第16回: 慣例NYのインターナショナル・ギフトショーあれこれとこの夏NYをわかせたCow Paradeのこと   2000/9/13


●今夏、NYでもっとも話題を集めたCow Parade

ニューヨーク市、夏休み観光キャンペーンとして、ジュリアーニNY市長の協力と各企業、地元レストランなどのスポンサーがついて、約500のデザインされたグラスファイバー製の実物大の牛が、NYのあちこちに6月15日から展示されています。

観光客はもとより、仕事の行き帰りの人たちにも、微笑みを誘うこの楽しい催し。ことの起こりは1998年の夏、スイスのチューリッヒでした。
地元アーティストの手によってペイントされた牛400頭が並ぶイベントに、スポンサーが付き寄付金が集まり、イベント終了時には800頭に増える大反響を得ました。そのとき、出張でアテンドしていたシカゴの小売店協会の会長が、この企画に魅せられ、1999年の夏にはシカゴでCowParadeが実現しました。シカゴ市全体で5億ドル近くのお金が動き経済活性化に貢献したそうです。

主催者のカウパレード・ホールディング・コーポレーションが「やはり世界の中心、ここNYで」と話を持ち込み、NY市、市公園局の許可を得てこの夏のイベントとなったわけです。
今年の初め『牛にペイントしたいアーティスト募集』の告知が行われ、約1200のデザイン画の中から、スポンサーは1頭に付き7500ドルを払い好きな牛(デザイン画)を選び、それぞれの広告スペースに展示しました。
独自のデザインをすることもできますが、‘ずばり宣伝’は許されず、あくまでも芸術的、創造的な方法でビジネスにつなげることのみ許可されました。

人通りのあるような場所、たとえば、グランド・セントラル駅構内、バス停、5番街、貿易センター近辺、ミッドタウンのオフィス街からVillage、Sohoと外を歩くと必ずどれかにあたり、楽しくなるこのパレード。牛たちは9月4日に取り払われて、9月28日にオークション・ハウスでオークションにかけられ、その売り上げは芸術、教育福祉団体に寄付されることになっているそうです。

「なぜNYで牛なの?」ということはあまり気にせず、何にしろ、作る人、見る人、町全体が明るく活気がでて、楽しいこのイベントに、気持ちよくスポンサーになり、すんなり許可を上げたNY市をさすがと思います。
これが日本ではと思うと、まず前例がないにはじまり、会社の利益につながらないスポンサーが、はたしてつくのかなと考えてしまいます。皆が自分で感じ、楽しめる文化に投資をする日が近いことを祈ります。

今回のアクセント・アワードで4社が受賞。ベストコレクションで受賞したGallery91のブース

ベストコレクションの中のD-Brosのステーショナリー・グッズ

 

ペストプロダクトに選ばれたサンフランシスコのPablo のデスクランプ

総合ですぐれた商品揃えとして2社が受賞、一つがVITRAのMuseum Qualityプロダクトが受賞

もう一つはテーブル、ベッドまわりのリネンで受賞したNYのAREA社

1月の受賞者と今回を一緒に受賞パーティーが開かれ、新しくAlan Hellerがデザインしたトロフィ ーを手にするEastern Accent 村松氏夫妻(1月受賞)とGallery 91海老原嘉子

 

このギフト・ショー、『アクセント・オン・デザイン』以外は今まであまり紹介していませんが、今回はハンドメイドなどで個人作家の面白いものが出てきているように思いました。『インターナショナル・ハンドメイド』のおおがかりなテントの展示会場は、玉石混合のところもありますが、中には優れた作家もいて、がんばっています。

海外からのHand Madeをまとめたテント張りのおおきなブース

毎年日本から出品しているMittskoのオリジナル手作りフェルト

 

アメリカ人による紙の手作りランプ

ドイツ政府が力を入れて後援しているハンドメイド特別展示会場の中の陶芸家

Gallery91も毎回出展しているのですが、今回、特に印象に残っているのは、NYで活躍しているハイ・デザイン・ジュエリーの石山れいこさんと、日本から出品しているMittskoのオリジナル手作りフェルトの垂井三津子さんなどの作品が、際立っていたことです。

他に、今年は『MuseumSoures』部門が力を入れて、ジャビッツ・コンベンション・センターのガラス張り天井のクリスタル・ルームの下に大がかりな特別展示を行いました。

メトロポリタン・ミュージアム、グッゲンハイム、アメリカンクラフト、ウイットニー、自然博物館…、と各美術館のミュージアム・ショップの特徴が表れた品々を並べて演出していました。

日本にはなかなか浸透していないMuseumShopですが、アメリカでは長い歴史があり、生活に密着しています。日本ではこれからなのでしょうか。生活がほんとうに文化的になったとき、定着するように思います。実際の『MuseumSoures』のブースは、案外に地味で小物が多く、『KidsStaff』と隣り合せのブースになっていて今ひとつの感はあります。

 

(1)メトロポリタン・ミュージアム

(2)アメリカン・クラフト・ミュージアム

(3)ウイットニー・ミュージアム

(4)グッゲンハイム・ミュージアム

(5)アメリカン歴史博物館

 

●今夏、NYでもっとも話題を集めたCow Parade

ニューヨーク市、夏休み観光キャンペーンとして、ジュリアーニNY市長の協力と各企業、地元レストランなどのスポンサーがついて、約500のデザインされたグラスファイバー製の実物大の牛が、NYのあちこちに6月15日から展示されています。

観光客はもとより、仕事の行き帰りの人たちにも、微笑みを誘うこの楽しい催し。ことの起こりは1998年の夏、スイスのチューリッヒでした。地元アーティストの手によってペイントされた牛400頭が並ぶイベントに、スポンサーが付き寄付金が集まり、イベント終了時には800頭に増える大反響を得ました。そのとき、出張でアテンドしていたシカゴの小売店協会の会長が、この企画に魅せられ、1999年の夏にはシカゴでCowParadeが実現しました。シカゴ市全体で5億ドル近くのお金が動き経済活性化に貢献したそうです。主催者のカウパレード・ホールディング・コーポレーションが「やはり世界の中心、ここNYで」と話を持ち込み、NY市、市公園局の許可を得てこの夏のイベントとなったわけです。

今年の初め『牛にペイントしたいアーティスト募集』の告知が行われ、約1200のデザイン画の中から、スポンサーは1頭に付き7500ドルを払い好きな牛(デザイン画)を選び、それぞれの広告スペースに展示しました。独自のデザインをすることもできますが、‘ずばり宣伝’は許されず、あくまでも芸術的、創造的な方法でビジネスにつなげることのみ許可されました。人通りのあるような場所、たとえば、グランド・セントラル駅構内、バス停、5番街、貿易センター近辺、ミッドタウンのオフィス街からVillage、Sohoと外を歩くと必ずどれかにあたり、楽しくなるこのパレード。牛たちは9月4日に取り払われて、9月28日にオークション・ハウスでオークションにかけられ、その売り上げは芸術、教育福祉団体に寄付されることになっているそうです。

「なぜNYで牛なの?」ということはあまり気にせず、何にしろ、作る人、見る人、町全体が明るく活気がでて、楽しいこのイベントに、気持ちよくスポンサーになり、すんなり許可を上げたNY市をさすがと思います。これが日本ではと思うと、まず前例がないにはじまり、会社の利益につながらないスポンサーが、はたしてつくのかなと考えてしまいます。皆が自分で感じ、楽しめる文化に投資をする日が近いことを祈ります。

ロックフェラーセンター前

メトロポリタン・ミュージアム裏セントラルパーク

59丁目ゼネラルモーター広場のエンジェルCow

大人気の5番街プラザホテル前のパーティーで踊り狂う2頭

9丁目ゼネラルモーター広場のガウンにカールの牛

タイムズ・スクエアー