安藤忠雄デザインのレストラン「MORIMOTO」
続々と新しいお店が出現しているミートパッキング地区のチェルシーにまた、話題のレストランが1月31日に開店しました。ニューヨークでもお馴染みになってきたTV番組「料理の鉄人」のモリモト(森本正治シェフ)がニューヨークで初めての第一号店を開きました。
13,000スクエア・フィートのスペースをデザインしたのは安藤忠雄氏。安藤氏の実物のデザインを見れる、ニューヨークで初めてのインテリア作品です。目をひくのは、天井は砂のガーデンのイメージで作ったという、固めた布地で出来た波打つ白地。壁もこの柔らかいうねりでできており、天井に対して床は黒地で、だんだん上に向かって白くなるグラデーションになっています。このグラデーションがモリモトの名刺等のカラーにも使用されています。
もう一人はプロダクト・デザイナーで世界的に活躍しているRoss Lovegroveで、安藤忠雄氏のイメージを入れてデザインしたという椅子や、彼の有名な自然型のウォーター・ボトルを17,400本使って作られたクリスタルの“光の間仕切り”も壮観です。
このプロジェクトのクリエイティヴ・ディレクター、プロデューサーを務めたのはニューヨークのGOTODESIGN GROUPのステファニー後藤氏です。後藤氏はコーネル大学を卒業後、Rafael Vinolyの後David Rockwellにいて独立した日本女性です。地下のバーも木の葉が埋め込まれた透明アクリルのカウンターがあったり、トイレの奥の壁には四季の花が延々と続く仕掛けのパフォーマンスだったり、お料理だけでなく、盛り沢山のエンターテイメントが含まれていて、ニューヨーカーを楽しませそうです。
オーナーのステファン・スターは、フィラデルフィアにいくつかのレストランを経営しています。フィラデルフィアのモリモトは、Karim Rashidのデザインです。「いつかニューヨークに・・・」という2人の夢が、今回実ったそうです。
入口には営業時に、縦122フィート、幅14フィートもある世界で一番大きい真っ赤なのれんが下がります。 オープン時はちょうどファッション・ウィークで、ニューヨークのレストランは毎晩ファッション・ショー後の貸し切り接待パーティーの会場となります。モリモトは話題のレストランとして、NY Timesでも大きく取り上げられました。
今、ニューヨークの西の外れ、10番街が開拓され、大型レストランが次々と出現しており、まだ寒いニューヨークにホットな話題を提供してくれています。
「CC+for MoMA」 デンマーク・クラフト・コレクション
ソーホー MoMAデザイン・ストアーが、デンマーク・クラフト・コレクションの特設コーナーを設け、そのお披露目パーティーがあり、NYのデザイン関係者が一同に集まりました。デンマーク・クラフトの中からMoMAが選定した商品を「CC+for MoMA」と銘打って、デンマーク領事館の後押しもあり、MoMAデザイン・ストアーで売り出そうというものです。
デンマーク・クラフトは1999年にデンマークの文化庁の後押しで出来た独立組織で、25~30人のクラフトマンの作品を、今までと違った方法で世界に出そうとしているようです。日本と同じようなクラフトの状況を感じますが、スマートなNY進出です。
出席したデザイナーや関係者が一段と背が高く、見上げる人の多いのが目につきました。マリメッコが今年から卸しを始めたので、MOMAなどのあちこちの店で特徴のある大きな花柄を見かけます。
今年は久しぶりに、スカンジナビア旋風になるのかもしれないと感じました。
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影