第53回: ロックフェラーセンターで村上隆の大インスタレーション (2003/10/8)
高さ7メートルのとんがりくん
昨年のナム・ジュン・パイクやIBMでの森万里子展と同じPublic Art Fundのプロジェクトで、今回、村上隆「Reverse Double Helix」(二重螺旋逆転)という高さ7メートルの現代仏像風作品が、ロックフェラーセンターで9月9日から10月12日まで展示されています。Public Art FundとTishman Speyer Propertiesがオーガナイザーで、TARGETがスポンサーをしており、9月9日にはスケートリンク場を会場に盛大なオープニグ・パーティーが行われました。
最近のアートアニメのきっかけを作った村上隆は、プロデューサーもできるアーティストとしてアメリカで認められ、世界のトップアーティストになりつつあります。NY Timesが「アンディー・ウオーホールの次に出てきたポップカルチャー・アーティスト」とまで言っているほどです。
私には良くわからないのですが、最近のアートのおどろおどろしいものや、けばけばしく刺激的なだけでピンとこないものよりは、誰にでもわかりやすく、明るくて良いのではないでしょうか?
彼の歩みをふりかえると、1996年頃NYでローカル新聞の表紙を飾っていたり、アニメフィギュアーのアーティストの展覧会を企画したり、アニメオタク、Japanポップカルチャーを早くからアメリカに紹介していました。
2000年のパルコでのポップカルチャーショー(SUPERFLAT)の成功を、MOCAで2001年に発表したり、NYグランドセントラルでのWINKのショーが海外でのデビューで、それをきっかけに現在のように知れ渡った存在になったと思います。時代の読みとビジネスセンスに長けたアーティストではないでしょうか。
作品はこのところオークションに出品されているようで、Miss KO2(KOKOちゃん)はコレクターに莫大な金額でコレクトされています。
今回のような現代彫刻は六本木ヒルズにもあるそうで、ロックフェラーセンターではとんがりくんを中央に4体のカラフルな四天王像が囲み、周囲にはキノコ型のベンチが配されています。そして、このベンチにもスマイル・マークを思わせるようなカラフルな顔、顔、顔。さらに、周囲のビルから張り巡らせたコードでとめた、超巨大な目玉のバルーンが2個空に浮かんでいます。
目下、NYを訪れる観光客の格好の撮影場になっていて、毎日人だかりがしており、近辺のビジネスマンも思わず足を止め見上げています。
初日には盛大なオープニグ・パーティーが開催
FelissimoとFirstop
展示会場風景 Fiberglass “Ori” table by Douglas Fanning
Sylvia Nagy (陶芸家と*岐阜Talkで作った作品)
porcelain pieces “River”
「Made in Brooklyn」をテーマに開催されたFelissimo
フェリッシモ・デザイン・ハウスがポートフォリオを見て選んだ38名のファッション、家具、プロダクト・デザインのプロトタイプから製品までの新しい作品の展覧会が9月8日~10月25日まで開催されています。最近のブルックリン・パワーをキャッチして「Made in Brooklyn」をテーマに、Brooklynをベースに活躍するデザイナーばかりを集めての新しいNYパワーの紹介となりました。展示デザインは知名度のあるAli Tayarに依頼、彼の作品展も4階で行われています。
オープニングにはデザイン界の人々で満員という盛況ぶりでした。
Brooklynでも、大きく分けてWilliamburg とDANBO の2つの地域が、アーティスト・コロニーとしてソーホーやチェルシーに次ぎ活発なアートメッカとなっています。ちょうどWilliamburg で第2回目のDESIGN WEEKENDイベント、Firstopが9月28日、29日に行われました。
Felissimoにも参加した多数のデザイナーが関わり、スタジオをオープンしたり、レストランやショップも参加して若い活気のある催しになっていました。
Felissimo Design House → www.felissimo.com
*岐阜Talk … 多治見の陶器を主に家具まで、若い発想でオリジナルを作っている会社
NUSY Love & Peace Project
Redesigned and resurfaced “Fifty-Cents Dishware” by Sarah Cihat
今回の展示設計をしたAli Tayar
“Nea Table 1” made of molded particleboard skid, cast aluminum,and glass by Ali Tayar, and “Waterloo Candleholder/Ashtray” made of cast aluminum for Waterloo restaurant by Ali Tayar
黒白の陶器 porcelain pieces “River” by Sylvia Nagy and “Ori” table by Douglas Fanning
椅子、左から“Rasamny Chair” by Ali Tayar and structural engineer: Attila Rona P.E., “Hawkeye TV Table” and “Nick’s Trivet” by Ali Tayar
展示風景”Miki’s Bench” made of Lucite by Ali Tayar
Model of “Ellen and Gregg’s House on Block Island” Project
Team:Natalia Echeverri, Jose Lew, Nick New, David Scott, Ali Tayar; Structural. Engineer: Attila Rona, P.E.; Mechanical Engineer: Simon Rodkin, P.E.
展示風景 “Splint Chair” transforms into a table by Ladislav Czernek,“Sphere,Cylinder & Spade” stoneware with lunar-texture by Pamela Sunday, folded metal “270 Table” by David Scott
服 展示風景 “Feel the City” jackets by Yoichiko Sakamoto
着てみた状態
Ali Tayar“Michael’s Table,” and “Plaza Screen” made of anodized aluminum planks and injection molded connectors by Ali Tayar
Firstopでは展覧会「OPEN UP」とデザインストアー「The Future Perfect」が人気
今回の見どころとしては、使用中の倉庫をそのまま展示会場にしての展覧会「OPEN UP」と、新しくできたデザインストアー「The Future Perfect」が、皆の人気を集めていました。
「OPEN UP」は、今回もこのFirstopをオーガナイスしたKlaus RosburgやGGrippoの企画の展覧会で、全体のオーガナイズとこの展覧会とで大変だったと言っていました。
オープンしたばかりの「The Future Perfect」ストアーは地下もありアートとデザイン、コンセプトからプロダクトまで面白い作品群で、デザイナーの発表の場が出来て、今後が期待される楽しみなストアーです。
The Future Perfect ストアー
The Future Perfect ストアー(Shelving System/Hivemindesign )
The Future Perfect ストアーの前でデモンストレーションしているデザイナーの Lorena Barrezuela
Aquariass by Oliver Beckert(トイレのフラッシュ)
The Future Perfect ストアーのトイレ。フラッシュすると泳いでる金魚がどうなるかと気になる
水が流れているオブジェWaterfall Mirror/Jeremy Erhard
Firstopでは展覧会「OPEN UP」とデザインストアー「The Future Perfect」が人気
今回もオーガナイズをした Klaus Rosburgの
SONIC designスタジオ
Wood Shop BROZNAWOOD WORKING
A.TE.M Inc.左が Marc J.M van den Broek
ガラス工房 One Sixty Glass
Bettehcourtwoodworkの前で
BROZNAWOOD WORKING (c)Firstop
「Open Up」の会場風景 (c)Firstop
Chairs“B-54” by Klaus Rosburg/SONIC design
マティニ・グラス・シャンデリア by Touch Design
Mink design (c)Firstop