覧会はパトリックにとって、「アメリカ美術館デビュー展」になります。   【写真1】 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】  パトリックは1999年に自身のスタジオを設立して以来、カトラリーデザイン、スパニングツリーのプロジェクト、Puiforcatセルフクリーニング洗面所、パリのストリートファニチャーなど、様々なプロジェクトに多彩な才能でチャレンジしてきました。また、「2005ソリッドポリウレタン樹脂チェアシリーズ」に代表される技術的な妙技から“達人”と呼ばれています。 【写真8】    パトリックといえば、エレガント且つクリアなデザインが特徴です。世界的料理人アラン・デュカスとコラボレーションしたALESSI Pasta Potパスタ調理ユニット、彼の建築パートナーSanjit Mankuが設計した私邸のシャンデリア、13,000枚もの磁器製の花びらで出来た照明器具などが良く知られています。 フランスを代表するデザイナーといえばパトリックですが、他国のメディアではあまり取り上げられていません。しかし、彼の才能を披露したこの展覧会がきっかけとなり、欧米でも話題になることでしょう。 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】

第144回 MAD 美術館の「LOOT」ジュエリー展示即売会

 ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン(MAD)で2000年に始まって以来、2年ごとに開催され、今回で5回目を迎えるジュエリー展示即売会「LOOT」。MADがコロンバス・サークルに移転以降最初の展示会として、10月20日から10月26日まで開催されました。 審査員によって選定された1点もののコンテンポラリー・アート・ジュエリー。参加アーティストは世界15カ国60人以上で、2000点以上の作品が展示されました。「Visionaries」「Metaballl」「SOFA NY」と同じく、この「LOOT」も、Museumの基金集めとして大きなイベントです。   【写真1】  初日は4時半からオープニング・イベントが開催されました。$5000から$250までの特別チケットを購入した招待客が時間差で来館。直接アーティスト達と会話を楽しみながら、8時までショッピングをしていました。この日がやはり一番、売行きが良いようです。翌日の木曜日は夕方6時から拝館料が無料になり、夜9時の間まで、グループ見学など沢山の人で賑わいました。 最初の展示コーナーがオランダ・デザイナー・セクション、次はNYで活躍している著名デザイナ-、そしてNative American Artist(インディアン)自然石などを使った著名アーティスト、そして奥の部屋は各国のデザイナー達のブースが並びました。   【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】  日本の作家では、長年出展している和田隆さんが前の方のブースに。今回はじめて日本から選ばれ出展となった坂雅子さん、一力 昭圭さん、そしてNY在住の横内さゆみさんの作品が選ばれ参加しました。 23日の土曜日には、学芸員の司会で、著名デザイナーのパネル・ディスカッション「自分の作品のLOOT」が3時から6時まであり、個々のジュエリー、アート、デザイン、クラフトの特徴、考え方などが、映像とパネル・ディスカッションで紹介されました。質疑応答もあり、日本の一般的ジュエリーの考え方との大きな違いあり、とても勉強になりました。 【写真14】    他にもいろいろな講習会、ツアーが企画されました。普段休館の月曜日も、この展示の日はオープンして、週末を楽しんでもらおうというものでした。他の美術館にはない、MAD 美術館の特徴でもある、2階の常設ジュエリー展示・ティファニールームと同じ2階で、この「LOOT」が催されている事も、ジュエリー愛好家には、見逃せないものだったようです。今Museumショップの中でも評判のMAD Museumショップにも、オリジナル・ジュエリーが多く、評判も売行きも良かったようです。 【写真15】  出展作家が多すぎるせいか、個々の展示ブースの小さいことが難点。それを除けばミュージアムがアートとビジネスと繋ぐイベントとしては、成功例といえる企画でした。 【写真15-2】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】 【写真21】 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 【写真28】 【写真29】 【写真30】 【写真31】 【写真32】 【写真33】 【写真34】 【写真35】 【写真36】 【写真37】 【写真38】 【写真39】 【写真40】 【写真41】 【写真42】 【写真43】 【写真44】 【写真45】 【写真46】 【写真47】 【写真48】 【写真49】 【写真50】 【写真51】 【写真52】