スタジオや近辺のストアなど計60店が参加
マンハッタンからひと駅先にあるブルックリン・ウイリアムスバーグにて、デザイン・ウイークエンドの催し「第3回FIRSTOP」が10月2日~3日の2日間行われました。
今年は、ウイリアムスバーグをベースに活動する新進作家、プロフェッショナル・デザイナーらのスタジオ、ワークショップ、展覧会や、近辺のストア、レストランなど計60店が参加しました。
3年前のウイリアムスバーグの興奮した賑わいに比べると、だいぶ落ち着いて、確立された感のある若者が集まる賑わう街になったように感じました。お店やギャラリーが増え、老舗になりつつあるお店もあるなど、発展振りをうかがうことができました。
私は日曜日に出かけたのですが、広範囲のイベントのため、今年の見所はどこなのかアドバイスをもらいに、「FIRSTOP」の企画をしたプロダクト・デザイナーの Klaus Resbury(SONIC Design Studio)を訪ねました。
SONIC Design Studioでは、テクノ系IDのデザインからリサイクルの作品まで、エネルギッシュに仕事をこなしています。「Brooklyn New Style718」という本が出版されたことを彼から聞き、彼らが掲載されているページを見せてもらいました。とてもきれいに編集されたデザイン本で、「手に入れたい」と思う程でした。
Buckminster Fuller Instutute ほか
同じビル内で、球体で有名なBuckminster Fuller Instututeの非営利財団が参加していました。Museumショップなどに卸しているグッズなども展示販売していて、とても身近な感じがしました。
地図を頼りに歩き始め、途中、NY Timesとメトロポリタン・ホームの知人の記者2人に遭遇しました。2人は「The Future Perfect」へ寄ってきた所との事。 今最も話題のストアーに寄り、新人のブルックリン・デザイナーの商品群を見ると、なかなかおもしろいものを揃えており、一方、3年前に参加していたデザイナーは新しい方向性の作品を発表して元気でした。
「Citizen-Citizen」のフレッシュなデザイン
彫刻家 Mr.Marc J.M.van den Broek氏の迫力あるスペース「A.TE.M.Inc」では、第1回目に訪れた時と同じく、不思議な空間を感じました。イベントやブースのデザイン、プロデュースとマルチタレントの彼の性格がにじみ出ているような空間です。
今年初めてロンドンからウイリアムスバーグに移り住んだ2人のデザイナーのスタジオ・ショールーム「Citizen-Citizen」は、まるで写真スタジオか雑誌からそのまま抜け出たような真っ白い空間に、彼等のシンプルなデザイン・グッズが置かれていて、久しぶりにみる新鮮なフレッシュさを感じました。
One Sixty Glass、Lwindesign ほか
個人の陶芸作家 Kris B. Ceramicsがアパートの半地下にオープンしていたスタジオ・ショップもなかなか迫力ある作品群でした。 次の行き先探しのため地図を見ると、すぐ近くに「One Sixty Glass」のガラス工房があったので、ちょうど寒くなってきたこともあって見学しました。いつ見てもひと吹きガラスの制作には、つい見入ってしまいます。
少し離れたところのロフトビルに、英国から参加しているデザイナー、Julian Lwinの手づくりスタジオ「Lwindesign」があり、こちらも見学。日本の雑誌に取り上げられたり名が出てきているようです(少し、倉俣史郎氏を追っている感じがしましたが)
全生活を作品と共にするロフト
最後にロフトの原型的な広いスペースに作業場、住まい、ギャラリーまでをもっている「monofacture」のEthanAmesの所を訪ね、丁寧な木の仕事ぶりを見学しました。彼らは全生活を作品と共にしており、作品と遊ぶ幼い息子との会話などを見ていると、とてもなごやかな気分になりました。
全てを見て周ることはできませんでしたが、現代アートの破壊的、スキャンダル的作品傾向に比べ、デザインや工芸は大変健康的で若いエネルギーもすばらしいと感じた第3回Firstopでした。
※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影