第5回: NYの秋、デザイン・ショップに新風が起こっています   1 9 9 9/10/1 2

 

 

● デザイン・ショップのオープニングに華やぐNY


10月、デザイン・ショップのオープニングが次々とあり、NYは華やいでいます。SoHoでは、アーティストの住んでいたロフトが、コンピューター時代の新しいライフスタイルを求める若い世代に人気の空間として脚光を浴び、需要が増えていることも、その要因の一つです。このロフトスペースに合うような家具の店、ファッションの店等がどんどん増えてきて、今まで主流だったアートギャラリーは追いやられ、チェルシーに引っ越しています。Gallery 91の隣りのグランド・ストリート89番地に、ドイツの照明作家インゴ・マーラー(Ingo Maurer)が、世界で初めての自らのショールーム兼ストアーをオープンして話題を呼びました。4ヵ月ほど内装に時間をかけていましたが、アナウンスしたオープニング当日は, 大変な台風の9月16日の夜。それでも皆集まって、パーティー用の真っ赤な紙の3Dグラスをかけて盛り上がりました。             ingo-maurer.com

 

Ingo Maurerストア

Ingo Maurerストア

Ingo Maurerストア

Ingo Maurerストア

 

このグランド・ストリートと交わるグリーン・ストリートでも、道沿いに次々と新しい動きが起こっています。インゴ・マーラーより前からある照明具店アルティミデ(Artemide)も常に明るく目に€ツきますが、その正面には5月にオープンしたカーテル(Kartell)が、カラフルなアラン・ラッド等の家具等を展示していて人目を引きます。

Kartell(中から外を見る)

Kartell(入り口から中を見る)

 

 

● Design Day NY


10月6、7、8日と、従来の「デザイナーサタデー」を引き継いだ今年2回目のオーガナイザーが「DESIGN DAY NY」と改称したので、それに合わせたレセプションもたくさんありました。ハウストン・ストリートの近くに5年前に開けたMossストアーが、隣りの敷地も借り4倍に拡張して10月6日オープニングイベントをしました。今までNYになかったようなミュージアムみたいなストアーになり、デザイン関係者がつめかけました。

 

 

MossのオーナーMarry Moss氏

ガエタノ・ペッシェ作品

Mossストア

Mossストア-地下の飾り

 

 

● リニュアルしたMoMAストアー


翌日は6週間休んでいたMoMAデザイン・デザイン・ストアーの再開店オープニングがあり、同じ顔触れプラスMoMA関係者でにぎわい、新しくなって広くなったストアーで歓談しました。MoMAは今までのスペースから10%広がっただけということですが、最近注目されているNYの若手建築事務所1100 Architectのリニューアルでリフレッシュ。天井から壁に設置されたショウ・ウインドウに家具が展示され、メッシュのスクリーン越しに照明が照らされる時だけ見える、という作品の展示方法は圧巻です。アメリカの「ニュージェネレーションお金持ち」、多分ヤッピーの次なる言葉で呼ばれているのかも知れませんが、コンピューターや株で儲けて羽振りを効かせている若い人達が、ロフトのスタジオを月4千ドル~1万ドル(40万から100万円)の家賃を平気で払って住みはじめているので、この活気が出ているのだと思います。

 

MoMA新ショップのデザインをした1100 Archirectのパートナーの1人David PiscuskasとMoMAキューレーターのPaola Antonelli

MoMA新ショップ・オープニング・パーティー風景

MoMA新ショップ・飾り棚