第143回 Eat Drink Art Design展

 コロンバスサークルにあるMuseum of Arts and Designで、「Eat Drink Art Design展」が開催されています。同展では、MAD Museumのパーマネント・コレクションの中から、食卓のアートを約60点選んで展示。会期は2010年9月21日から2011年3月27日迄です。 テーブル、プレート、カップ、ティーセット、シルバーウェア等、MAD Museum初期の豪華でエレガントな食器類、ゴブレット等のコレクションから、最近の作品、米国内のファミリー食卓、コンテンポラリーな作品までを展示しています。バラエティーにとんだ作品群で、時代の変化、様式の変化も垣間みる事ができます。 また、MAD Museumの特徴のひとつともいえるコレクションで、アメリカの著名アーティストのキャンバス以外の作品があります。Roy Lichtensteinのカップ&ソーサー 【 写真 14 】 やKeith Haringの朝食セット 【 写真 15 】 、ガラスの巨匠 Dale Chihulyの珍しいワイン・ボトル等 【 写真 34 】 、アーティストの手作りのプロトタイプから機械生産まで、展示は4つのパート (Eat,Drink,Art,Design) に分けられています。   【写真1】  実際の生活で使える作品として、今回コレクションに加えられた緒方慎一郎デザインの「ワサラ」 【 写真 25、26 】 は、従来の木のパルプ使用の紙ではなく、葦と竹、バガス(サトウキビ)等の土に帰る素材でできた使い捨てテーブルウェアです。最近、アメリカのパーティーでも、人気が出てきた商品です。他には、Funfamの藤岡恒行デザインの竹製のテーブルマナーセット。竹を素材に作られており、環境問題を配慮した作品が選ばれています。 これらのコレクションになった作品が、ミュージアム・ストアで購入できるのも、NYの美術館の楽しみのひとつです。 【 写真 68、69 】 もう1人、日本人で、Pate de Varreというガラスのテクニックで作品を作っているガラス作家・樋口主明(きみあけ)の「キャベツの葉とgoblets」 【 写真 36 】 の作品は、1995年の goblet showで展示された事があり、2007年からコレクションに加えられた作品です。Toshiko Takaezuの初期の茶碗 やWarren MacKenzie の土瓶 【 写真 30 】 が、とても日本らしく見え、馴染みの感じがするのもアメリカの美術館だからでしょうか。   【写真2】 【写真3】 【写真4】

第138回 2010年 国際現代家具見本市(ICFF)

世界4大家具ショーのひとつ、今回で22回目となる国際現代家具見本市(ICFF)が5月15日~18日の3日間、NYのJacob k. Javits Convention Centerで行われました。14,500平方メートルの会場は、今年も22,000人以上のインテリアデザイナーや建築家、小売業者、デザイナー、メーカー、卸売業者や開発者で賑いました。出展者は600組以上で、現代の家具や椅子、カーペットとフローリング、照明、屋外の家具、壁の装飾、織物とキッチン用品、住宅向き内装のための商品など幅広く、全てをカバーしています。今年のICFFはいつも大きな区域をとっていたイタリア勢に代わって、スペインやオーストリアの勢いが目に付きました。また至るところに憩いの場が大きく設けられ、広々して見えました。 今年もこの「ニューヨーク・デザイン・ウィーク」で、ニューヨーク市内の沢山の協賛デザイン・イベントが盛り上がりを見せていました。最初にダウンタウンのBond Streetで開催されたイタリアのデザイン展「Personalissimo」を見学しました。 ミートパッキング地区で開催されていた「Vitra」のオープニングでニューヨークのデザイン関係者、沢山の知人に出会いました。地下の会場は参加型イベントで、 【 写真 1~3 】 の人達は皆来場者です。今年初めての家具の展示も新鮮でした。 【 写真 4~6 】 【 1 】 1300列 ─ 風景 【 2 】 Paper Booth 【 3 】 憩いの場 【 4 】 オーストリアのBooth(写真4~6) 【 5 】 【 6 】   23丁目のDuPontの ショールームでは、Corian(フォーマイカに似た新素材)を使っての招待作家達による「One of Kind Design」展が開催。佐藤佳子・Morris夫妻の展示デザインでクールな空間を演出していました。 【 写真 7~8 】 25丁目のウェストサイドにあるMoleskine社では現代建築家のドローイングを展示。162枚のサイン入りドローイングをまとめた本のプロジェクトを、スクリーンとコンピューターで披露していました。 【 7 】 UmbraのBooth,Umbra後援のPrattの学生コーナー(写真7~8) 【 8 】 【 9 】 QurzInc. 【 10 】 Studio Chun Wei Liao 【 11 】 KyotoDeco   ソーホー地区のGreene StreetとWooster Streetでは、期間中毎日のようにパーティーで盛り上がりました。 Droog Streetは広いロフトに、いろいろな新しいアイディア商品が展示されていました。 【 写真

第139回 National Design Triennial: Why Design Now?

2010年5月14日から2011年1月9日の期間、クーパー・ヒューイット・ナショナル・デザイン美術館にて、「Why Design Now?」と題した「ナショナル・デザイン・トリエンナーレ」シリーズの第4回目が開催されています。展示作品は、人類と環境との問題を掲げるデザイナーらによるもので、分野は、建築、工業デザイン、ファッション、グラフィック、ニューメデイア、そしてランドスケープなど多岐に渡ります。 クーパー・ヒューイットのキューレーターたちによって企画されたこのトリエンナーレは、世界の問題を解決するために、国際的な協力の必要性、そのデザインとのつながりの反映を、初めてグローバルな域へと到達させたものとなっています。   この展示会のタイトル「Why Design Now? - なぜ今デザイン?」は、 「なぜ、今日の最も差迫った問題を解決するのに、デザインを考えることが必要不可欠なのか」、「何が、クリエイティブな思考家、創作家、問題解決者らをこの重要な発見の道へと駆り立てるのか」、そして、「なぜ、ビジネスリーダー、ポリシーメーカー、消費者そして市民がデザインの価値を認識するべきなのか」を探る問いかけなのです。 デザインにみられる主な発展を、次の8つのテーマに分けて紹介しています。 「エネルギー」「モビリティ」「コミュニティー」「素材」「繁栄」「健康」「コミュニケーション」「簡素性」   2000年に始まったこのトリエンナーレは、画期的で、前進的な思考のデザインを求めています。今回は、44カ国から134のプロジェクトが展示されています。実行委員のチームは、デザイナーやデザインオフィスを合意の元に選んだり、“Trove wallpapers and Etsy”の例のように、専用のウェブサイトを通じて一般から選んだりしています。   展示会では、iPodタッチを無料で借り、デザイナーのインタビューやビデオ記録、解説などを楽しむことができます。早速、試してみましたが、新しい試みの機械による問題は免れないようで、使い手の戸惑いと機械の故障はつきものということのようです。   【 1 】 Cooper Hewit 外観 【 2 】 Cooper Hewit 外観のグラプィック(写真2~5) 【 3 】 【 4 】 【 5 】   【 6 】 Reception Party会場(館内屋外庭園)(写真6、7) 【 7 】 【 8 】 Simplicity コーナーの展示風景 【9】 「NENDO」佐藤大のCabbage Chair 右側のロールが開かれる前。 【 10 】 有機栽培綿と水性無害にインクでプリントされたスカーフ。エコロジーコンセプトの作品。 【 11】Reception Partyで談笑するデザイナー, Stephano Diaz 【 12 】 絹(Row SilkトKibiso)と綿でできたテキスタイル作品。「NUNO」 【 13】 Solpix

第137回 SOFA NY

今年で13回目となるSculpture ObjectsとFunctional Art Fairが、4月16日~19日の期間、パークアヴェニューのArmoryで開催されました。オープン前日の4月15日は、MAD美術館の基金集めを目的としたGala Partyとオープニングプレビューが行われました。その売り上げや観客数は昨年度を超えるほどの大盛況でした。 プレビューには約2,500人が出席し、会期中は18,500人ものコレクター、キューレーター、建築家、インテリアデザイナー、アート・アドバイザー、そして新しい観客がSOFA NEW YORKに来場しました。今年は、アルゼンチン、ブラジル、ベルギー、カナダ、デンマーク、イングランド、フランス、イスラエル、イタリア、日本、トルコ、USAから58人が展示を行いました。昨年以上に活気があり、税金申告締切日にも影響せず、売上高が上向きだとディーラーの多くが報告しています。会場入口すぐ右手のジョーンB. Mirviss社のブースでは、日本の陶芸作家小池祥子さんの作品23個が、オープン30分で売り切れました。最終日にはブース作品を完売し、彼等のSOFA出場記録を作ったそうです。ロンドンのClare Beck at Adrian Sassoonでも、同じような売れ行きだったそうで、いつものコレクターばかりでなく、新しいクライアントが増えたことも喜んでいました。 ガラス専門のHeller Galleryは、毎回会場入口正面に位置し、高級なベネチアン・ガラスの作品を扱っています。ここも大変人気があり、オ-プニング・ナイトは、通り抜けれないほどの混雑振りでした。 【 写真 11~14 】 ロンドンから出展のAdrian Sassoon, Katie Jonesは、日本作家の海外で好まれそうな作品を扱っており、とても素晴らしく思いました。 コネチカットのTextileのトップディーラーbrowngrotta artsも日本の作家を扱っていることで有名です。   【 1 】 会場入口(写真1、2)   【 2 】 【 3 】 Joan B. Mirviss Ltd., 提供:Shoko Koike作「Reflections on Nature」 【 4 】 会場風景(写真4~6) 【 5 】 【 6 】 【 7 】 Reflections on nature(写真7~10) 【 8 】 【 9 】 【 10 】 【 11 】 ガラスのHELLER Gallery(写真11~14) 【

第136回 ARCHITECTRUAL DIGEST HOME DESIGN SHOW

3月18日~21日の間、Pier 94で9回目とななった慣例のARCHITECTRUAL DIGEST HOME DESIGN SHOW(ADHD show)が行われました。同時に会場の一部で開催されるDIFF Dining by Designも行われ、セレブ・デザイナーやデザイン学校などが関わって、人気のショーが繰り広げられました。今年から隣りのPier 92にGreen Expoがニューヨークではじめてのショーを開催し、盛り上がりをみせました。 ■ DIFF Dining by Design 毎年、DIFFA(Design Industries Foundation Fighting AIDS)の基金集めの為のイベントで、今年はCindy Crawford and Rande Gerberが会長を務めました。ギャラ・パーティーやオークションが行われ、著名デザイナー、雑誌、業界、デザイン学校が関わり、今年は★??個のテーブル・デザインが披露されました。 展示会場入口にはあざやかに光った青いカーテンがあると思い、近づいて良く見ると、青い水の入ったペットボトルをつなげたものでした。中央のスペースには、Vincente Wolfデザインで、スポンサーArtistic Tileの作品 【 写真 3、4 】 があり、大作はCappelliniによる「Walt Disney Signature dining」。ミッキーマウスをテーマにしたディズニーとカッぺリーニの協力を得た作品は、この為に作られたミッキーマウスの頭から足まで10Feetのポリエスターの彫刻が座っている大きな椅子枠の中に、テーブルが作られていて、その中には真っ赤なCappelliniのリボン スツールがあり、4月のミラノでnendoが発表したものですが、一足先にDIFFAでお披露目されました。 【 写真 5~8 】 Continental Airlinesの為にデザインしたRalph Lauren Home 【 写真 9 】 やセンターピースがバンダの花で飾られたテーブルはDavid Beahmがデザイン 【 写真 10 】 。 New York TimesのテーブルはAnnemarie Disalvo of Disalvo Interiorsのデザインでした。 【 1 】 DIFF Dining by Design 展示会場入口(写真1、2) 【 2 】 【 3 】 Vincente

第135回 NY Art Week : マンハッタン街中でにぎわったアートウイーク

  今年で12回目を迎えるThe Armory Showが3月2日から7日まで、Piers 92と94を会場に開催されました。5日間で6万人という集客数は過去最大となり、売上総金額も過去最高となりました。また、この期間アカデミー賞が開催されていたこともあり、俳優、モデル、デザイナーなどが目につき、華やかな街の様子でした。 The Armory Showの他にもミッドタウン34丁目では「VOLTA」、リンカーンセンターの敷地内のテントで毎年行われる「Scoop」、ダウンタウンでは「PULSE,」、そして、今年は28丁目のウェストサイドのイベント会場を使って、初めての「Korean Art」が開かれました。こちらは自前のシャトル・バスで他会場とをつなげ、ビッグ・イベントの旗揚げとなりました。 【 1 】 Armory ア-トショー入り口 【 2 】Armory ワークショップ講演の一つ 【 3 】Armory 会場風景(写真3~5) 【 4 】 【 5 】 【 6 】Jim Dine Alan Cristea Gallery London 【 7 】julianOpie Allan Cristea Gallery 【 8 】CarlosCruzDiez 【 9 】Chagall Gallery Thomos(Munich) 【 10 】AndyWarhol Gallery Thomas     今年のThe Armory Showは天候にも恵まれ、どのブースも満員の大盛況ぶりでした。著名なギャラリーも数多く名を連ね、オークションハウスにも出る程の名画が展示され、見応えがありました。 アムステルダムから出展のUpstream Galleryは、オープン日開始35分で個展の作家作品が完売したそうです。また、Lower East Sideから初めて出展したギャラリーでも、2時間で作品を完売したとのこと。全体の90%のギャラリーが最終日までに作品を売り切り、不況を感じさせないNYのアートビジネス事情を実感しました。 【 11 】SamFrancis. Gallery Thomas 【

第134回 MoMAのパーマネント・コレクション「Action Design over Time」展

  新しく入れ替わったMoMAのパーマネント・コレクションの「Action Design Over Time」と題した展示が、2月5日からMoMAの3階で始まりました。それに合わせて「A+D Circleメンバー」募集を兼ねたキューレターツアーも行われました。 A+D Circleとは普通のメンバーシップとは別に、MoMAの建築・デザイン愛好家のためのメンバーシップで、さまざまなシンポジウムやキューレターツアー、建築事務所などへのツアー、話題になっている建物のガイド付きツアーなどが常時行われるというものです。   今回のパーマネントコレクションに追加された作品は、MoMAらしく今の時代を反映し、過去にあり得なかったような、映像や素材、新しいテクノロジーが増えています。 オーガナイズをしたのは、シニア・キューレーターのPaola AntonelliをはじめとするPatricia Juncosa-VecchieriniとKate CarmodyやMoMA 建築・デザイン部のアシスタント・キューレーターで、コンテンポラリー・コレクションの中から85点を選び、展示しています。   入って右手がモダンのセクションで最近のコレクションを。中央が家具、奥の壁には映像や素材などをメインに展示しています。展示作品は、現代のアートやデザインの傾向にもある、自然の進化や環境の変化を受け入れており、表現方法も自由で、現代をより深く理解してもらおうとしています。   展示対象のオブジェのいくつかは、その瞬間の静の部分で見せていますが、制作過程や人々との関係のプロセスなど時代を反映し、そこで止まっている美の物体として捉えています。例えば、インゴマウラーの、壊れた食器で作られたシャンデリア(1994) 【 写真 4、5 】 や、Libertiny Studioの「Honeycomb Vase」などがあります。「Honeycomb Vase」は、4万匹のミツバチが1週間かかってつくった花瓶です。 【 写真 20 】 【 1 】 入って右手のモダンセクション(写真1~3) 【 2 】 【 3 】 【 4 】左手の作品はStack D:A&D Shay Alkalay, Israeli、上からはインゴ・マーラのシャンデリア 【 5 】吉岡徳仁:Honet-Pop Armchair(写真5、6) 【 6 】 【 7 】Corallo Armchair Steel:Campanaブラザー、ブラジル 【 8 】シンデレラ・テーブルD:Jeroen Verhoeven, Dutch 【 9 】 Cabbegeチェア:nendo 【 10 】CoReFab#116_25 D

第133回 アクセント・オン・デザインにアクセント・オン・ジャパン出現

1月31日から2月4日までの間、年2回開催される北米最大規模のNYインターナショナル・ギフトフェアがジャビッツ・コンベンション・センターで開催されました。世界85カ国2,700社が出展するうち、審査によって高いデザイン性を評価されたブースだけが出展可能となる「アクセント・オン・デザイン」部門の中に、今回初めて「アクセント・オン・ジャパン」という名称で、日本の商品群をまとめたブロックができました。従来出展していたブースの撤退などもあり、一箇所にまとまることで、よりパワフルに日本の商品を発信するのが狙い。主催者側からも日本の新しい良質な製品の出展が望まれており、協力を要請されました。 今回出展したのは23年連続出展のGallery 91、20年のINATOMEと若手のMORIHATA International。そして、日本からはじめて出展したFUNFAMの4社でした。 【 1 】 ジャビッツ・コンベンション・センター外景と中(写真1~4) 撮影:K.稲留 【 2 】 【 3 】 【 4 】 【 5 】初日の人と行列(写真5~7) 【 6 】 【 7 】 【 8 】アクセント・オン・デザイン入り口エスカレーター(写真8、9) 【 9 】 天気予報は雪でしたが、当日は天気にも恵まれ、大変な混雑で9時の開始にはドッと人がなだれこみ、久しぶりに人の多さに圧倒されました。来場者は世界85カ国、50州からの31,000人のとのこと。 景気が上向いてきたのでしょうか、買い渋っていた在庫が底をついたのでしょうか、それとも何か新しい商品を探して彼等も活気を取り戻したいと願うのでしょうか、初日の人出は本当に期待したくなるほどの混雑でした。 今回の企画に、ミュージアムやハイデザインショップのバイヤーも、あちこち探さずに、続けて見れる良さを喜んで、もっと日本のものを集めてほしいと話していました。新聞やニュースでも取り上げられ、次が期待されています。 http://www.accentonjapan.net 【 10 】 アクセント・オン・デザインのサイン 【 11 】 上からの全景 【 12 】アクセント・オン・ジャパンのサイン 【 13 】アクセント・オン・ジャパンの列 【 14 】Gallery 91のブース(アクセント・オン・ジャパン)(写真14~18) 【 15 】  【 16 】 【 17 】 【 18 】 今年のアクセント・オン・デザイン賞の受賞者は Excellence in Product

第131回 芹沢けい介-型絵染の巨匠

ジャパン・ソサエティー・ギャラリーで「芹沢銈介-型絵染の巨匠」展を2010年1月17日まで開催中です。 芹沢銈介(1895~1984) ― 1956年に人間国宝の認定された芹沢銈介の作品は染色の枠組にとらわれない比類なき美しさと表現力をたたえています。それまでの伝統的な型染は、型紙を制作する型彫師と染物師に分業化されていたのに対し、芹沢は下絵を描き型紙を彫り、糊置きをして色を挿し、水洗いをして干すという一連の工程に自ら一貫して取り組みました。芹沢はこの手法を用いて、着物や帯地のみならず、本の装幀、挿絵、軸、カレンダー、屏風、のれんへと作品の幅を広げていきます。 私自身が女子美の工芸の学生だった頃、何度かお目にかかり指導を受けた事があったので、これだけ網羅した芹沢銈介展をニューヨークで見れることに感激と感慨深い思いで、改めてその偉大な功績を学びました。 【 1 】 芹沢銈介展案内状 【 2 】第1室 【 3 】第1室 【 4 】第1室 【 5 】第2室 【 6 】第2室 【 7 】第2室 【 8 】第2室 芹沢銈介先生は1927年に柳宗悦と出会い、民芸思想に共感し、また、沖縄の紅型に接した事で、沖縄紅型の精密で明快な図案と輝く色彩に魅了され、作品に影響を与えています。第1室では、初期の植物繊維の作品や古事記からの図柄、最初の頃の「工芸」の表紙などが展示され、2室ではヨーロッパの影響を受けた動物の絵柄を型染めで表現したり、初期の「いろは」の型染め、そして3室には最初の「カレンダー」柚木紗弥郎氏制作の作品が展示されています。 【 9 】 第4室 カレンダー他 【 10 】第4室 カレンダー他 【 11 】第4室 のれん 【 12 】第4室 のれん 【 13 】第4室 のれん 【 14 】第4室 のれん 【 15 】第4室 のれん 【 16 】第4室 のれん 【 17 】第4室 のれん 【 18 】第5室 春夏秋冬 芹沢先生は日本の民芸、伝統に精通しながらも朝鮮や沖縄など他の文化から、鮮やかで明快なモチーフを使った大胆なデザインと色彩で自身の作品に反映し、技術の向上を飽くこと無く追求して行った作家だったのでしょうと、ディレクターのジョー・アール氏が言うのがうなづけます。 第4室の縄のれんと、数々の「のれん」に見る、気持ちがよいまでにすっきりと、無駄をはぶいたリズミカルに見えるデザイン。型紙掘りの制限をいかして、ここまですっきりとした表現が出来る芹沢作品のすばらしさを満喫します。第5室では春夏秋冬の文字の展示、第6室は写真のような描写の民具の屏風や現代的になった「いろは」の変化など多彩な作品が展示されています。第7室、本の装幀、第8室で着物、反物と続きます。 【 19 】 第5室 春夏秋冬 【 20