世界4大家具ショーのひとつ、国際現代家具見本市(ICFF)が5月17日~20日、NYのJacob k. Javits Convention Centerで行われました。今回で20回目を迎えます。
17日~19日の10時~17時はトレード(業者)、20日の10時~16時は、一般客が入場することができます。
正味14,500平方メートルの会場が、25,000人以上のインテリアデザイナー、建築家、小売業者、デザイナー、メーカー、卸売業者や開発者でにぎわいます。
出展者は600人以上で、ジャンルは、現代の家具、椅子、カーペットと床、照明、屋外の家具、壁関係アクセサリー、織物と台所関係・・・と幅広く、住宅向きで商業的な内装のための商品など全てをカバーしています。
開催期間中、ニューヨーク市内では、ICFFに協賛しで盛り沢山のデザイン関係の催しが行われ“ニューヨーク・デザイン・ウィーク”と名付けられていますが、年々デザイン狂想曲のような大変なお祭りです。
下調べの段階でもICFFの公式ダイレクトリー図録があり、INTERNIのDesign Guide New York、METROPOLIS誌のDESIGN GUIDE NYC 08、他にもMeetPacking District Design 2008等々の小冊子に出ている展示インフォーメンションや、パーティーの開催場所、時間などを綿密に調べてプランしないと、昼間に見ることができる展示や、夜に様々な場所で行われる20以上ものパーティーは、とても見て回れません。噂を聞き出して、好評だったイベントを見つけるのもコツのようです。
毎年、同じように見える展示物の中から何か新しいものを発見しようと、皆、熱心に見て歩きます。今年は全体として、日本や北欧の良さが影響しているようなシンプルなデザイン、デリケートなデザインが目につきました。また、素材や環境問題を意識したデザインが圧倒的に多くなっています。
慣例の、ICFFが招聘したデザイン・スクールの作品は、新鮮で面白いものが多く、今年は CCA(California Collage of the Arts)、SCAD(Savannah College of Art and Design)、SVA( School of Visual Arts)、Yale Universityが出展、受賞者も出ていました。
ICFFの展示では、イタリー勢のISALONI World Wide、ICFF Studio、Materials Matter、Design Boomと大まかに別れている他に、今年はオーストリアのトレード委員会、英国ヨーロッパのデザイングループ(BEDG)、スペイン、ブリュッセル(ベルギー)、ファニチャーNY、IDSAニューヨーク(アメリカの工業デザイナー協会)、カナダの新しいデザイン、デンマークの王室の総領事から、そしてタイのトレードセンター等が各セクションに分かれて展示していました。
それ以外にも個々では、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ボツワナ、ブラジル、カナダ、中国、チェコ共和国、デンマーク、エルサルバドル、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、アイルランド、イスラエル、日本、韓国、リトアニア、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、スウェーデン、スイス、台湾、タイ、トルコ、イギリスとアメリカ各国から出展しています。
今年もデザイン誌の編集者が審査員となって選ぶ“Editors Choice Awards”が開催されました。
ブースでは「School of Visual Arts (SVA)」、Design Schoolでは「Savannah College of Art and Design (SCAD)」がそれぞれ受賞しました。
(その他は以下ICFFのページを参照)
http://www.icff.com/page/editorsawards.asp?AnID=edawards&Nid=80
IDSAは若手デザイナーのブース、デンマークの工芸のブース、テクノロジーを取り入れた商品や、環境を考えた子供やベビー用品も多く目につきました。
一番興味をそそられたのは、レクチャー用のスクリーンに使われていたパッキング用の素材を生かしたリサイクル・フェンス(写真69)や、Red Dot Award:デザインコンセプトの展示設営に使われていたペットボトルの展示台(写真70~71)です。
ICFFは、17日土曜日の朝まで公式に始まらないのですが、オフサイトでは早くも様々な行事が始まります。16日は、Metropolitan Home誌主催で、ミートパッキングのHotel Gansevoortの屋上で「Design Inspirations」というテーマでインテリア・デザイナー等によるパネル・ディスカッションがありました。(写真72)あいにくの雨でしたが、和やかにも真剣に質問をしたりと良い集まりでした。
その後は、Up TownのFelissimoで行われていたパーソンズ・スクールの、「Good Life」がテーマの展覧会のパーティーに参加しました。パーソンズ・スクールが、学生の各プロジェクトにスポンサーの協力を呼びかけ、展開する非営利財団をつくり、その成果の発表だったようです。
他にも14~15件の催しがブルックリンや、チェルシー他で行われていました。
17日は、ソーホーのGreeneストリートにて、いくつものオープニングがありました。MOSSと隣りのMorosoがつながっていて、招待者だけのパーティーには、いつものように行列が出来ていました。ここに招待され、デザイナーや業界の著名人に会えるというのも魅力の一つのようです。(写真73~79)
MOSS Galleyでは最近まで、MoMAで展示されていたHoney Comb Vaseのカラーの花瓶(写真80)や、オークション・ハウスに出そうな作品が増えていました。続いてお隣の「B@B」、「Boffi」、「Bond」、[Living Divani」、「DWR」、「Cite」、「Porro」等、GreeneストリートのHoustonとPrinceストリートにあり、道をはさんで皆行ったり来たり、人であふれていました。一本西の通りWoosterではCappelliniが懐かしい名作の家具等の展覧会をしていました。(写真75、81)この同じ時間帯にヴィレッジやミートパッキングでも同じようにオープニングがありました。
18日は、ミートパッキングでのイベントに参加しましたが、「Vitra」がJasper Morrisonと深澤直人氏のセレクトで「Super Natural」展を開催しました。人が外に溢れるほどの大盛況(写真82~97)で、身動きがとれない状態でした(写真98)。14丁目通りも各ショップが参加し、「フィンランド・デザイン」の展覧会(写真99~102)も大掛かりで、M2Lで行われた「オランダ」展(写真103~104)、ブティック「Carlos Miele」ではJeff Millerの家具(写真105~106)を発表、Gaensevoortストリートのギャラリー(写真107~108)、ブティック(写真109~110)も各々イベントをしていて、隣りも隣りも、と歩いているうちに、RSVPしておいたChelsea Art MuseumのSurfaceのイベントには参加できませんでした。
19日は、ソーホーのPrinceストリートよりダウンタウンのGreeneストリートがこぞってパ-ティーを開催。「Ingo Maurer」の新しい蛇ランプやインストレーションは皆を喜ばせ、驚かせていました(写真111~114)。 他に「Boffi」(写真115~116)、「Kartell」(写真117~120)、「Flou」、 「Artemide」(写真121~126)など。Mercerストリートの「TOTO」(写真127~129)では、ショールームの中で水をテーマのパーティーを行い、 最後に有名シェフが来るというイベントでキッチンとバスを紹介しました。
Davis & Warshowのショールーム(写真130~132)では、Suvir Saranシェフのフードを味わい満腹状態でしたが、まだUP TOWNの58丁目のショールームではいくつものイベントが行われていました。
20日は最後に、Prattの14丁目の校舎にてPRATTの学生作品の発表会があり見学しました(写真133~135)。 これだけまわっても、デザインウイークの半分も見れていなく、エキサイティングな毎日ですが、目も足も大変疲れるウィークでした。
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影