2010年11月9日から2011年2月6日まで、フランスを代表するデザイナー パトリック・ジュアンの展覧会「デザインとジェスチャー」が、MAD (Museum of Arts and Design)館内の「The MAD Projects Gallery」で開催中です。このギャラリーでは、デザインに関する世界の動向や技術革新の新たな探求を目的に、話題のデザイナーやトレンドを紹介しています。
パトリックによって考え出されたオブジェクト・デザインとジェスチャーの関係を探るべく、展示にマルチメディアを導入しています。会場には、ベルギーの映画監督ジェローム・デジェルラシュ氏によるパノラマムービーが設置され、不思議な空間を演出しています。
MADのロビーには、パトリックがイタリアの照明会社Leucosと共に制作した光のオブジェがありました。このオブジェは今回の展覧会のための新作です。パトリック・ジュアンは1967年フランス生まれ。1992年にエコール国立高等インダストリアルアトリエを卒業。翌年、トムソンマルチメディアに参加。1995年よりフィリップスタルクがアートディレクターを務めていたグループTim Thomに務め、1999年に独立。自身のプロダクトデザインとインテリアデザインスタジオを設立しました。その後、数多くのデザイン賞を受賞し、重要な公共プロジェクトを手掛けています。2010年春には、パリ・ポンピドーセンターで個展が開催されました。今回のMADの展覧会はパトリックにとって、「アメリカ美術館デビュー展」になります。
 

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 パトリックは1999年に自身のスタジオを設立して以来、カトラリーデザイン、スパニングツリーのプロジェクト、Puiforcatセルフクリーニング洗面所、パリのストリートファニチャーなど、様々なプロジェクトに多彩な才能でチャレンジしてきました。また、「2005ソリッドポリウレタン樹脂チェアシリーズ」に代表される技術的な妙技から“達人”と呼ばれています。

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 パトリックといえば、エレガント且つクリアなデザインが特徴です。世界的料理人アラン・デュカスとコラボレーションしたALESSI Pasta Potパスタ調理ユニット、彼の建築パートナーSanjit Mankuが設計した私邸のシャンデリア、13,000枚もの磁器製の花びらで出来た照明器具などが良く知られています。

フランスを代表するデザイナーといえばパトリックですが、他国のメディアではあまり取り上げられていません。しかし、彼の才能を披露したこの展覧会がきっかけとなり、欧米でも話題になることでしょう。

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