第9回: 寒いNYでのアクセント・オン・デザイン・ショーに見る アジアスタイルの流行 2000/2/9


● インターナショナル・ギフトショー「アクセント・オン・デザイン」

今冬のNYは久しぶりにNYらしい厳しい寒さが続いています。
ここ7~8年暖かい冬でしたが、以前なら年に1~2回は車が隠れる高さの雪の日があったり、車のキーを差し込むのに(キーの差込口が)凍ってしまって入らないので、まずキーの穴にライターのような特別のヒーターをシューと入れて溶かしてからキーを入れる必要があったり、ドアーのウインドーを下げても氷がガラスの様にもう一枚張ってある、といった時が何度かありました。

 

ジャヴィッツ・コンベンション・センター

そんな中で慣例の「インターナショナル・ギフトショー138回」は、1月22日から1月27日までジャコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで行われました。クリスマス商品の並ぶ8月と違って、気候のせいもあり、客足はにぶるのですが、このショウは今年の春からの新商品の傾向が見られます。

今回の『アクセント・オン・デザイン』賞はAmeico のブースに出展していたイタリーのVaritasの文具と、イタリーから新しく出た家庭用品のMAGISのブースに。それと長年続けて出展している努力賞として、ボストンの日系のマサさんのEastern Accentと、最初はGallery 91からスタートしたNinaさんのArchipelago(ベッド・バス・リネンで大成功した)ブースに、それぞれ与えられました。

 

今年のアクセント・オン・デザイン賞に選ばれたVARITASの文具商品

MAGIS、アクセント・オン・デザイン賞

Eastern Accent、アクセント・オン・デザイン努力賞

Archipelago、アクセント・オン・デザイン努力賞

 

 

● 大評判の‘シャープ・バブル’

Gallery 91のブースでは2000年の文字を切り抜いてショウケースにして、時計、デスク・アクセサリーなどをディスプレイ。特に今年はD-Brosの紙製品を出したのが大変人気を呼んだのと、ショウの入り口にも飾られて評判を呼んだシャープ・バブル(ペーパーカッター・ペーパーウエイト・オブジェの3機能を持つ)が反響を呼びました。このシャープ・バブルは3年前、岐阜の関市とIDNFで行われた「国際学生カット・デザイン・コンペ」のグランプリに輝いた作品で、審査員には国際的に活躍するEcco DesignのEric Chan、 石岡瑛子、木村一男、 David McFadden、 Lella Vigenelli、 Tucker Viemeisterをむかえて選定されたものです。細かいディテールにもこだわって、デザイナーのゲリー夏目と関のニッケン刃物とのやりとりの結果生まれた、みごとな新商品です。大きな泡の中に鋭いカミソリと針のようなピン類を閉じ込めて日常的には握ることの出来ない物を、手の平で遊ぶことができ、切れあじ抜群、刃の位置変えも可能で、刃こぼれしても反転して一つの刃で4回使えるすぐれものです。

シャープ・バブル(国際学生カットデザイン・コンペのグランプリ作品を関市で商品化して世界の市場に初お目見え、話題を呼んだ)

 

アクセント・オン・デザイン入り口のディスプレイ・ケースに飾られたGallery 91のシャープ・バブル

 

アクセント・オン・デザイン全景

Gallery 91ブースのディスプレイ

 

 

● Asian Style

ショウ全体ではなんといっても「アジアン・スタイル」の人気と流行を感じさせられました。ドイツのASA社写真下は、ヨーロッパ・スタイルの陶器で 知られていたのですが、なんとこの変化。日本人では出せない、アジアン・スタイルをみごとに商品にしていて、それだけ世界の市場があるのかと考えさせられました。他のアジアン・スタイルも、日系とかアジア人のオーナーではないのが面白いところ。コストの見合うアジアの国で製造するのは今までも当たり前でしたが、このアジア・ブームの浸透ぶりには、びっくりしました。

 

ドイツ・ASA社

ドイツ・ASA社

ドイツ・ASA社

数々のアジアン・スタイル

数々のアジアン・スタイル

数々のアジアン・スタイル

数々のアジアン・スタイル

数々のアジアン・スタイル

 

NYの新年郵便、中華切手

今年は2月5日が中国のお正月。休みのないNYの中華街もこの日ばかりはいっせいに店を閉じて、新年を祝っています。アメリカの郵便局では1月の中頃から、毎年その年の十二支の切手を売りだします。日本の年賀郵便に間に合うようにだしてくれたら使えるのに、といつも残念に思うのですが、これは中国と日本の歴史の違い、やはり中国の重みをこんな所で感じたりしています。