フラッグシップストアUNIQLO SOHO オープン

ユニクロが、マンハッタンのファッション発信地SOHOに最初のグローバル・フラッグシップストア(旗艦店)を開きました。場所は、546 Broadway、Prince とSpring通りの間にあります。
2006年11月9日のオープニングは、3300平方メートルという巨大なストアー・スペースで、地下の一部を除く全館を使って行われました。最近NY一番のエンターテイメントとして、料理の鉄人 森本シェフが、長い刀のような包丁を使ってまぐろ1本をさばき、お寿司にしたりパンの上に乗せたりして、次から次と招待客にサーブしました。また、酒樽を割ってマス酒を振る舞うなど、今のニューヨーカーが求める日本を見せていました。
パーティーでも商品が買えるようになっており、超満員の招待客らは、おみやげの木箱入りカシミヤ・スカーフを手に、もう一度ゆっくり来店したいと満足して帰って行ったようです。
このオープニングに費やした費用は莫大で、翌日10日のストアー開店日にはマイケル・ブルーンバーグ・ニューヨーク市長がテープを切るという力の入れよう。NY市の経済活性化を期待しての応援のようです。
このスペースはSOHOの中で2番目に大きく、白が基調の3階建てで明るい雰囲気。通りを歩いているとガラス越しに、キチンとたたまれた色の揃ったカシミヤ・セーターが、カラー・グラディエーションのごとく見えて、つい吸い込まれそうな雰囲気です。

クリエイティブ・ディレクターは佐藤可士和、インテリア・デザイナーは片山正通、アートディレクターはNYのマーカス・キールステン、インターフェースを中村勇吾等が担当しました。日本のユニクロとは違ったスタイリッシュな新しいブランド・イメージを作り上げようという意気込みが感じられます。
昨年12月のBroadwayは、暖冬のせいか買い物客でごったかえし、歩道にも溢れるほどで、ユニクロの真っ赤なロゴ入りショッピング・バッグを持った人達が沢山目に付きました。
日本からのNY訪問者の中には、日本では見ることができない日本語のユニクロのロゴを珍しがり写真を撮っている人もいました。不思議な現象ですが、よく外国人が、日本語の入ったものを買おうとしても、そのようなものがあまりないと言ってましたが、ユニクロのロゴはNYで見れるというわけです。

【 1 】 ユニクロのロゴ
【 2 】 1月のストアー全館
【 3 】 オープニングに出されたギフトバッグの包装
【 4 】 オープニング・セレモニー酒樽を割ってマス酒を振る舞う(写真4~5)
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【 6 】 料理の鉄人森本シェフによるまぐろさばき実演(写真6~8)
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【 9 】 オープニング当日の店内風景(写真9~13)
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米国には、ユニクロSOHO店の他に3つの店舗と2つのTemporaryストアーがあります。一つはEdison、ニュージャージー(NJ)のMenlo Park MallのUNIQLO、Rockaway、NJ のRockaway TownsquareのUNIQLO、Freehold、NJのFreehold Raceway MallのUNIQLO、そして、ロックフェラーセンター・プラザ内のTemporaryストアーとアップタウン・ウエストサイドの79/80丁目BroadwayのTemporaryストアーを展開しています。

ユニクロSOHOでうたっている「現代の日本」「機能美」「ベーシックを売る」そして、「ニューヨークでグローバルな最高級品を手頃な価格で」の一番の売れ筋は、モンゴル産のカシミヤを100パーセント使用したカシミヤセーターだそうです。次がSOHO店だけのオリジナル、「今の東京」と題してアーティストに依頼して作ったTシャツだそうです。
現代の日本の小売文化であるユニークな接待等の快い経験を、どこまで顧客に提供出来るか、これから、アメリカの従業員達に対する教育が鍵だと思いました。あちこちで不器用そうにみえる従業員が、買い物客が乱雑にした商品を、片端から教え込まれた、たたみ方で丁寧にそろえていくのを見ると嬉しくなり、良い習慣はどんどん世界中に広めてほしいと思いました。

日本での安いというイメージとは違い、今の日本ブランドを目指しているようで、ニューヨーカーの求めるお洒落で、気安く、思ったより手頃な価格が受けそうです。お隣のブロックにはBloomingdale、斜め前にはOld Navyのある競争のはげしいファッション発信地、この新鮮な日本のアパレルUNIQLOのこれからが期待されます。

【 14 】 オープニング当日の店内風景(写真14~16)
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【 16 】
【 17 】 2007年1月の店内(写真17~18)
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【 19 】 SOHOの左手のビルをそのまま生かして見えるレンガ壁とキャッシャーの所(写真19~20)
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【 21 】 2階への階段
【 22 】 グラディエーションにきちんと並ぶ商品群(写真22~23)
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【 24 】 商品を一つずつ教え込まれたたたみ方で、そろえる従業員(写真24~25)
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【 26 】 地下への階段
【 27 】 3階のDVD売り場

Longchamp
ロンシャン・フラッグシップストア

ロンシャン・ストアー132 Spring St GreeneとWoosterの間、SOHOに、時間をかけた内装で昨年5月にオープンしたのがパリの高級バッグ・アクセサリーで有名なロンシャン・ストアーです。
あまり大きくありませんが、3階建て全てを使ったこのビルがフラッグシップ・ロンシャン・ストアーです。
この思い切ったフォルムで話題になり、あらゆる雑誌、機内誌で取り上げられ、昨年中、話題になっていました。
階段のベ二ヤと金属のつなぎ、階段に必要な手すりを透明で布が垂れ下がったような形で表しているPET樹脂ガラスなど、技術的にも大変な作業で、内装工事に1年以上かかってしまったそうです。
最近の話題はJeremy Scottデザインの腕にかけるお洒落な新製品ハンドバッグで、これをモデルのKate Mossをつかってキャンペーンしています。
ハンドバッグよりもインテリアを観に立ち寄る人も多いのに、店員の気持ちよい対応はお店の品格を表しているようです。

【 28 】 ロンシャン・ストアー外観(写真28~29)
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【 30 】 ストアー内受付近辺1階(写真30~31)
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【 32 】 1階から2階までのうねり階段(写真32~36)
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【 37 】 メゾニーから2階へ続くうねり階段
【 38 】 2階のストアー(写真38~39)
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【 40 】 1階から吹き抜けを見上げる
【 41 】 2階からメゾニと1階への階段を見下ろす(写真41~42)
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※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影