特別編(3) ワールドトレードセンター跡地の提案・展覧会

特別リポート: 世界の建築家の考えた ワールドトレードセンター跡地の提案・展覧会 (2002/2/20)   ワールドトレードセンター跡地の提案の展覧会が、チェルシーの22丁目、建築専門のギャラリーで有名なMax Protetchで、1月17日から2月16日まで行われています。120人に24”×36”のサイズで、費用は作家持ちで依頼。集まった60近い作品の50点が展示されています。 今までMax Protetchが関わった早々たる建築家が、とても短い期間ではありましたが、様々なコンセプトを提案しています。 建築家には、Michael Graves、Zaha Hadid、Steven Holl、Samuel Mockbee、SITE(James Wines)、坂茂、Tod Williams Billie Tsien、Michael Sorkin、他コンピューターを駆使した3Dから、ラフ・スケッチ、模型とまちまちです。 “結局サイズは無視された”とMr.Max Protetchは言ってはいたものの、ギャラリーいっぱいの多数の作品が集まりました。   各 建 築 家 の 作 品 (作品の写真は Max Protetch 提供) Marwan Al-Sayed Aleander Gorlin Hari Rashid Paul Myoda, and Richard Max Protetch ギャラリー展示風景 Max Protetch ギャラリー展示風景 Max Protetch ギャラリー展示風景 Max Protetch ギャラリー展示風景 Carlos Brillembourg Kaufman 坂茂 右手Zaha Hadid作品 模型Allied Works Architecture 模型Allied Works Architecture 模型Allied Works Architecture 模型Alexander Gorlin Architects

第33回 冬のNYインターナショナル・ギフト・フェアー

第33回: 冬のNYインターナショナル・ギフト・フェアー (2002/2/13) 慣例のニューヨーク・インターナショナル・ギフト・フェアーが、今年は1月19日か ら1月24日まで行われました。初日に雪が少し積もり、道路事情が悪かったので すが、それでも今年はとても暖かなNYの冬で助かりました。9月11日の影響から、セキュリティーの問題など厳しくなり、出品 側もいろいろな規制が出て、出品しにくくなった上、やはり遠くからの顧客が減って、ショーは大きく打撃を受けてしまいました。 それでも主催者側は今年もAccent On Design賞を授与しました。 ベストブース賞は、商品のプレゼンテーションを含めて真っ赤に塗ったカナダのHothouseのブースと、もう一つ、ちょっとわからないのですが、ワイヤーメッシュのプロダクトと環境を考えた商品作りと展示、そしてカリフォルニア・サン・ディエゴのAfton Groveのブースに与えました。ベスト・プロダクトに選ばれたのは、木で出来たロンドンのOliver Hemming社の”Spice Boy” という名のPeppermillと、フェニックス・アリゾナの Off Center社の “Max”暖房器Space heater、それとHonorable MentionsとしてUmbra社 のメラミンのテーブル・トップでした。 Overall Excellenceとして、サンフランシスコのWingard には全体のプレゼンテーションの良さが 評価された賞が、NYのBabette Holland Designは優れたクラフトマンシップの新製品が評価された賞 Innovative Process and Excellence in Craftsmanshipが与えられました。         Best Boothに選ばれたCanadaのHothouse   Best Boothに選ばれたCanadaのHothouse Best Boothに選ばれた カリフォフニア・サンディエゴの Afton Grove社 同左、 ワイヤーメッシュのプロダクトと 環境を考えた商品作りの姿勢に Best Productに選ばれた ロンドンOliver Hemming 社の “Spice Bpy” Best Productに選ばれた フェニックス・アリゾナOff Center社の “Max” Honorable mentionプロダクトに Umbraのメラミンテーブルトップ サンフランシスコのWingard サンフランシスコのWingard は 全体のプレゼンテーションの良さが 評価されてOverall

第32回 Felissimo

第32回: NYのデザインハウスを目指すFelissimo (2002/1/16) Felissimoビル 日本でカタログ販売で成功したFelissimoが、1992年、最初にNYの5番街を少し56丁目に入ったところにビルを購入しました。そのころインテリア・デザイナーで大活躍のClodh(クロダ)を起用して、建物のリニューアル・デザインを依頼しました。 当時、彼女に云わせると、彼女のノウハウで、自分の城を宣伝するように、あらゆるNYのパブリシティーに宣伝したと言っていました。 建設中の現場も時々見せてもらいましたが、彼女のまわりのNYのトップ・デザイナー達が家具から小物までかかわっていて、大変ユニークなデザイン・ハウスとして話題を呼んだオープニングでした。 入口から内部を見る 1階奥の部屋 2階展示会場 メゾニー(中2階)から 2階の展示を見る 3階展示会場左側 3階展示会場右側 3階展示会場奥を見る 4階展示会場奥から見る 3階展示会場左側 5階展示会場右手展示入賞作品 4階展示会場右手展示入賞作品 4階展示会場佐合ひとみ作品     Felissimoは最初から、的を得たNYのリーダーをブレーンに入れて、はじめたのがあたったと思いますが、人が変わるとポリシーが変わるのと、日本とNYとの重心をどこに置くかとか、デザインとアートを一緒にしているところが、良いところでもあり、難しいところでもあると思います。だんだん増えるアグレッシブな意見やブレーンのアイディアに左右される事なく、ユニークな姿勢を保持して、ますますNYの名所になって欲しいものです。 この12月なじみになった買い物客がXマスの買い物に来て、展覧会だけになって、小さくなったshop部門にとまどっていました。書入れ時に沢山のお客さんが、買えないと帰っていきましたが、余裕のビジネスなのでしょうか。 Felissimoビル   11月迄の1階入口付近の作品展示 1階入口付近の作品展示 ─ 川崎和男車いす 1階入口付近の作品展示 1階入口付近の作品展示  

第31回 The MoMA Design Store

第31回: The MoMA Design Store (2001/12/12) MoMA Retailのクリエイティブ・ディレクター Ms. Bonnie Mackay 今回の看板商品 フィリップ・スタルクデザインの腕時計   ニューヨーク近代美術館(MoMA)のMuseumショップ Down Townが、Sohoにオープンしました。WTC事件の前後だったので、特別の大きな催しは開かなかったのですが、ここにきて、11月13日にフィリップ・スタルクをゲストに、そして12月4日はカリム・ラシッドのBook サイン会を兼ねて、Partyをしました。 53丁目のUp Townと違い、このショップはSohoとNOLITA(North Little Italy)の間で、若い人、デジタル系の人達が多く、MoMAブランドでも、これからの若い人向きのDesign Storeとして、インテリアは透明感のある明るいストアーです。53丁目のStoreも手がけている1100 Architectの設計ですが、地下には家具もゆっくりと見られる広いスペースで、新しいMoMA Design Storeの姿勢をうちだしいます。 地下ストアー 1階のストアーでのパーティー風景 1階のストアーでのパーティー風景 1階のストアーでのパーティー風景 1階のストアーでのパーティー風景Photo by 松尾任人 1階のストアーでのパーティー風景Photo by 松尾任人 地下ストアー風景 地下ストアー風景 地下ストアー風景   この81Spring Street は、Sohoのメイン・ストリートからちょっと入ったところで、Broadwayから一本入ったCrosby Streetの角にあります。このクロスビー・ストリートに、今、新しいデザイン系のお店が移りつつあり、Greene Streetにあった、ファイン・ジュエリー・デザイナーのTed Muehling のストアーもCrisbyとHoward Streetのつきあたりにあります。 Down Townの暗くなりがちな今日この頃の空気に、MoMAのSoho出店で,活気を提供してくれる事が期待されます。 後ろに飾ってある商品(Benza)のデザイナー Bridget Means(左端)と Giovanni Pellone(右端) 入ってすぐ左手の所も Xmasデコレーション 1階と地下ストアーを見る 地下のファニチャーショーケース 地下の Book Store エリア 地下のファニチャー・コーナーの 地下のファニチャーショーケース Xmas飾りになったMoMA ストアーウィンドー サインをするカリム・ラシッド カリム・ラシッドの出版本とサイン会の知らせ 地下から1階を見る

第30回 (1)Tokyo Designer Block, Designer WeekとNYのDesigner week イタリア編 (2)イサム・ノグチ庭園美術館

第30回: Tokyo Designers Block, Designer’s WeekとNYのDesigner week イタリア編 (2001/11/14) Zero First 外からの全景 Miguelの飛騨高山、日進のユニット式棚 ウィンドーに飾られたMiguel Calvoの作品とクレジット Miguelのデザイン、飛騨高山の日進製花器で取りはずしの出来る丸いトレイ 代官山のZero Firstにおいて、NYデザイン2001展と、その中の1人、Miguel Calvo(ミグル・カルボ)の展覧会が開催されました。この展覧会は、Miguel Calvoが2ヶ月間岐阜で、飛騨高山の家具や美濃和紙のランプ、土岐の陶器など、地元との共同作業でできた作品群が中心です。岐阜県と飛騨高山をプロデュースする佐戸川氏/Zero Firstの協力で実現しました。NYデザイン2001展は、この夏岐阜で開催した展覧会を東京でも見てもらうため、開催されました。 Miguel Calvoの岐阜制作は、NYからのアーティスト・レジデンス岐阜プロジェクトの一環で、彼で2人目になります。NYからの作家は、1人目がGaston(ガストン)で、彼は5月から6月にかけて岐阜に住み、‘林工芸’との共同作品で、たくさんのランプができています。Miguelは今回、7月、8月と岐阜に住み、椅子・トレイ・花器・ランプ・カップなどのサンプルを短い間に産地と県の協力で発表しました。特に飛騨高山の‘日進’が、家具をサンプル制作まで仕上げ、このTDBでの発表になりました。 一方、New Yorkでは毎年9月末から10月にかけて行われる従来のデザイナーサタデイが、9月11日の惨事の為に延期になり、全体としての大がかりな催しは今年はやらないことになりましたが、11月5日をUptown、11月7日がDowntownと分けて、イタリー系のショールーム8軒ずつが6時から9時までパーティーとともに新商品発表の会を開催しました。 それぞれショールームの入口で、カードにスタンプを捺してくれます。3軒以上のショールームをまわってスタンプを集めて、そこの抽選箱に入れると、ミラノ・サローネご招待が当たるというおまけつきでした。 あくまでもビジネス目的の催しで、有名ブランドの家具ショールームが、広いスペースで商品の家具を展示しているので、日本の若い学生やデザイナー達の盛り上がりとは大分ちがいます。 日本のTDW・TDBのノリは5月のNY ICFFのオフ・サイト以上の盛況で、それぞれのエネルギーの使い様に感心してしまいました。家具もまるでトレンディーなファッション関係のイベントのようで、出展者もビジターもビジネスを全然考えていない様子だったことにも感心しました。   Tokyo Designers Block・Designer’s Weekにて Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero Firstの外まであふれるパーティーの参加者 Zero Firstの外まであふれるパーティーの参加者 Zero Firstの外まであふれるパーティーの参加者 ミゲル・カルボ Miguel Calvo Miguelのデザイン、飛騨高山の日進製の積み重ね式トレイ Miguelのデザイン飛騨高山の日進製椅子 Miguel Calvoの作品 Miguel Calvoの作品   NYのDesigner weekにて Palazzetti ショールームUp townの A & Dビルディング内(58丁目Lex & 3rd) Terzani at Lee’s

第29回 「DIFFA」のParty 「ACM(American Craft Museum)」のギャラパーティー

第29回:「DIFFA」のParty (2001/10/10) Conran Shop NYC 9月11日の大惨事以降あらゆる催しがキャンセルになりました。2週間後の9月25日、デザイン業界では最初のパーティーが開かれました。59丁目の橋の下を利用して開発されたBridgemarketに一昨年オ-プンしたコンランショップは、アッパーイーストサイドの新しい名所です。ELLE DECO誌、シャンペンのTAITTINGER等の協賛で、コンランショップの売り上げから、AIDSの為の非営利団体DIFAに寄付をするというパーティーでした。皆、事件の話題でもちきりでしたが、1・2階のコンランショップ全体をパーティ会場に買い物をしながら、久しぶりに皆で集まる楽しいひとときをもてたようでした。 Conran Shop NYC Conran Shop NYC 1階のキャッシャー 橋の下を利用して出来た 1階会場の様子 1階会場の様子 1階会場の様子 1階会場の様子 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景   「ACM(American Craft Museum)」のギャラパーティー 2001年ACMアワード受賞式風景 2001年ACMアワード受賞式風景 ACM(American Craft Museum)の2001年VISIONARIES(工芸に貢献した人を表彰するギャラパーティー <基金募集パーティー>)は、10月2日に行われました。 しかし、時期が時期だけに、HOTELでの開催をとりやめ、MUSEUMで行われました。今回、その一部をNew York Timesを通し、9月11日募金に寄付することとなりました。 この機転の企画を取り入れた結果、New York Timesの取材、NY州知事夫人 Libby Patakiのスピーチも行われることとなり、思わぬ盛大な会になりました。   パーティーは、皆の黙とうではじまりました。 そして、それぞれの事件とに関わる話しなどがあり、それぞれ重鎮な方達なので、毎日御葬式に出席しているとの事でした。 NY州知事夫人Libby Patakiも「知事もほんの時間を作っては、家で食事をして、又任務をこなしています。ですから、少しでも時間を合わせて、主婦をしなければと思います。 皆様との時間を過ごしたいのですが、このスピーチの後直ぐ帰る事をお許し下さい。」と結んでいました。   NY州知事夫人 Libby Pataki NYTIMESの方からの9.11基金の説明と、今回のお礼の言葉から式典がはじまりました 右・ACMのチーフ・キューレーターDavid McFadden 中央・ACMのアシスタント・キューレーターSusan Barry 右・ACMディレクターHolly Hotchner 右・今回のACMの展覧会のキューレーターPaul Smith   左・Bertil Vallien 右・William MorrisとPaul Smith

第27回 Mies Van der Roheの大回顧展

第27回: Mies Van der Roheの大回顧展 (2001/8/8) 写真:3点ともミース・ファン・デル・ローエ氏 ポートレート ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies Van der Rohe)の名は、デザインを学ぶものが、最初に耳にするアメリカのデザイナーの名前です。 彼は、20世紀の洗練されたガラスとスチールのアーキテクチャーのリーダーとして、最も影響力を持った事で知られています。すでに60年代、現在言われている、自然との解け合い、素材と近代建築との関わり合いをテーマに、シンプルかつ、ミニマムなスペースを創りあげました。 今回、ミース・ファン・デル・ローエ氏の、あまり知られることのなかったアメリカ以前の初期のベルリン(Berlin)での仕事を中心とした「ベルリンでのミース・ファン・デル・ローエ(Mies in Berlin)展」が6月21日から9月11 日までの期間、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催されます。 また、ウィットニー美術館(WHITNEY MUSEUM)では、アメリカでの仕事を中心にとした「アメリカでのミース・ファン・デル・ローエ(Mies in America)展」が6月21日から9月23日まで、ニューヨーク近代美術館とともに同時開催され、話題となっています。   ニューヨーク近代美術館では、ミース・ファン・デル・ローエ氏がベルリンに到着した1905年から1913年までの建築家としての仕事のほか、文化的な風景をもつヨーロッパ(Europe)とベルリンにおける1886年から1969年までの初期の仕事に焦点を合わせた、氏の建築の仕事のすべてが展示されています。 288のオリジナルの描画、15のモデル、ヨーロッパでの47のプロジェクト、そしてビデオとデジタルのディスプレイを含めた展示により、アバンギャルドなプロジェクトと並んで建築家である彼の伝統的なプロジェクトを見せています。 この展示会でのドローイングの大部分は世界中からコレクションされたもので、ニューヨーク近代美術館においてアーカイブされているものですが、最近再発見されたコンペに提案した「5×8フィート」フルのカラーのパース、「オットー(Otto)・フォン・ビスマルク(Bismarck)、ドイツの統一の「父」への記念碑」は1910年から一度も主要な展示会で見られたことがない作品です。   「ベルリンでのミース・ファン・デル・ローエ展」の入口(MoMA) 代表的なMies氏の椅子「バルセロナチェア」 銀行とオフィス・ビル・プロジェクト1928 モデル 制作:Richard Stuegeon & Derek Conde. 2001 Bismarck Monument Bingen-am-Rhein 1910 Eslers House and Hermann Lange House 1927-30 モデル 制作:Environ Architectual Modelbuildeas Inc. Concrete Country House Project 1923   Geaman Pavilion Barcelona International Exposition 1929 モデル 制作:Environ Architectual Modelbuildeas Inc. 2001 Thomas Ruff hIk01 2000 Hermann Lange House

第26回「NY デザイン2001 in GIFU」展 &「ストアーフロント・ギャラリー」のパーティー

第26回:  (1)「NY デザイン2001 in GIFU」展 (2001/7/18)   JR岐阜駅アクティブGの1周年記念をかね、ニューヨークで、今最も注目を浴びているデザイナー8名のライフ・スタイル・グッズを展示する「NYデザイン2001」展が3階のショールーム・ギャラリーで始まりました。岐阜県文化振興事業団主催、NYのIDNF協賛、SoHoのGallery 91のプロデュースで、7月5日から9月4日まで行われます。 *アクティブG http://www.active-g.com     展示風景 展示風景 展示風景 ピエール・ブーゲネックの作品 ビニールのエアークッション ピエール・ブーゲネックの作品 アクリルの花器 マレ・モエレルの作品 陶器で作った独特の形   マレ・モエレルの作品 マーク・ナデンの作品 ワイヤーのフルーツ・トレイ 出品者は、ヨーロッパとNYで話題を巻いた「G7」のグループを主催した、ピエール・ブーゲネック。彼はNY・TOTEMを立ち上げた一人でもあります。仲間のマレ・モエレルそして、今年からG7の名前を変更して、ICFFのオフサイトで「Hall 01」としてグループに参加したTODAスタジオ(The Office of Design and Architecture)は、OXOのデザインなどを手掛けています。主宰者のマーク・ナデンは、OXOの新作ケトルと秋から発売予定のワイヤーのフルーツ・トレイを出品。ピエール・ブーゲネック/Boum Designはビニールのエアークッションや、アクリルの花器などのポップな作品、マレ・モエレルは陶器で作った独特の形で印象づけている照明器具やタイル等を出品しています。今年話題になっているファブリックを使ったWooスタジオのダン・カーのランプや、素材を活かした新しい発想で、ファニチャーを作り、各種の雑誌に取り上げられているアンドリア・バレンティニ。そして、アイリナ・ダヴィッドヴィッチは日本の陶器の作家には無かった、ダイナミックなウェーブの花器等を出品し、魅了しています。   ダン・カーのランプ マーク・ナデンの新作 OXOのケトル アンドリア・バレンティニの作品 アンドリア・バレンティニの作品   ピエール・ブーゲネック(Pierre Bouguennec /Boum Design)の作品   ダン・カー(Don Carr/Woo)の作品   ミゲル・カルボ(Miguel Calvo)の作品   アイリナ・ダヴィッドヴィッチ(Irina Davidovich)の作品   TOマーク・ナデン(Mark Naden/TODA)の作品     ジェリー・コット(Jerry Kott)の作品   マレ・モエレル(Maree Moere)の作品   アンドリア・ヴァレンティニ(Andrea Valentini)の作品     (2)「ストアーフロント・ギャラリー」のSummer

第25回(1)Ecco DesignのEric Chan(2)国際現代家具展(ICFF)とOFF Siteパーティー

第25回:  (1) Ecco DesignのEric Chan (2001/6/13)   エリック・チャンは78年に香港より渡米しました。 89年にミシガンのクランブルク・アカデミー・オブ・アート、デザイン修士課程を修了後、ヘンリー・ドレフュイスや、エミリオ・アンバース等の事務所を経て、89年に独立し、工業デザイン・アンド・プロダクト・デベロプメント(ECCO Design)を設立しました。 彼のデザイン・コンセプトは「より人間的なデザイン」です。それを実現するために、テクノロジーを駆使して、製品をつくりあげています。 日々テクノロジーが進化し続ける中、複雑なテクノロジーをシンプルで使い易い形に表現し、テクノロジーと人間、自然、社会との調和をもたらすことがデザイナーの仕事だと、彼は言います。こんな時代だからこそコストや技術の制約に捕らわれず、その意味や感覚の探究がデザインの役割になりつつある。ここに業界の人々から、彼がイノベーターと呼ばれているゆえんがあるのではないかと思います。 物静かで、おだやかな彼の視野は広く、デザインに留まることなく、経済、政治、地球環境、芸術文化哲学に及びます。こうした彼の意識の高さが、デザインにも表れています。 デザインを考える上で、彼はまず、簡単なスケッチをします。それは、非常に抽象的で感覚的なもので、その段階ではコンピューターは使いません。人間としてのコンセプト、感覚を大切にしている彼ならではの表現のスケッチです。そして手作りのモデルをつくり、徐々ににその抽象的なコンセプトをテクノロジーとコラボレートさせてゆくのです。こうして注意深く作られた製品は、世界中で愛されていますが、彼はこうも言っています。 「私はたくさんの消耗品を作っているが、段々その価値が低くなっているような気がする。これから先は、資源を使って意味のない商品を作る必要が無くなってくると思う。資源はどんどん無くなる。最後に人の中に残るのは、経験と記憶。だから私は経験を作るのに興味をもっています。」彼の作ったものを経験してみたいと思わずにはいられなくなるのです。 ◊  →↓ ECCO Designのオフィス ECCO Designのオフィス   パーテーション (ハ-マン・ミラ-社)  パーテーション (ハ-マン・ミラ-社)  ニューヨークにある彼の事務所は、彼のコンセプト通り機能的でシンプルです。しかも使い手のニーズが熟慮されていて、訪問者が必ず感激してしまうデザイン・オフィスです。 個人個人のデスクは、紗のようなニューメタルで作られたパーテーション(ハ-マン・ミラ-社の為にデザインされたもの)で区切られていていますが、空間全体の一体感を失うことはなく、圧迫感も感じさせません。しかも各自のプライバシーは働く場として適度に保たれています。また、必要に応じて簡単に移動させることができます。   デスクは、有機的な造形で角張った角はなく、どの方向からも人が集う事ができます。個人で使う時には中央のくぼみにスッキリと体が納まります。また、電気製品などのコードを中央の穴に入れてしまえば、机の上がコードだらけになる心配もありません。また、そこに卓上のパーテーションを取り付けることが可能です。もう一つのデスクはスライド式のサイドテーブル付きです。そして何より、愛らしいのがその足の形です。(すべてEcoo Designによるハ-マン・ミラ-社の新製品事務用具) Ecoo Designによるハ-マン・ミラ-社のデスク   卓上のパーテーションを取り付けたデスク スライド式のサイドテーブル付きデスク 廊下におかれた長椅子 廊下におかれた長椅子 背もたれを付けた長椅子 長椅子 廊下には、快適な座り心地を考慮して、座面が微妙なカーブになっている長椅子が置いてあります。アートピースにも思えるこの長椅子にはオプションで背もたれを取り付けることができます。 彼がデザインしたプロダクトのショーケース棚 電話機など 普段彼が会議室として使っている部屋には、これまで彼がデザインしたプロダクトのショーケース棚があり、電話から文房具まであらゆるものが並んでいます。これらはどの作品も彼のコンセプト通り、人とデザインの関わりを大切にしています。 一世を風靡した、あのユニークな形をした電話は、女性と男性の体の曲線をモチーフにしているそうです。 文房具類では、ステンレスのビジネス・カード・ホルダー、ブックマーク/ルーペ、ものさし、ペーパーナイフのシリーズが最近商品化されました。これらは、使い易さとシンプルなデザインが好評で、世界中から注目を浴びています。また、日常的に何気なく使っているステープラーは、縦にも立てることができて、彼のこうした気の利いたプロダクトに、「人に優しいデザイン」というコンセプトが一貫して感じられます。 電話 SOFT EDGE – RULER ビジネス・カード・ホルダー ステープラー   「折り紙建築展」展示風景 最新のプロジェクトでは、MoMAの向かいにあるアメリカン・クラフト美術館で行なわれている、「折り紙建築展」の展示デザインを手がけています。 私が、この展覧会のゲスト・キューレーターを依頼された時から、重厚な美術館に、小さな紙の軽い作品をすっきりと見せてくれるデザインをしてくれるのは、彼ではと思い美術館にお願いして、協力して頂きました。彼は会場構成を全て紙で統一しようと、新素材の様々な紙をリサーチしました。しっかりとして、フレキシブルなコルゲ-ト紙を探すために、私自身もインターネットで、世界中を探しました。結局最初に彼が手に入れたサンプルのモノと同じ素材をドイツから取り寄せました。 ダイナミックで立体的な流れを、彼特有の曲線で会場全体に表現する事で、我々の案は決まったのですが、古いしきたりの美術館の説得や設置に、大変骨を折る事になりました。それでも、エリックの空中展示の折り紙建築展は、大変な反響を呼んで、企画展では今迄にない美術館来館者の記録を作りました。こうした彼の多方面での活躍はNYのプロダクト・デザイナーの先輩スターとして、ますます、若者達のあこがれを集めています。 「折り紙建築展」開催の詳しい情報はこちら     (2) ICFFとOFF Siteパーティー オランダのブース デザイン・スクールのブース 2001年のICFF(International Contemporary Furniture Fair)

第24回 「NAMBE」50周年の記念展とパーティー

第24回: トライベッカで行われた「NAMBE」50周年の記念展とパーティー (2001/5/16) 最近デザイナーブランドを打ち出して話題になりつつあるNAMBEが、21世紀に向けて、よりデザイン志向を全面に出して、50周年記念、新作発表パーティーを4月30日、トライベッカ(TRIBECA)で行いました。SoHoから少し下がったこのトライベッカ(Triangle Bellow Canal Street)のひと味違ったすっきりとした会場に、著名デザイナー達が続々と集まり、いわゆる企業のパーティーとは違った、なかなかよい雰囲気のパーティーでした。 NAMBE社は、1951年にニューメキシコ (New Mexico) で、非常に美しく丈夫な金属合金を発見したのをきっかけに、ごく小さい鋳物工場として始まりました。 何年か前、私が最初にこの会社の名前を聞いたとき、日本の南部鉄が出てきたのかと、思ったのですが、NAMBE社が新しく発見したこの金属合金には、鉛やピューター、銀も含まれていません。しかし、銀の光沢と鉄の耐久性を持っています。 作り方は伝統的と言うべきか、新しいやり方と言うべきなのか難しいところですが、まず手で形を作り、そして15人の職人によって磨かれて作られます。この経験豊かな職人達の作業が、それぞれのプロダクトの品質を、そのデザインと同じぐらいに完璧であることを保証しています。と宣伝していて、今迄のアメリカのプロダクトとは違った姿勢が興味深い会社です。デザイナー達が盛んにこの会社を注目し始めたと同時に、消費者を広げつつある注目の会社です。そして現在サンタフェ (Santa Fe) とニューヨーク(New York) にオフィスを持ち、国際的に販売する会社に成長しています。 Nambe 50周年デザイン展示パーティー会場風景(トライベッカ=ソーホーの下) NambeのNew MexicoでとれるAlloyメタルの素材で始めた50年前の製品     今回の発表された新作の1つは、各デザイナーによる高質なクリスタルガラスの新しいライン。これには今迄もイバ・ゼイセル(Eva Zeisel)などの著名デザイナーが関わっています。   Eva Zeiselの作品 Eva Zeiselの作品 Eva Zeiselの作品 Eva Zeiselの作品   Fred Bould Fred Bouldの New Iceコレクション 2番目は、今回初めてIce Collectionと銘うって5月から売り出される、フレッド・ボールド(Fred Bould)デザインの新しいフィニッシュに微妙なつやの手触りを持っている製品です。NUMBEの金属合金は常に鏡仕上げのポリッシュがトレードマークでしたが、このアイス・コレクションはNUMBE初のつや消しで、新しい方行の面白い6つのデザインを打ち出しています。 フレッド ・ボールドは、動き、流れと振動を提案し、光と影と水の間の動きに魅惑され、非常に冷たくて、そして正確と、このアイス・コレクションの デザインを打ち出しました。 彼はピッツバーグ(Pittsburgh)で、生まれ育ち、カーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University)で BFA を取りました。 彼はスタンフォード大学(Stanford University)から、プロダクトデザインのマスター学位を受け、その後ロンドン(London)でデザイナーとして働きました。 現在Bould デザインスタジオはパロアルト(Palo Alto)、カリフォルニア(California)に本拠地を置いていて、 彼はスタンフォード大学 (Stanford)とカリフォルニア大学(CCAC)で教鞭をとっています。 彼の作品は SFMOMA とシカゴ Athenaeum(The Chicago Athenaeum)の永久のコレクションになっています。   Neil Cohen Neil