NYで2004年から始まり、今回で4回目を迎えるDigitalLifeショー。
実際のショーに先立ち、2ヵ月前の7月12日、ホテルを会場にしてプレス・レセプションが行われました。そこでもテーブルに新製品を並べての説明があり資料が配られましたが、全てを理解するのは、難しく、実際のショーに出かけて今時のデジタルライフに触れてきました。
毎年変化しているデジタルテクノロジーに注目していて、総計5万人の来場者で賑わったそうです。初日をプレスのため、2日目を教育の日として、9月27日~30日までジャビッツ・コンヴェンション・センターで行われました。
今年のキーノート・スピーカーは、HP(Hewlett-Packard Company)の副社長のPHIL McKinney氏)、MicrosoftのJoe Belfiore氏、iRobotのCeo Colin Angle氏や QUALCOMM IncのJeff Belk氏等が出席、DigitalLife Theaterでは、時間を区切って、40あまりのパネル、ディスカッション、説明会などがあり、子供のための安全なOnline、このホリデーシーズン、何が人気か、などが討論されていました。
Onlineでの売買のセミナーでは、その道専門のeBay Univerisityの他に、今回初めて登場のTweenMashupをYpulseが紹介、マーケットの拡大を計っていました。
会場はLifestyle Zonesを拡大して、来場者が商品に直接触れたり理解できるように、テクノロジーチームのサービスグループを配置しました。
そして、Mobile Living Zone、the DigitalKidz Zone、Digital Defense Zone(Safety&Security)、Digital Memories Zone、そしてWeb 2.0 Zone等もおかれ、それぞれにテクノロジーチームがデモンストレーションやプレゼンテーションのヘルプをしていました。
TOSHIBAが大きなブースを構えており、子供向けのデジタルゲームや玩具と連動したもの、若者向けゲームが圧倒的に多く、ロボットはやはり人気だったように思いました。
DigitalLife PRO/AM Video Game Tounament等もあり、入場料を安くしたことで、ゲーム好きな若い挑戦者達で、会場は賑わっていました。
Video Gameの説明で、写実に見える景色や人間など、その技術には感心しましたが、それだけに、むやみに撃ち殺し進んでいくゲームに辟易しました。一部にすぎないのかもしれませんが、ただでさえ恐ろしい国際状況の中、なぜこんなゲームを作って若者を夢中にさせるのか、制作者側は考えるべきではないかと思いました。
二人のイサム展
二人のイサム展が、Noguchi Museumで2008年3月まで開催されています。
そのオープニングが9月19日にあり、恒例のシャトル・バスがパークアヴェニュー54丁目から出発し、マンハッタンから来る人々の為に、大型バスで送迎してくれます。日本からは、剣持事務所の松本氏、剣持一家、松戸の森仁史氏(松戸市教育委員会・学芸員)も出席され、NYのゆかりの方々や、Noguchi Museumのファンも大勢出席し、和やかなオープニングでした。
日本の戦後、最初に皆が馴染んだ、なつかしいモダン家具達。「これも剣持勇だったの」とか、「これはイサムさんの・・・」などの声が聞こえてきました。
カタログからの一部を抜粋すると、剣持勇とイサム野口は、1950年6月24日に、東京大学にある建築家・丹下健三研究室で最初に会いました。剣持勇が技師として働いていた工芸試験所にイサム野口を誘ったのがきっかけで、同じ年のその8月から、イサム野口はアトリエとして2週間をそこで過ごし、剣持が指導して作っていた日本の竹を編んで作るイスに大変興味をそそられ、自分のアイディアを入れさせてくれないかと剣持に持ちかけ、剣持が快く受け入れて、イサム野口の得意の鉄の分野で、鉄を曲げて足の部分や全体を支える構造の部分にとりいれることで、2人のコラボレーションによる、今迄にない形の竹編みのイスができあがりました。
このBamboo Basket Chairは、もう実在してませんが、この展示会の為に「Bamboo Basket Chair」株式会社剣持デザイン研究所が協力し、日本の株式会社Y・M・Kと近藤昭作氏の手で、復元され展示されています、と記されています。
戦後の不自由な日本の時代に、真剣に新しい日本のデザインに取組んでいたデザイナー、そして今も力強く世界に誇れるモダンデザインを残してくれた先生(私は実際に習った事があります)を誇りに思い、現代の余りすぎる軽薄なデザインやアートの現実に、考えさせられました。
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影