第145回 Patrick Jouin:デザインとジェスチャー at MAD Museum

 2010年11月9日から2011年2月6日まで、フランスを代表するデザイナー パトリック・ジュアンの展覧会「デザインとジェスチャー」が、MAD (Museum of Arts and Design)館内の「The MAD Projects Gallery」で開催中です。このギャラリーでは、デザインに関する世界の動向や技術革新の新たな探求を目的に、話題のデザイナーやトレンドを紹介しています。 パトリックによって考え出されたオブジェクト・デザインとジェスチャーの関係を探るべく、展示にマルチメディアを導入しています。会場には、ベルギーの映画監督ジェローム・デジェルラシュ氏によるパノラマムービーが設置され、不思議な空間を演出しています。 MADのロビーには、パトリックがイタリアの照明会社Leucosと共に制作した光のオブジェがありました。このオブジェは今回の展覧会のための新作です。パトリック・ジュアンは1967年フランス生まれ。1992年にエコール国立高等インダストリアルアトリエを卒業。翌年、トムソンマルチメディアに参加。1995年よりフィリップスタルクがアートディレクターを務めていたグループTim Thomに務め、1999年に独立。自身のプロダクトデザインとインテリアデザインスタジオを設立しました。その後、数多くのデザイン賞を受賞し、重要な公共プロジェクトを手掛けています。2010年春には、パリ・ポンピドーセンターで個展が開催されました。今回のMADの展覧会はパトリックにとって、「アメリカ美術館デビュー展」になります。   【写真1】 【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】  パトリックは1999年に自身のスタジオを設立して以来、カトラリーデザイン、スパニングツリーのプロジェクト、Puiforcatセルフクリーニング洗面所、パリのストリートファニチャーなど、様々なプロジェクトに多彩な才能でチャレンジしてきました。また、「2005ソリッドポリウレタン樹脂チェアシリーズ」に代表される技術的な妙技から“達人”と呼ばれています。 【写真8】    パトリックといえば、エレガント且つクリアなデザインが特徴です。世界的料理人アラン・デュカスとコラボレーションしたALESSI Pasta Potパスタ調理ユニット、彼の建築パートナーSanjit Mankuが設計した私邸のシャンデリア、13,000枚もの磁器製の花びらで出来た照明器具などが良く知られています。 フランスを代表するデザイナーといえばパトリックですが、他国のメディアではあまり取り上げられていません。しかし、彼の才能を披露したこの展覧会がきっかけとなり、欧米でも話題になることでしょう。 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】

第144回 MAD 美術館の「LOOT」ジュエリー展示即売会

 ミュージアム・オブ・アーツ・アンド・デザイン(MAD)で2000年に始まって以来、2年ごとに開催され、今回で5回目を迎えるジュエリー展示即売会「LOOT」。MADがコロンバス・サークルに移転以降最初の展示会として、10月20日から10月26日まで開催されました。 審査員によって選定された1点もののコンテンポラリー・アート・ジュエリー。参加アーティストは世界15カ国60人以上で、2000点以上の作品が展示されました。「Visionaries」「Metaballl」「SOFA NY」と同じく、この「LOOT」も、Museumの基金集めとして大きなイベントです。   【写真1】  初日は4時半からオープニング・イベントが開催されました。$5000から$250までの特別チケットを購入した招待客が時間差で来館。直接アーティスト達と会話を楽しみながら、8時までショッピングをしていました。この日がやはり一番、売行きが良いようです。翌日の木曜日は夕方6時から拝館料が無料になり、夜9時の間まで、グループ見学など沢山の人で賑わいました。 最初の展示コーナーがオランダ・デザイナー・セクション、次はNYで活躍している著名デザイナ-、そしてNative American Artist(インディアン)自然石などを使った著名アーティスト、そして奥の部屋は各国のデザイナー達のブースが並びました。   【写真2】 【写真3】 【写真4】 【写真5】 【写真6】 【写真7】 【写真8】 【写真9】 【写真10】 【写真11】 【写真12】 【写真13】  日本の作家では、長年出展している和田隆さんが前の方のブースに。今回はじめて日本から選ばれ出展となった坂雅子さん、一力 昭圭さん、そしてNY在住の横内さゆみさんの作品が選ばれ参加しました。 23日の土曜日には、学芸員の司会で、著名デザイナーのパネル・ディスカッション「自分の作品のLOOT」が3時から6時まであり、個々のジュエリー、アート、デザイン、クラフトの特徴、考え方などが、映像とパネル・ディスカッションで紹介されました。質疑応答もあり、日本の一般的ジュエリーの考え方との大きな違いあり、とても勉強になりました。 【写真14】    他にもいろいろな講習会、ツアーが企画されました。普段休館の月曜日も、この展示の日はオープンして、週末を楽しんでもらおうというものでした。他の美術館にはない、MAD 美術館の特徴でもある、2階の常設ジュエリー展示・ティファニールームと同じ2階で、この「LOOT」が催されている事も、ジュエリー愛好家には、見逃せないものだったようです。今Museumショップの中でも評判のMAD Museumショップにも、オリジナル・ジュエリーが多く、評判も売行きも良かったようです。 【写真15】  出展作家が多すぎるせいか、個々の展示ブースの小さいことが難点。それを除けばミュージアムがアートとビジネスと繋ぐイベントとしては、成功例といえる企画でした。 【写真15-2】 【写真16】 【写真17】 【写真18】 【写真19】 【写真20】 【写真21】 【写真22】 【写真23】 【写真24】 【写真25】 【写真26】 【写真27】 【写真28】 【写真29】 【写真30】 【写真31】 【写真32】 【写真33】 【写真34】 【写真35】 【写真36】 【写真37】 【写真38】 【写真39】 【写真40】 【写真41】 【写真42】 【写真43】 【写真44】 【写真45】 【写真46】 【写真47】 【写真48】 【写真49】 【写真50】 【写真51】 【写真52】

第143回 Eat Drink Art Design展

 コロンバスサークルにあるMuseum of Arts and Designで、「Eat Drink Art Design展」が開催されています。同展では、MAD Museumのパーマネント・コレクションの中から、食卓のアートを約60点選んで展示。会期は2010年9月21日から2011年3月27日迄です。 テーブル、プレート、カップ、ティーセット、シルバーウェア等、MAD Museum初期の豪華でエレガントな食器類、ゴブレット等のコレクションから、最近の作品、米国内のファミリー食卓、コンテンポラリーな作品までを展示しています。バラエティーにとんだ作品群で、時代の変化、様式の変化も垣間みる事ができます。 また、MAD Museumの特徴のひとつともいえるコレクションで、アメリカの著名アーティストのキャンバス以外の作品があります。Roy Lichtensteinのカップ&ソーサー 【 写真 14 】 やKeith Haringの朝食セット 【 写真 15 】 、ガラスの巨匠 Dale Chihulyの珍しいワイン・ボトル等 【 写真 34 】 、アーティストの手作りのプロトタイプから機械生産まで、展示は4つのパート (Eat,Drink,Art,Design) に分けられています。   【写真1】  実際の生活で使える作品として、今回コレクションに加えられた緒方慎一郎デザインの「ワサラ」 【 写真 25、26 】 は、従来の木のパルプ使用の紙ではなく、葦と竹、バガス(サトウキビ)等の土に帰る素材でできた使い捨てテーブルウェアです。最近、アメリカのパーティーでも、人気が出てきた商品です。他には、Funfamの藤岡恒行デザインの竹製のテーブルマナーセット。竹を素材に作られており、環境問題を配慮した作品が選ばれています。 これらのコレクションになった作品が、ミュージアム・ストアで購入できるのも、NYの美術館の楽しみのひとつです。 【 写真 68、69 】 もう1人、日本人で、Pate de Varreというガラスのテクニックで作品を作っているガラス作家・樋口主明(きみあけ)の「キャベツの葉とgoblets」 【 写真 36 】 の作品は、1995年の goblet showで展示された事があり、2007年からコレクションに加えられた作品です。Toshiko Takaezuの初期の茶碗 やWarren MacKenzie の土瓶 【 写真 30 】 が、とても日本らしく見え、馴染みの感じがするのもアメリカの美術館だからでしょうか。   【写真2】 【写真3】 【写真4】

第141回 ニューヨーク交通博物館(The New York Transit Museum)

 1900年に地下鉄が出来てから、今年で110周年を迎えました。 ニューヨーク・トランジット・ミュージアムは、Brooklyn Heightsの使われなくなった地下鉄の駅を博物館としてそのまま利用しているので、入館する時は本物の地下鉄に乗るような感覚がします。本物の地下鉄の電車が時代別にいくつも並んでいて、自由に、乗ったり、降りたり、座ったりすることができます。子供や電車好きの人達にはたまらなく嬉しい空間です。 ニューヨーク・トランジット・ミュージアムは、市内の主要な文化機関として公共交通機関の歴史をテーマにする最大の博物館です。博物館の展示会、ツアー、教育プログラム等を通じて、ニューヨークのメトロポリタン地域の開発方針を探ります。公共交通機関の社会、文化と技術の歴史を扱うワークショップを行っています。 ミュージアムの建物は、創業から四半世紀以上経つ歴史的なもので、1936年のブルックリンハイツ工業地帯の地下鉄駅の建物として人気を得ています。保管地域の大規模な公共交通機関ネットワーク、グランドセントラルターミナル駅にある別館のミュージアムを共有し、そのパブリックプログラムを通じて活気に満ちた地域および国際的なオーディエンスをわかした歴史があります。 ミュージアムのギャラリーでは、1900~1925年の頃の鉄鋼、ストーン、そのバックボーンのニューヨーク市はどのような街であったか、その約100年の地下鉄システムを構築する物語、昔の地下鉄システムから最近の高度でインタラクティブな展示までを詳述しています。地下鉄だけでなく、ニューヨーク市の興味深いトロリーやバスを見たり、乗ったりすることができます。また、このミュージアムでは年齢に応じたワークショップが行われ、コンピュータのリソースセンターとしても活躍しています。 様々な種類の地下鉄システムの歴史を、コレクション別や年代別に分けて見せ、建設中の写真、歴史的な関連の出来事も時代に沿ってビデオを用いた展示を行っています。   【1】New York Transit Museum 外観 【2】Museumに入る改札まで。(写真2~5) 【3】 【 4 】 【 5 】 【 6 】 展示されている古い改札口 【 7 】 入ったフロアーの全景 【 8 】地下展示会場への階段 【 9 】1894、1900年当時の写真と実物と一部展示 【 10 】 1922、1925、1932年当時の写真と実物と一部展示 【 11 】 1939、1946、1968年当時の写真と実物と一部展示 【 12 】 1988、1983、1992年当時の写真 【 13 】 昔の改札 【 14 】 現在の改札 【 15 】 トークンの変遷 1984年から1994年のメトロカードになるまで。 【 16 】 1980、1983、1992年とトークン入れの機械の変化 【 17 】 メトロカードのデザイン展示、1994年~1999年   展示会コレクションでは、様々な種類の地下鉄システムが歴史の中で使用された代表的な例を用いて展示されています。例えば、運賃の変化やその回収法、回転ドアのデザイン機能、利用可能なコインとトークン(切符)が時代と共に変化する様子、現在の地下鉄の回転ドアの操作などを、グラフィック・デザインで見る事ができます。トークンの50年の歴史では、最初の紙のトークンから、94年に初めてメトロ・カードになるまでが展示されています。 ニューヨークの硬い岩の下のトンネリングと空気ドリル、電動工具の変化など道具や技術の進化がわかる展示もあります。他には、1950年代まで人種差別のあったアフリカ系アメリカ人が、公共のバスのどこにでも座れるという権利を、エリザベス・ジェニングス・グラハム女史が勝ち取った(1830-1901)話や、1900年に始まったスモークレス(無煙電車)の研究、様々な燃料の起源からその後の環境への影響、有害な排出量の削減など、興味深い内容が幅広く展示されています。 ミュージアムのコレクションでハイライトされている台車50機種以上の詳細な機能や作業車の骨の折れる描写は、George TF Rahilly Trolley博士とバス・スタディ・センターの台車愛好者によって作成されたそうです。 このミュージアムは、ほんとうにユニークな体験を楽しむ事ができます。特別にミュージアムレンタルをしており、年齢に応じた体験型ワークショップや、パーティースペースレンタルでの個人や企業のイベント、子供の誕生日パーティなどにも会場を提供します。 ミュージアムの特別イベントコーディネーターもいて、招待状からパーティーのフード、お持ち帰りパーティーバッグの相談にものってくれます。 ユニークな方法で博物館運営基金を集めているニューヨーク市の、最も特別な場所の一つです。

第138回 2010年 国際現代家具見本市(ICFF)

世界4大家具ショーのひとつ、今回で22回目となる国際現代家具見本市(ICFF)が5月15日~18日の3日間、NYのJacob k. Javits Convention Centerで行われました。14,500平方メートルの会場は、今年も22,000人以上のインテリアデザイナーや建築家、小売業者、デザイナー、メーカー、卸売業者や開発者で賑いました。出展者は600組以上で、現代の家具や椅子、カーペットとフローリング、照明、屋外の家具、壁の装飾、織物とキッチン用品、住宅向き内装のための商品など幅広く、全てをカバーしています。今年のICFFはいつも大きな区域をとっていたイタリア勢に代わって、スペインやオーストリアの勢いが目に付きました。また至るところに憩いの場が大きく設けられ、広々して見えました。 今年もこの「ニューヨーク・デザイン・ウィーク」で、ニューヨーク市内の沢山の協賛デザイン・イベントが盛り上がりを見せていました。最初にダウンタウンのBond Streetで開催されたイタリアのデザイン展「Personalissimo」を見学しました。 ミートパッキング地区で開催されていた「Vitra」のオープニングでニューヨークのデザイン関係者、沢山の知人に出会いました。地下の会場は参加型イベントで、 【 写真 1~3 】 の人達は皆来場者です。今年初めての家具の展示も新鮮でした。 【 写真 4~6 】 【 1 】 1300列 ─ 風景 【 2 】 Paper Booth 【 3 】 憩いの場 【 4 】 オーストリアのBooth(写真4~6) 【 5 】 【 6 】   23丁目のDuPontの ショールームでは、Corian(フォーマイカに似た新素材)を使っての招待作家達による「One of Kind Design」展が開催。佐藤佳子・Morris夫妻の展示デザインでクールな空間を演出していました。 【 写真 7~8 】 25丁目のウェストサイドにあるMoleskine社では現代建築家のドローイングを展示。162枚のサイン入りドローイングをまとめた本のプロジェクトを、スクリーンとコンピューターで披露していました。 【 7 】 UmbraのBooth,Umbra後援のPrattの学生コーナー(写真7~8) 【 8 】 【 9 】 QurzInc. 【 10 】 Studio Chun Wei Liao 【 11 】 KyotoDeco   ソーホー地区のGreene StreetとWooster Streetでは、期間中毎日のようにパーティーで盛り上がりました。 Droog Streetは広いロフトに、いろいろな新しいアイディア商品が展示されていました。 【 写真

第140回 NYの地下鉄に見るパブリック・アート

1980年代、老朽化していたニューヨークの地下鉄を再生させるため、MTA(The Metropolitan Transportation Authority)が設備改良プログラムを開始。その一環として、地下鉄や駅にアートを持ち込むプロジェクトが作られました。 MTAのリーダーは、建設プロセスの一部に、アートが魅力的なリハビリテーションになると提案。ニューヨーク市民のリーダーとプロの芸術家が同意し、「パーセント・フォー・アート条例(※1)」と同様の制度を導入しました。それによって、いろいろな委員会より彼らの名声と支持を得る事になり、歴史的な保存と一般の芸術運動が公共政策に影響し始めました。そして、ニューヨーク市が専用のプログラムを作り、地下鉄アートのプログラムを設立。様々な技術の改造と共に、交通機関や多くの駅が修復され、駅にアートを増やしていくことにつながっていきました。作品は、地下鉄システムの中で簡単に維持できる耐久性のある材料を必要とし、セラミックタイル、モザイク、銅、ガラス等でつくられています。駅内の要素をデザインし、物理的な修復と注目に重要な役割を演じます。また、アートワークだけでなく、ゲートや地下鉄の車両、チケット販売機などのデザインも含まれています。 プログラムは創設者の信条に忠実に実施されており、地下鉄は快適な環境、ユーザー向けの設計、材料は最高レベルである事などが原則になっているそうです。100年以上前に始められたプログラムの高い基準が支持され、現在でもそれに従い作品が選ばれています。 アーティストの選出は、「Calls For Artists」を出しアーティストを勧誘し、5人のパネリストから成る選考委員による投票で行います。議決権を持つパネリストは、近隣の博物館と文化的な機関の代表者が2人、アーティストが1人、Transit代表のためのアートとプロジェクトの建築家です。作品設置駅の市民代表は、顧問として招待されます。 アーティストから提出された資料を基に議論を重ね、最終候補者を選出。最終的な提案を概説し、アーティストを選出します。委任するまでにパネルは2回行われるそうです。 毎日何気なく行き来している地下鉄ですが、意識して見渡すと本当に沢山のアートで溢れおり、その質の高さはミュージアム・レベルです。しかも、美術館やオークションに出てくるような有名なアーティストの作品もあり、さすが国際都市ニューヨーク、と感心してしまいます。 MTAのアートが関わっているのは、地下鉄、ロングアイランド鉄道、メトロノース鉄道、道路、橋梁などです。NYの地下鉄は、1、2、3、4、5、6、7、A、B、C、D、E、F、G、J、L、M、N、Q、R、S、Z線と、番号とアルファベットで呼ばれます。 それらに名前をつけ、「レキシントン・アベニューライン」、「ブロードウェイ・ライン、「シックス・アベニューライン」、「エイス・アベニューライン」と呼んだり、地図上の色名で呼んだりと、人によってまちまちですが、日本よりは分かりやすいと思います。乗車するには、プリペイド乗車券のメトロカードを購入します。何より料金がお得で、改札口を出ない限りどこまで乗っても料金は均一です。ただ、日本のような時間の正確さは保証されず、毎週末起こる路線の勝手な変更は(工事中等で)ほんとうに辟易します。その代わりにアートで楽しむ、という事なのかもしれません。 地下鉄L線は14丁目を横切ります。最近の新しい地下鉄のほとんどは、日本人デザイナー・宇田川信学氏がデザインしています。その内部と路線マップデザインがこちら。 【 写真 5 】   ※1:パーセント・フォー・アート条例 公共事業の実施にさいし、建設工事費の1パーセント前後を美術作品のために費やすことを義務づけたもの。1959年にフィラデルフィア市が制定し、その後、全米に波及した。  【 1 】 ユニクロ車両 UNIQLOのタイムズ・スクエアー店オープンを記念して、42丁目のシャトル・トレインがUNIQLOロゴで包まれました。MTAではアートを一緒にしたこのようなサービスも行っています。 【 2 】 ターゲット車両 1月に116th Streetイースト・ハーレムにオープンしたTargetストアーを記念して、ターゲット色でデザインされた6番線の全車両。広告料も弾んだようで、話題になっています。ラッキーだと、このような楽しい地下鉄にめぐりあえます。地下鉄110周年記念でいろいろなイベントも行われています。(写真2~4) 【 3 】 【 4 】 【 5 】 地下鉄L線。日本人デザイナー・宇田川信学デザインの地下鉄内部。 写真を見ながら、ダウンタウンからアップタウンに移動してみます。 まずは、ブロードウエイ・ラインと呼ばれるR、W、N、Q線のCanal St.(カナルストリート)鈍行と急行の乗り換え正面の館内。ビング・リー(Bing Lee)によるセラミック・タイルの紋柄のようなモザイク模様が展示されています。 【 写真 6~7 】 【 6 】 Canal St.(カナルストリート)R、W、N、Q線。 ビング・リー(Bing Lee)によるセラミック・タイルよる紋柄のようなモザイク模様。(写真2~3)Photo:from MTAart 【 7 】 Photo:from MTAart 同じCanal St.(カナルストリート)でも、A、C、E線8thアベニューラインの駅には、ウォルターマーティンとパロマムニョス(Walter Martin and Paloma Muñoz)による作品があります。いろいろなポーズをした174匹のカラスが、プラットホームを上がって改札の柵に群っている銅彫刻です。 【 写真 8~12 】 【 8 】 Canal St.(カナルストリート)A、C,E線。ウォルターマーティンとパロマムニョス(Walter Martin and

第139回 National Design Triennial: Why Design Now?

2010年5月14日から2011年1月9日の期間、クーパー・ヒューイット・ナショナル・デザイン美術館にて、「Why Design Now?」と題した「ナショナル・デザイン・トリエンナーレ」シリーズの第4回目が開催されています。展示作品は、人類と環境との問題を掲げるデザイナーらによるもので、分野は、建築、工業デザイン、ファッション、グラフィック、ニューメデイア、そしてランドスケープなど多岐に渡ります。 クーパー・ヒューイットのキューレーターたちによって企画されたこのトリエンナーレは、世界の問題を解決するために、国際的な協力の必要性、そのデザインとのつながりの反映を、初めてグローバルな域へと到達させたものとなっています。   この展示会のタイトル「Why Design Now? - なぜ今デザイン?」は、 「なぜ、今日の最も差迫った問題を解決するのに、デザインを考えることが必要不可欠なのか」、「何が、クリエイティブな思考家、創作家、問題解決者らをこの重要な発見の道へと駆り立てるのか」、そして、「なぜ、ビジネスリーダー、ポリシーメーカー、消費者そして市民がデザインの価値を認識するべきなのか」を探る問いかけなのです。 デザインにみられる主な発展を、次の8つのテーマに分けて紹介しています。 「エネルギー」「モビリティ」「コミュニティー」「素材」「繁栄」「健康」「コミュニケーション」「簡素性」   2000年に始まったこのトリエンナーレは、画期的で、前進的な思考のデザインを求めています。今回は、44カ国から134のプロジェクトが展示されています。実行委員のチームは、デザイナーやデザインオフィスを合意の元に選んだり、“Trove wallpapers and Etsy”の例のように、専用のウェブサイトを通じて一般から選んだりしています。   展示会では、iPodタッチを無料で借り、デザイナーのインタビューやビデオ記録、解説などを楽しむことができます。早速、試してみましたが、新しい試みの機械による問題は免れないようで、使い手の戸惑いと機械の故障はつきものということのようです。   【 1 】 Cooper Hewit 外観 【 2 】 Cooper Hewit 外観のグラプィック(写真2~5) 【 3 】 【 4 】 【 5 】   【 6 】 Reception Party会場(館内屋外庭園)(写真6、7) 【 7 】 【 8 】 Simplicity コーナーの展示風景 【9】 「NENDO」佐藤大のCabbage Chair 右側のロールが開かれる前。 【 10 】 有機栽培綿と水性無害にインクでプリントされたスカーフ。エコロジーコンセプトの作品。 【 11】Reception Partyで談笑するデザイナー, Stephano Diaz 【 12 】 絹(Row SilkトKibiso)と綿でできたテキスタイル作品。「NUNO」 【 13】 Solpix

第137回 SOFA NY

今年で13回目となるSculpture ObjectsとFunctional Art Fairが、4月16日~19日の期間、パークアヴェニューのArmoryで開催されました。オープン前日の4月15日は、MAD美術館の基金集めを目的としたGala Partyとオープニングプレビューが行われました。その売り上げや観客数は昨年度を超えるほどの大盛況でした。 プレビューには約2,500人が出席し、会期中は18,500人ものコレクター、キューレーター、建築家、インテリアデザイナー、アート・アドバイザー、そして新しい観客がSOFA NEW YORKに来場しました。今年は、アルゼンチン、ブラジル、ベルギー、カナダ、デンマーク、イングランド、フランス、イスラエル、イタリア、日本、トルコ、USAから58人が展示を行いました。昨年以上に活気があり、税金申告締切日にも影響せず、売上高が上向きだとディーラーの多くが報告しています。会場入口すぐ右手のジョーンB. Mirviss社のブースでは、日本の陶芸作家小池祥子さんの作品23個が、オープン30分で売り切れました。最終日にはブース作品を完売し、彼等のSOFA出場記録を作ったそうです。ロンドンのClare Beck at Adrian Sassoonでも、同じような売れ行きだったそうで、いつものコレクターばかりでなく、新しいクライアントが増えたことも喜んでいました。 ガラス専門のHeller Galleryは、毎回会場入口正面に位置し、高級なベネチアン・ガラスの作品を扱っています。ここも大変人気があり、オ-プニング・ナイトは、通り抜けれないほどの混雑振りでした。 【 写真 11~14 】 ロンドンから出展のAdrian Sassoon, Katie Jonesは、日本作家の海外で好まれそうな作品を扱っており、とても素晴らしく思いました。 コネチカットのTextileのトップディーラーbrowngrotta artsも日本の作家を扱っていることで有名です。   【 1 】 会場入口(写真1、2)   【 2 】 【 3 】 Joan B. Mirviss Ltd., 提供:Shoko Koike作「Reflections on Nature」 【 4 】 会場風景(写真4~6) 【 5 】 【 6 】 【 7 】 Reflections on nature(写真7~10) 【 8 】 【 9 】 【 10 】 【 11 】 ガラスのHELLER Gallery(写真11~14) 【

第136回 ARCHITECTRUAL DIGEST HOME DESIGN SHOW

3月18日~21日の間、Pier 94で9回目とななった慣例のARCHITECTRUAL DIGEST HOME DESIGN SHOW(ADHD show)が行われました。同時に会場の一部で開催されるDIFF Dining by Designも行われ、セレブ・デザイナーやデザイン学校などが関わって、人気のショーが繰り広げられました。今年から隣りのPier 92にGreen Expoがニューヨークではじめてのショーを開催し、盛り上がりをみせました。 ■ DIFF Dining by Design 毎年、DIFFA(Design Industries Foundation Fighting AIDS)の基金集めの為のイベントで、今年はCindy Crawford and Rande Gerberが会長を務めました。ギャラ・パーティーやオークションが行われ、著名デザイナー、雑誌、業界、デザイン学校が関わり、今年は★??個のテーブル・デザインが披露されました。 展示会場入口にはあざやかに光った青いカーテンがあると思い、近づいて良く見ると、青い水の入ったペットボトルをつなげたものでした。中央のスペースには、Vincente Wolfデザインで、スポンサーArtistic Tileの作品 【 写真 3、4 】 があり、大作はCappelliniによる「Walt Disney Signature dining」。ミッキーマウスをテーマにしたディズニーとカッぺリーニの協力を得た作品は、この為に作られたミッキーマウスの頭から足まで10Feetのポリエスターの彫刻が座っている大きな椅子枠の中に、テーブルが作られていて、その中には真っ赤なCappelliniのリボン スツールがあり、4月のミラノでnendoが発表したものですが、一足先にDIFFAでお披露目されました。 【 写真 5~8 】 Continental Airlinesの為にデザインしたRalph Lauren Home 【 写真 9 】 やセンターピースがバンダの花で飾られたテーブルはDavid Beahmがデザイン 【 写真 10 】 。 New York TimesのテーブルはAnnemarie Disalvo of Disalvo Interiorsのデザインでした。 【 1 】 DIFF Dining by Design 展示会場入口(写真1、2) 【 2 】 【 3 】 Vincente