第8回: ニューミレニアムに向けての2000個のオブジェ展 2 0 0 0/1/2 6


● 2000年を迎えたNYの素顔

NYのNew Millinniumは、タイムズ・スクエアーの年越し騒ぎのイベントにエネルギーを消耗仕切ったのか、とても静かで、ほとんど普段の土・日といった感じで年が明けてしまいました。
NYの新年は普通1月1日だけが休みなので、日本のお正月のイメージはありません。ですが面白いことに、毎年1月4~8日の間、Xmasツリーをあちこちの通りに捨てる行事(?)があります。
これが毎年のことなので、何か日本の門松を連想させ、私にはお正月っぽさを感じさせます。SoHoや、倉庫ばかりのように見えるチェルシーあたりでも、本物のもみの木のクリスマス・ツリーがたくさん捨ててあって、その香りが漂っています。もちろん、皆さんこれを飾っていたわけで、まだまだニューヨーカーもクリスチャンなのか伝統が残っていることを感じます。

捨てられたツリー /Soho

捨てられたツリー /チェルシー

 

 

● Gallery91の2000年

SoHoのGallery 91で「ニューミレニアムに向けての2000個のオブジェ展、パート1」が1月12日より3月11日まで開かれています。この展覧会では‘紙製品’をテーマに、カレンダー、時計、ポスター、グラフィックを中心におよそ300点の作品が展示されています。世界中のそうそうたるグラフィックデザイナーのオリジナルカレンダーやペーパー・グッズが多数出品されており、たとえば、松永真氏のテーマポスター*1を皮切りに、プッシュピンスタジオ、レーザーフィッシュのカレンダー、松本高明のワールド・コンペ・ポスター、日本から田中一光、黒田征太郎/K2、小島良平のカレンダー、内田繁のムーンライト、茶谷正洋のカード他多数の作品が展示されています。素材を生かしてるだけではなく、それらの多様性と繊細な表現の作品群は、ニューヨーカーに感激を与えています。

ニューミレニアムに向けての2000個のオブジェ展

ニューミレニアムに向けての2000個のオブジェ展

*1;松永真作のGallery 91「2000 Objects for New Millennium」ポスター

 

この2000個オブジェ展パート1の作品には、日本の左合ひとみによる通産大臣賞受賞のポップアップカレンダー*2。D-BROSの渡辺良重の楽しいプロダクトの一つ、食事が楽しくなりそうなプレイス・マット ── 紙のランチョンマットは動物の形のキリコミがあり、そこを立てることではし立てになる ── *3。もう一つD-BROSの植原亮輔の「A Path to the Future」と題した線路とハイウエイがデザインされたパッキングテープ*4など日本人デザイナーの作品も展示されています。NYのJOY NAGYが紙で作った鮮やかな色の花器と花、Teaセットと靴*5。ソーホーの住人NAGYの靴や花と花器は、日本の繊細なアイディアとはまた一味違い、とても明るく楽しい作品です。
建築家 茶谷正洋の有名なオリガミ建築ポップアップ・カードは、全コレクションを見ることができます。そして、彼の秘蔵コレクションとして、それぞれのオリジナル建築家のサイン入りカードや、クリントン・ブッシュ・レーガン各大統領のサイン入りホワイトハウス・カードなどが展示されています*6。この紙展、ユニークな展示構成と展覧会でNYのメトロポリス・マガジン やIDマガジンにも紹介され話題を呼んでいます。

 

*3;動物ランチョンマット

*2;ポップアップカレンダー

*4;パッキング・テープ

*5;花器

*6;オリガミ建築

 

「ニューミレニアムに向けての2000個のオブジェ展」では、続く4・5月には‘Future Design’をテーマにして新しい素材やアイデアを展示。6月のテーマは‘ガラス’で、NYで行われる世界ガラス会議に協力しガラス作品の色々を紹介します。いずれも各界の著名デザイナーが世界中から参加します。7月からも12月までは‘環境問題’‘ニューメディア’‘日常生活用品’などのテーマに分けて、2000年の一年間を通してGallery91で2000点を展示即売します。
興味のある方は、ぜひ参加してください。

オープニングパーティにて