第57回: Accent On Design®(2004/2/10)


 

会場入り口風景

20周年記念、新改装のAccent On Design®

NY恒例のイベント、インターナショナル・ギフトショーAccent on Designが2月1~5日まで開催されました。今回はAccent on Design 20周年ということで、会場も拡大し、ロゴデザインから改装まで、売れっ子デザイナーのKarim Rashidに依頼。入り口、新しいダブルデッカー・ラウンジの設営から、カーペットまで、全体をリフレッシュしました。

インターナショナル・ギフトショーのAccent on Design部門は、1984年の2月に始まりました。以来、現在まで続けて出展している会社は10社だけです。
Accent on Designが始まる84年以前、アメリカの一般市場では、モダンなデザインは特に注目されていませんでした。この運営会社GEORGE LITTLE MANAGEMENTの副社長のAlan Steel氏も「Accent on Designがアメリカのデザイン市場を拡大し、貢献したと思う」と話しています。

確かにそれまでは、個人デザイナーやデザインスクール卒の学生達の発表の場は少なく、Gallery 91が1983年にオープンした当初、発表する場を求めるデザイナーのエネルギーを感じました。
その後、Accent on Designに、デザイナーそれぞれが1、2個のデザイン商品を持ちより、ボリュームを持たせて展示し、ビジネスにして成功していく例もいくつか目にするようになりました。

会場入り口風景

Accent on Design のAとDをInfinity Spiral
にした新しいKarim Rashid デザインのロゴ

会場風景

会場よりダブルデッカー・ラウンジを見る

会場内よりエスカレータートンネルを見る

実際の形でも作られて飾っている

会場風景

ダブルデッカー・ラウンジより全景を見る


 

 

新しく設営されたダブルデッカー・ラウンジ

ダブルデッカー・ラウンジの下、スライド映写

20周年記念、新改装のAccent on Design

20年の経過で、価格競争やら大型化、癒し商品への移行など、いろいろな変化がみられます。今回は、こうした出展企業やデザイナー、商品の変化を、ダブルデッカー・ラウンジ下のスクリーンで繰り返し見せていました。
見晴らし台のような上層のラウンジでは、会場を上から眺めながら休めるようになっています。初日のショーがオープンした10時半から、副社長Alan Steel氏やKarim Rashidのスピーチがあり、ケーキカットもあって、20周年を盛り上げていました。
新しいロゴはAccent on Design のAとDをInfinity Spriral(無限大の螺旋)にしたそうで、ネオングリーンで会場のロゴ、受賞のトロフィーにも使われています。そして、このダブルデッカー・ラウンジは次回の授賞式などにも使われていくそうです。

大規模な模様替えということで、皆どうなることやらと案じたり期待したりしていましたが、前面には大型ブースが出てきて、今までの同じ区画のブース割りではなく、それぞれ違う形のブロックがブースになっています。古参の出展者は一瞬とまどったようですが、カーペットの蛍光色グリーンにピンクの柄が目を引いて、リフレッシュ、明るい未来を演出しているようでもありました。
初日の会場は結構混み合っていたようにみえたのですが、回復したように思えたアメリカの景気も、先週までの零下の寒さの影響か、暖かくなったショウの期間中も、思ったほどの購買客が集まらず、不調の会話がしきりでした。癒しの製品、特殊な商品で景気が良かったというブースもあり、商品次第のようでもあります。

 

新しく設営されたダブルデッカー・ラウンジ

ケーキカット

新設Karim Rashid デザインのカーペット

GEORGE LITTLE MANAGEMENTの副社長のAlan Steel氏挨拶

Karim Rashidの挨拶

ダブルデッカー・ラウンジの上からAccent on Designのオフィスを見る


20周年記念、Accent on Design Award

今回のAccent on Design Award受賞社は、以下の4社でした。
今年のベストNewプロダクトを受賞したのは、重ねた切り紙のペンダント照明具の「Artecnica」(Los Angeles CA.)。
ベストプロダクト・コレクションを受賞したのは「Klein Reid」(Brooklyn NY)で陶磁器で新旧の形をミックスさせて、現代的にしたテーブルウエア。
Best Overall Collectionを受賞した「Space M」(New York)は、癒しのLife Style商品を紹介し続けた功績。
そしてBest Boothは初めてSan Franciscoから出展の若手デザイナー「Publique Living」が受賞しました。

 

          ベストNewプロダクトを受賞した「Artecnica」

 

                   ベストプロダクト・コレクションを受賞した「Klein Reid」

 

 

           Best Overall Collectionを受賞した「Space M」

 

            Best Booth 「Publique Living」

* 「Publique Living」のデザイナー上:Lian Ng, 下:Peter Tjahjadi


 

 

前面に出てきたBoom

BozartのBooth

20周年記念、新改装のAccent on Design

今回のAccent On Design出展社数は189社。昨年まではコマーシャルな商品が大きな一角を保持していたのですが、52,500平方フィート(約4,877平方メートル)に拡大した会場には、デザイン優先にしようという努力が見られ、「Vitra」が入り口近くに位置していました。
若手のデザイナーグループ「Nuf Design」も前の方に出てきていて、ついこの間までICFF(国際家具見本市)のParsons Schoolブースで学生として発表していたグループでしたが、その後仲間で、制作・商品化して独立、2度目の出展となる今回は堂々のブースでした。
先輩格では、同じようにPratt Insttituteの学生から独立して、大変な勢いの「BENZA」。
大人向け玩具のような新しいマーケットの商品づくりでどんどん大きくなっている「Bozart」も大きなブースで前面に出てきました。
このように新しく出展した若手のデザイナーブースも多かったようです。

Gallery91では、日本の優れたデザイン商品で、まだ海外に紹介されていない商品を紹介したい参加者を募っています。
また、海外にマーケットを広げたいと考えているビジネスの手助けをしていますので、お気軽にお問い合わせ下さい。
sales@gallery91.com

 

Gallery 91 の新しい場所、4009Booth

Gallery 91 の新しい場所、4009Booth

若手のデザイナーグループ「Nuf Design」

若手のデザイナーグループ「Nuf Design」

入口すぐの角にきたVitraのBooth

Gallery 91 の新しい場所、4009Booth

若手のデザイナーグループ「Nuf Design」

若手のデザイナーグループ「Nuf Design」

入口すぐの角にきたVitraのBooth

入口すぐの角にきたVitraのBooth

※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影