第97回  アーキテクチュラル・ダイジェスト・ホームデザインショー

今回で第6回目となる、アーキテクチュラル・ダイジェスト・ホームデザインショーが、2007年3月8日~11日の4日間、55ストリートと12アベニューに位置するニューヨーク市のPier94で行われました。主催はMart Properties Inc.(MMPI)と、アーキテクチュラル・ダイジェストで、共催はニューヨークタイムズです。11,000SQFeetの展示スペースに300社が出展発表し、見識の高い住宅のデザインを見ることができました。最新情報を得ようとする来場者の為に、セミナーを開催したり、無料で予約制のインテリア・コンサルタントに相談できる場があるなど、教育的プログラムも組み入れています。 このショーの出展者は、Home Designのカテゴリーでは、家具、骨董、テーブル・アクセサリー、キッチン、バス・プロダクト(風呂)、床、壁材、照明、その他の素材で、2007年の出展者の中にはRoche Bobois、Clive Christian、William Haines、Eva Zeisel等が含まれています。 900の列に、今年初めて森本さん(NORI MORIMOTO)が出展していました。10年以上前、Gallery91で個展をしており、イサム・ノグチやジョージ・ナカシマのアシスタントもしていた方です。アートの方向に進むか悩んでいた時期もありましたが、今回の的を射た素晴らしいブースの成功に今後がますます期待されます。 今年の傾向は「Green」プロダクト・エコーフレンドリーマテリアルのハイデザインが注目を集めていたのと、最新台所用品、キッチン・テクノロジーを英国、フランス、イタリーの国際的なマニファクチャーが人気でした。 今回のショーで掲げているのは、「デザインコンサルテーション(これはフロワープランを持参して20分くらいのフリーでQAをするというものです。)」 *STUDIO 94 IDSA「アメリカ工業デザイン協会」がスポンサーをして若手デザイナーをサポート・ショーケースで新しいプロダクトデザインを見せるコーナー。 *Furnuture New York NYに住みNYで仕事をしている作家を一区間まとめて見せていました。 *教育プログラム NYタイムス・スポンサーの会場でデザイナーセミナーシリーズのプログラムが毎日組まれていました。 他出版ブースでは、新しい出版書のサイン会なども行われ、Eva Zeisel on Designの本には100歳の誕生日を迎えるデザイナー Eva Zeiselのサイン会も行われていました。ハイスタイル・キッチン用品の並ぶあたりでは有名セレブ・シェフによるクッキング・デモンストレーションも行われていました。一般生活者にも、購買力をそそるような、とても分かりやすいショーのように思えました。 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影

第95回 Accent on Design

Accent on Designの冬期のトレードショーが、1月28日から2月1日までジャビッツセンターで行われました。 今年はジャビッツセンターが一部改造中のため、ハンドメイドやキッズセクションなどの大幅な配置変えがあり、来場するバイヤーがいつもの買付け先を探すのに戸惑っている様子でした。また、新しい出展者のための離れのピアの展示場が一部縮小されると同時に、ミッドタウンのメトロポリタン・パビリオンが拡大され、ピアと違った評価が得られそうです。 今まで入場口の真正面に設置されていた2階建デッキがなくなり、突然、インパクトの強いアレッシー社の大きな垂幕が現れるところから展示が始まっていました。【 写真1~2 】 今年のGallery 91のブースでは、新しい照明器具がたくさん登場しました。ブースはいつもの白い壁からトーンを落したペイントをし、全体的にシックにまとめ、ライトアップしました。【 写真3~10 】 受賞ブースの数々 今冬のAccent Award賞が以下の通り決定しました。 <ベスト・ニュー・プロダクト・デザイン賞> ・KleinReidのJames KleinとDavid Reidのデザインによる、陶器とシルバーの組合せで創られた鍵シリーズのジュエリー【 写真11、12 】 ・Wunderwurks Designs。【 写真14 】 ハンドメイドで、その変わったホットグルーの素材の使用法の新しさ、美しさが、今回が初めての出展での受賞につながりました。実際触ってみると、シリコンのように柔らかく不思議な商品。 <オーバーオール・エクセレンス賞> ・Dwellのブース。【 写真15、16 】 総括的に優れている商品に与えられるこの賞は、Dwellの常に斬新なデザインを寝具コレクションに生み出し続け、特に、コンテンポラリーベビーベッドというカテゴリーの先駆者として認められました。 <ベスト・コレクション賞> Walteria Livingのブース。【 写真17 】 初出展で、食器コレクションやユーモラスな新しさのある商品群が好評で受賞しました。 癒し系の商品が人気 Josh Jakusは初出展。1枚のリサイクルのフェルトをジッパーで閉めていくと、立体のバッグや財布になるというシンプルで機能的なコレクションデザインでした。【 写真20 】 Accent Award賞には選ばれませんでしたが、私の目で見たところ、こちらの方がアワードに値するのではと思ったデザインのブースが幾つかありました。例えばIngo Maularから独立したデザイナー、Mark Mckennaによる、LEDランプ。プラモデルのようにパッケージされており、型から外して、組み合わせてランプを創るというもの。【 写真23 】 イギリスからやって来たsuck UKのブースは、ピストルを陶器でかたどった花瓶や、サッカーボールの果物ボウルなど、UKらしいエクセントリックなユーモアのある商品ばかり。【 写真24~25 】 年々のデザインものの景気の低迷が影響してか、今年のショーも全体的に、増々、癒し系の商品が人気のようで、今回目に付いたのは、犬(ドッグ)関連の商品が増えた事。犬用のアクセサリーまであり、盛り沢山で驚きました。また、ベビー用品も多く見かけました。今まで癒し系というと、とかく香りやセラピーグッズなど、間接的なものが主でしたが、子供やペット、などが与える癒し、を利用したものが増えたような気がしました。 これも癒し、に入るかと思われましたが、カリフォルニアから花の種を紙につけたギフトパッケージが、明るいギフト用品として華やかに陳列されていたのを、ミッドタウンのメトロポリタン・パビリオンで見つけました。 今年はパリのギフトショーと初日3日重なったとか、バイヤーはニューヨークに間に合わせて訪れ、疲れを見せていました。客足が少なかったのはそのせいもあったようです。 犬(ドッグ)関連の商品が盛り沢山 2月3日はNational Wear Red Day 2004年2月から米国心臓協会(American Heart Association)が中心になって展開されているプログラムのGo Red For Womenキャンペーンは、国立心肺血液研究所(National Heart Lung and Blood Institute)が展開するThe

第93回 Museum of Art & Designのギャラ・パーティーVisionarie

11月15日慣例のMAD Party 11月15日、Museum of Art & Design慣例のBenefit Gala Partyに出席しました。毎年デザイン関係貢献者をVisionarieとして授賞し、オークションをして基金集めをする大イベントです。今年は、ALFRED TAUBMAN氏、PAIGE RENSE氏、RON ARAD氏、そして、ハワイの日系人陶芸家のTOSHIKO TAKAEZU氏の4人でした。 今年も参加者が多く、Visionarie受賞者の人脈がすごかったのか、一晩のオークションで1.5ミリオン(約2億円)という記録を作ったそうです。ALFRED TAUBMAN氏は作家としてではなく、企業でアートに貢献したことが賞の対象になりました。 オークションで集まった金額が一晩で$1.5ミリオン(1億7千万円)でしたが、まずパーティー参加チケットが、個人$1000ドルテーブルが$1万ドルなどのチケットで、パーティーに集まった方達が550人だったそうです。 オークションも作品は$500ドル-$2万ドル位のものがどんどんつりあがっておとされましたが、形のない例えば 「MAD美術館での200人のNYの子供達への教育Pログラムへの支援』$2万5千ドルが1名、$1万ドルが5名、$5千ドルが3名$2500ドルが4名といった具合で手をあげて寄付をしていました。我々の小さなNPO団体では、パーティーをしてもお金を払えないデザイン学生を思って,安いパーティーばかりしていますが、基金不足にはギャラ・パーティーをすべきなのよと、よくプロのアメリカ人達にいわれていましたが、ほんとうにNYのアートサポーターの多いのと桁はずれには、びっくりしました。 今年の賞対象者は4名 ALFRED TAUBMAN氏は、米国一番の不動産開発者の1人で、地域のショッピングセンターの父とあおがれ、その後20年の間、サザビーズの会長を務め、小売と芸術競売産業に対する重要な革新を行ってきました。彼は主に芸術、健康管理と教育などの慈善事業に力をいれ、デトロイト美術館の主な後援者でもあり、ホイットニーアメリカ美術館の委員を勤め、ミシガン美術館大学の拡大事業の資金を供給したり、スミソニアン協会のアメリカアート・Archivesの創立メンバーでもあります。 この、彼の交友関係からか、オークションにはサザビーズの大物が参加して、あれよこれよと云う間に大変な高値で落とされるのには、目を見張るものがありました 国際的に有名な陶芸作家 TOSHIKO TAKAEZUさん PAIGE RENSE氏にはLifetime Achievement Awardが与えられ、30年以上に渡ってArchitectural Digest誌をここまでにした功績をたたえました。国際的な建築とインテリアデザイン産業に対する彼女の雑誌による影響は、他に類のない事と紹介されました。 RON ARAD氏にはVisionaryとして、現代のデザインの中心的な人物で、最も有力で革新的なデザイナー、そして独学の彫刻的な家具メーカーとデザイナーであり、彼の境界線のない芸術と建築とデザインの作品作りに賞があてられました。 TOSHIKO TAKAEZU氏にはArtist Lifetime Achievement Awardが与えられました。彼女は国際的に有名な陶芸作家で、自然界と、日本(東洋)とアメリカ(西洋)の技術と美学から、常にインスピレーションを引きだし作品つくりをしています。 これらの方々の交友関係の深さ、経済力もさることながら、MAD MUSEUMの工事がフル回転し始め、2008年オープンを目標に動いているのが、皆様のサポート精神に身が入ってきていると思われます。 2008年オープン MAD New Building 以前にレポートした時点では、2006年に改築終了予定だったMAD New Building。59丁目の2 Columbus Circleは、史跡の建造物による種々の問題で工事がすっかり遅れていましたが、昨年からやっと動き始めました。 このAllied Works Architectureの建築で改装工事中の建物の、現在の進行状態を見せてもらうチャンスがあり、ヘルメットをかぶっての見学をしました。最上階のセントラルパークを180度見渡せる展望レストランの場所は素晴らしく、今から楽しみです。2008年5月の完成を目標に着々と工事が進められています。 前回も述べましたが、せっかくこのような大きな文化事業で、クラフト・デザインのMUSEUMなので、出来上がるととたんに日本から、コンタクトが始まるのでしょうが、ぜひとも今、MUSEUMが希望している、基金集めなど協力して、良い関係を作っていけたらと願うばかりです。 * 問い合わせ:g91@gallery91.com 海老原迄。日本語可。 (関連リポートはこちら) ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影

第91回 サイエンス・テクノロジーのイベント「WIRED NextFest」

新しい形の万博「WIRED NextFest」 新しい形の万博、今世界を変えている革新的な製品とテクノロジーを見せるイベント「WIRED NextFest」が、9月28日から10月1日の期間、ジャビッツ・コンベンション・センターで開催されました。主催は米国の雑誌『WIRED』。 ニューヨークで開催されるのは今回が初めてで、かなり前から宣伝され話題になっていました。日本ではいろいろと見るチャンスがあるかも知れませんが、ニューヨークでこれだけ大掛かりな展示は初めてなので、来場者は、うわさのロボット等を目の前にし、触れたりして大喜びでした。 展示は世界中の科学者、研究者、大学など130以上にのぼります。作品はインタラクティブで下記項目に分類されていて、あらゆる年齢層を歓迎しているのが特徴です。 ・THE FUTURE OF ENTERTAINMENT 未来の娯楽 ・THE FUTURE OF DESIGN 未来のデザイン ・THE FUTURE OF COMMUNICATION 未来のコミュニケーション ・THE FUTURE OF EXPLORATION 未来の探査 ・THE FUTURE OF GREEN 未来の緑 ・THE FUTURE OF HEALTH 未来の健康 ・THE FUTURE OF PLAY 未来の楽しみ、ゲーム ・THE FUTURE OF SECURITY 未来の保安 ・THE FUTURE OF TRANSPORTATION 未来の輸送 ・ROBOT ROW ロボット列 ・GE IMAGINATION PAVILION GEの想像力パビリオン Education Day 開催初日の9月28日木曜日をEducation Dayと名付け、合計19,000人の子供達(年齢8~18歳)を無料で招待する教育プログラムが企画されました。コンフェランスも行われ、連日未来の科学者?で溢れていました。 学生達には、2020年までにどんな変化が我々の世界で起こると思うか、次の14年で何があるかを予測するよう宿題が与えられ、それらを考えながら、会場で見てまわります。先生方を指導し未来の科学者を育てようと、大変恵まれたプログラムが組まれています。会場は子供達で溢れ、ゲームや体験が出来るプロジェクトは、万博と同じ行列が出来ていました。コンピューターやゲームのショーとも違う未来のテクノロジーとサイエンス、夢のありそうなショーという感じで参加したのですが、なかなか基礎知識も必要でした。 Virgin Galacticのスペースシップは、Oneの方は展示されていましたが、Twoの製作が始まり、それに乗って宇宙行きの切符が売り出されました。価格は$200,000.(約2400万円)との事。宇宙旅行もほんとうに夢ではなくなったようです。 大変なスピードで開発されていく、いろいろな未来 展示のあらゆるスクリーンはタッチ可能。例えば、スクリーンにしぼんだスイカが映し出されていて、スクリーンにタッチしてのばすと元の大きなスイカの姿になったりしました。 人間の本物の皮膚に似た感覚のロボットは表情や動きも自然で、肌を触りたくなる位です。また、やさしい手触りのペットは、実際に、病院などに長く滞在している子供やお年寄りの癒しとして役立っているそうです。近い未来、パートナーやペットがロボットで充分になりそうな時代が来るような予感がしました。 Healthの方では、例えば、足の半分、手の半分、細かい神経なども最新の技術により継ぎ足すことが可能になり、ほとんど本物と見分けがつかなくなってきていて、それらが、かなり活躍しているようです。 Greenでは、屋上に設置された、モダンなデザインの風車のエネルギー源をもつ、未来志向のプレハブARCHOUSEがありました。これは、知人の建築家のMichael

第90回 NY恒例のAccent on Design

NY恒例のAccent on Design NY恒例のイベント、インターナショナル・ギフトショーAccent on Designが、8月13日~17日の期間、ジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターで開催されました。 ギフトショー全体としては、出展社数2,600、来場数43,000、Accent on Designを含めて10部門ありました。 今回は、「Design Day」と「エキジビター・ショースぺシャル」を打ち出しました。「エキジビター・ショースぺシャル」は、50社が指定された日時にバイヤーに向けて展示を行い、出品製品の10%から70%割引するというものです。 Accent賞授賞式 「Design Day」では、講演会が例年のごとく行われました。今回は「デザイン・トレンド」として陶芸家でセレブのJonathan Adlerや、Global Color Reserch のCinzia Blackが講演しました。ハイライトは、8月14日に行われたAccent賞の発表・授賞式でした。 今回も4社が受賞し、2月のAccent on Designの受賞者と一緒に、表彰式とパーティーが行なわれました。 今年は、Best Displayには塗装可能な壁の装飾デザインの輪を扱っているWallter社が、Best ProductにはドイツのスティールメーカーBlomus社から出た、エタノール液を使用し煙を出さないモダンデザインの暖炉がそれぞれ選ばれました。 また、New Product Awardには陶器作家の作品Folle.Salthoff & Highamが、Overrall ExcellenceにはJeanine Payernoのジュエリーのブースがそれぞれ選ばれました。 Alessi、EveryDay Studio、Gallery91のブース 今回の展示で私の目にとまったのは、Alessiのブースと新製品です。Alessiは9月13日からSOHOにもショップを構えるので、力が入っているように感じました。 他には、金沢にあるKIDIパーソンズのディレクターもしていた女性がパーソンズ・スクールと組んで出展したブースEveryDay Studioがありました。展示品はその時の生徒さんのものだそう。日本のデザイナー「シキサイ」のTシャツは、ユーモア-たっぷりの上、洗練されたデザインで、皆が話題にしていました。今回のGallery 91のブースも楽しいイメージですっきりまとめました。 Ar+Cookのブースと、ア―ティスト・レジデンス Accent 以外では、Table Wereに新しく出たブースのAr+Cookが気になりました。デザイナーが本気で作った苦労の賜物のようなのですが、デザイナーの名前が全く出ていない珍しい商品でした。同じ名前で本も出ていたと思います。デザイナーが使い捨てされた商品だとしたら、今後が注目です。 他には「Hand Made」の部門に何年か続けて出品しているAid to Artisans(ATA) NPO非営利団体がありました。現在はオフィスが、アフリカを中心に世界110カ国あります。アーティスト達を送って指導する、ア―ティスト・レジデンス・プログラムです。地元のハンド・メイドの人達と協力しあって製品化するプログラムで、プロダクト・デザイン、パッケージ、ショッピング、そして貿易やビジネスまでもトレーニングし、実際のショーに出展して確実に売り上げをのばしています。 今回のショーは、見慣れたトレードショーの出品者も少しずつ変化しているように見受けられました。  

第89回 現代建築家ザハ・ハディド30年の業績

現代建築家ザハ・ハディド30年の業績 NYのグッゲンハイム美術館で、革新的な現代建築家「ザハ・ハディドの30年の仕事」の展覧会が10月25日まで開催されています。これまでニューヨーカーが見る事のできなかった作品を見るチャンスが出来ました。 ザハ・ハディドの建築は、NYに一度も建てられたことがないため、長い間「ペーパー・アーキテクト」と言われていました。しかし、この10年で建築中の作品、世界中に広がる彼女のパワーのすべて、巨大絵画から模型、実物の写真、車、家具、テーブルウェアーまで見せる迫力のある展覧会で、夏休み中の観光客などで美術館は満員で、大変賑わっています。 ザハ・ハディドは1950年にバグダッドで生まれ、当時国づくりに必要な人材教育を受けた一人と言われています。バグダッドで最初にバウハウスのデザインを取り入れた邸宅で育ちました。その後、政変の為、スイス、レバノンの学校に移り、のちロンドンで教育を受けた他、ニューヨーク、モスクワ、ベイルート、ベルリンと多様な都市に住みました。それらの都市での生活で世界的な価値感を吸収していきました。現在はロンドンに事務所を構えて世界を飛び回っています。 ザハ・ハディド自身による、グッゲンハイムの円形建築の形を器用に生かした展示 展覧会は、1976年の絵画「再解釈」、ザハ・ハディドの大学院の卒業論文にまで遡って展示されています(サンフランシスコ現代美術館では、ザハ・ハディドがオリジナルを貸すのを断ったというエピソード付き)。 重複する幾何学上フォームがスペースを通って浮かぶ断片化している都市を提案するという彼女の抽象建築絵画。鳥瞰図を作成するために、彼女は何百もの抽象的な建築をインクのスケッチから、始めました。 次に、それらをキャンバスに取り付けられた紙に移し、抽象的な建物を、それぞれの表面は異なった色で塗り、表現しています。ザハ・ハディドの革新的な思想は建築図面を使わずに、建築を環境の一部としてとらえ、空から地上を眺める鳥瞰図で描く抽象建築絵画、その手法は周りの環境を同時に見せる効果を表現し、これはソビエトのコンスタンチン・マレーヴィチ(Konstantin Malevich)の“Tektonics”の影響を受けているそうです。 現在のコンピューターを駆使したイメージドローイングでは即座になされそうな、失われつつある、手のかかる手法の幾何学的な形態を描く、彼女のエネルギーのかたまりのような作品群が時代を追って展示されています。 また、彼女の展覧会の構成でグッゲンハイムの円形建築の形を器用に生かし、傾斜路の流動の、リズムをとりいれた起伏のある展示が、疲れる事なく、それでいて刺激のある展覧会にしています。 女性で初めてプリッカー賞を授章 1983年、香港のカントリークラブPeak:ピークのための設計で、彼女は若くしてスターの座を得たプロジェクトに遭遇します。次の「世界(89度)」の作品では、私たちが現在、当然のことと思う、電子時代の革命の開発であるネットワークを顕著に予期させます、各建物がより大きい都市視野の片として想像される流れを都市としての表現しているドローイングです。 ザハ・ハディドの建築を最初に実現に踏み切ったプロジェクトは、1990年から94年までの4年間を費やした、ドイツのVitraの消防署(Vitra Fire Station)です。この頃からコンピューターによるレンダリングが取り入れられています。このプロジェクトを皮切りに、アメリカではオハイオ州のシンシナティ現代美術館が1997年に、その後、ドイツのPhaeno Science Centerが1999-2005、そしてBMWの Plant Central Buildingが、ドイツのLeipzigに2001-05と、今や建設中のプロジェクトは世界中で行われています。 最新では国際コンペで選ばれた、ドバイ(アラブ諸国)の「ビジネス・ベイ・タワー」があります。 2004年には偉才の建築家に与えられるプリッカー賞(PritzkerArchitecture Prize)を、女性で初めて受賞しました。 ザハ・ハディドの建築が欧米とアラブの架け橋となる グッゲンハイムの円形建築の上段に達するまでに、彼女の建築マジックのすべて、絵画、スケッチ、建築デッサン、都市計画、モデル、家具および設計目的など年代順に展覧会はのぼりつめ、ザハ・ハディドの世界に到達します。 彼女の目的は興味を設計によって発生させ、社会的な、文化的な相互作用を促進することだそうで、彼女の建築が欧米とアラブの架け橋になり、平和の日が来る事を祈るばかりです。 実現しそうもなかった、ソファー、ベンチ、台所、車まで、サイエンス映画の一場面のような作品を実物にさせたZaha、80年代から、時々NYのパーティー・シーンで、オーラを感じさせながら、闊歩し、笑顔で挨拶してくれた彼女を思い、ザハ・ハディドの30年を堪能しました。 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影

第87回 モバイル・リビング展/移動する暮らし SOFA New York 2006

モバイル・リビング展/移動する暮らし 「モバイル・リビング」展は、5月21日から23日の期間、ニューヨーク市内、ソーホー西側にある1,700平方メートルの壮大なスペースを持つスカイライト・スタジオ・ギャラリーにて開催されました。 同展では、現代の移動式生活をテーマにエアストリーム・トレーラーやコンテナからボタンひとつで開く、Adam Kalkinの移動住宅など、様々な「移動する暮らし」が提示されました。 「SOHO Evening of Design」を1990年頃から企画してきた業界のプロ同士である、David Shearer(Exhibitions International:元TOTEM)とIDNFの海老原嘉子(Gallery91)が、かかわり、IDNFとEIの2つのNPOが主催しました。毎年5月に行われている、国際近代家具見本市(ICFF)のオフサイト・イベントとし、今年はこの大型「モバイル・リビング」展が最も話題を集めたようです。 トヨタのコンセプトカーF3Rなど、総計21点を展示 “Mobile”は、イタリー語で“家具”を表す単語で、本来は「移動可能」という意味から派生したそうです。今や我々の経済を動かすツールである、ラップトップコンピューターや携帯電話というテクノロジーの発達が、「常に情報を交わす」「どこにいても仕事をする」といった新しい移動式生活をサポートしています。現在人々は、移動中の車や飛行機の中、そしてホテルの部屋などで多くの時間を過ごしています。これらのテーマに沿って、いろいろな作品が集められ、大型トレーラーの中はシアター、コンフェランスの出来る車だったり、トヨタのコンセプトカーF3Rは中のイスが移動してリビング・ルームになるなど、総計21点が集めてられ展示されました。 ○シャトルカー ZipCarによるシャトルカーが「モバイルリビング」展会場と他のプログラム会場とを会期中無料で運行しました。 ○IDNF 91 Grand St. NY, NY 10013 t:212.966.3722 / f:212.966.1684 idnf@designnet.org / www.designnet.org Mobile Living Exhibition Party May 21st 2006 at Sky Light 8:00 pm Mobile Living : Panel Discussion May 22nd at Tribeca Grand Hotel Mobile Livingのパネルディスカッションがトライベカ・グランド・ホテルで行われました。IDNFの社長、Rockwell GroupのTucker Viemeisterがパネラーを努め、MOMAのキューレーター、Paola Antonelli、MAD MuseumのDavid McFadden、デザイナーのKarim Rashid、Adam Kalkin、トヨタ Caltyの副社長Kevin Hunterなどが参加しました。 SOFA New York 2006 第9回SOFA(スカラプチャー・オブジェクト・ファンクショナル・アート)国際美術工芸品・高級クラフトの展示会が、6月1日~4日の期間、慣例のパークアヴェニューのアーモリーにて開催されました。 毎年前日には、Museum of Arts &

第86回 ニューヨーク・モーターショーとオフ・サイトのカー・イベント

ニューヨーク・モーターショー ニューヨークで毎年行なわれるニューヨーク・モーターショーは、大変な賑わいで人気ですが、他のトレードショーとは違ったエンターテイメント的要素やテクノロジーにしのぎを削っていて、それぞれお金のかけ方も違う様です。 今回、プレス・コンフェレンスを午前中だけ見るチャンスがありました。基調講演は人気者のNISSANのC・ゴーン氏。その後は、トヨタが別の会場でLexusのコンセプト・カー「LS600 HL」を劇的にご披露し話題を集めていました。 展示会場の中でも日本、アジア勢に活気を感じ、他はあまり元気がないように見受けられました。 これまで気が付かなかったのですが、ニューヨーク・モーターショーのオフ・サイトでいくつもイベントがあることを知り、取材へ行ってきました。 Lexus 豪華なケータリングパーティー 4月7日はチェルシーのDia Art Centerで、John Chamberlain(車のボディーの金属を素材にした彫刻で有名なアーティスト)の作品の中で、Lexusのパーティーが行われました。 氷で作られたキャビア・ルームと最高のケータリングでスペースも素晴らしく、車のプロモーションのパーティーだけではもったいない程の文化イベントでした。招待客に、NYのミュージアムやギャラリー、文化人達がいて欲しいと思いました。 Lexus、フォルクスワーゲンのイベント 4月11日には、もうひとつ、Lexusの豪華なケータリングのパーティーが、今流行の大きなイベント会場、SKY Light Galleryで行なわれました。こちらも、プロモーション・パーティーのひとつのようですが、ニューヨークの文化人を交えての文化イベントにまで発展していないのが惜しい気がしました。 同じ日、ミッドタウンのイベント・スペース・メトロポリタン・パビリオンでフォルクスワーゲンのイベントがありましたが、こちらは若いニューヨーカーを相手に盛り上がっていました。 HONDA、メルセデス・ベンツのイベント その次の週、4月20日には、今度はHONDAがSKY Light Galleryで、若手ミュージシャンをサポートするイベントを行い、沸きかえっていました。その日は、SKY Light Galleryの向かい側のスペースでも若いヒップホップのミュージシャンを後援するメルセデス・ベンツのイベントがありました。 ゲストは、とてもベンツを買いそうに見えなかったのですが、税金対策なのか、様々な人種を入れなければならない社会貢献制度の実行なのか、NYでこんなに車のオフ・サイト・イベントがあるとは知らなかったため、様々な経験ができました。 High Line高架橋の緑地公園化の鍬入れ式 ウエストサイド・スタジアム倒壊プロジェクト同様、夢で終わるかも、という懸念を吹き飛ばし、4月10日、High Line高架橋の緑地公園化の鍬入れ式典が行われました。2004年、コンペで緑地公園化案が決定してから、いよいよその実現の第一歩を踏み出しました。 レールを外し雑草を抜いたHigh Lineの一部は、翌日までのぐずついた天気で泥濘状態になり、完成させるのに苦労した、と関係者が言っていました。式典当日には、砂利がひかれ皆が上がれるように綺麗になっていました。 High Lineの歴史は、第64回のリポートで紹介しましたが、High Lineは、ウエスト・チェルシーの今現在最もファッショナブルな、ミートパッキングエリア上の花が咲き誇る自然地区として、開発が進められて来ました。ことに、ラドルフ・W・ジュリアーニ前ニューヨーク市長とチェルシーの地主達が、コンクリートが落ちて危険だからとHigh Lineの倒壊を訴えた際、逆にこの区画された自然地区をニューヨーク中が猛烈に大切にし始めました。それをきっかけに、緑の点在する地区の保護を目的にフレンズ・オブ・High Lineグループが誕生したのです。アーティスト、高額寄付者、映画俳優・女優、そして政治家までもが、この全く実用的ではないアイディアに賛同し、フレンズ・オブ・High Lineのメンバーに加わっています。 式典にはデザイナーや上院議員、俳優が参加 今回の式典には、デザイナーのダイアン・フォン・ファステンバーグ、バリー・ディラー、俳優ケビン・ベーコン、エドワード・ノートン、上院議員のヒラリー・クリントン、チャールズ・シューマー、そして、マイケル・ブルーンバーグニューヨーク市長が結集しました。式典の後、12丁目のHigh Lineまでのブロックにもテントの会場が設置され、郊外の自然の雰囲気をイメージしたケータリングで一般客の為の式典やパーティーも行なわれました。撮影台が設けられていて、High Lineを背景に、工事に参加したポーズで写真を撮ってくれるフリーのコーナー(→写真はこちら)や、高架線路に繁殖した芝生を鉢に移したものを持ち帰れるようになっていたりと、記念日となりました。 俳優のエドワード・ノートンは次のように述べています。「実際に自然が生まれるだけの長い間、放置されていたのが、その事を足がかりに、誰も注意を払わなかった場所を緑の美しいスペースとして、開発する事になるとは、とても素晴しい事。High Line開発のアイディアはすばらしい、大好きです。」・・・私はこれにまったく同感しました。 未来型の第2のセントラルパークを目指して 2008年完成予定の、ディラー・スコフィディオ+レンフロ、ファーム・フィールド・オペレーション、といった豪華な建築家陣によるHigh Line公園計画は、野生の緑を残しつつ、様々な角度から洗練し丹念にデザインされ、透明の通路や、商業用のスペース等もデザインに含まれているそうで、未来型の第2のセントラルパークが出来るのではと、今から楽しみです。 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影

第85回 国際アジア・アート・フェアー

国際アジア・アート・フェアー 国際アジア・アート・フェアー「The International Asian Art Fair」は1996年に創立され、今年で11回目を迎えます。3月31日から4月5日の期間、NYのパークアベニュー67丁目のアーモリーで開催されました。 同期間、今年で15回目を迎える「Arts of Pacific Asia Show」も行なわれました。共に世界一流のアジアの芸術をニューヨーク市で楽しむことができるアジア・ウィークで、年次行事となっています。 今までは、世界の有名骨董店やギャラリーが展示していたのですが、昨今は作品内容が変化してきて、日本の現代作家が増えました。特にヨーロッパのディーラーが、多くの日本作家を扱っていたのに驚かされました。 高級品を扱うショーの中で、毎年高値で話題を呼ぶ骨董品が出るのですが、ここに日本の漆器、象眼細工、陶器など若い作家の品が出始めました。それもヨーロッパのディーラーから、というのも不思議な気がしました。 このショーは、インド、ヒマラヤ、チベット、東南アジア及び極東の芸術品、旧式青銅の骨董品から現代的な絵画、工芸までを扱います。 オーガナイザーであるブライアン及びアナHaughton夫妻は、このショーを新鮮で興味のあるものに保つ為、特に今年は、現代的な素材や作品へと幅を広げたとのことです。 また、数千ドルから数百万ドル単位の値が付けられる物なので、独立した専門家や博物館のキューレーターを含んだ審査員による審査委員会を設け、注意深く検査してコレクターやバイヤーが安心して取引できるように支援しています。 2006年のショーは、58人のディーラーの展示の中で、今までで最も国際的に幅広い参加だったそうです。ニューヨーク、カリフォルニア、ボストン、シカゴ、ミシガン州、サンタフェ及びシアトルを含むアメリカ大陸、そしてイギリス、日本、香港、タイ、オーストラリア、フランス、イタリア、ドイツ及びオランダから展示がありました。特に新しく中国のギャラリー、製陶等がいくつも出展され、タイの進出も含め、アジ ア勢の勢いを感じました。 オープニング・ナイトは、1956年ジョン・D・ロックフェラー3世の創立したAsia Socieryの50周年を祝って、基金集めのギャラ・パーティーが盛大に行なわれました。 せめて日本の本物の工芸は、日本人がきちんと伝えなければと、切に感じました。私自身、協力しなければと感じます。皆様からのご連絡をお待ちしています。  Gallery91. Elle Deco / DIFFA Table for Design 3月11日、第9回目のElle Decor / DIFFA Table for Designが、27丁目西端の元トンネル・ディスコとしてならした大きなイベント会場で行われました。 実行委員長は、David RockwellとElle Design誌チーフ・エディターのMargaret Russell、役員はDIFFA、ゲストは有名・デザイナーのTodd Oldham、Thom Filicia、Ted Allen、Johnathan Adler。その他総勢60以上のテーブルが創作されました。 今回は、11フィート×11フィートの空間を昨年よりも多く、Calvin Klein Home、Jamie Drake for Bergamo、Ralph Lauren Home、Skidmore、B & B Italia、ValentinoなどのテーブルからNewYorkTimes迄デザイナーをサポートしての出展。そして、ちょっと雰囲気を変えたLEXUSサポートによるクールな空間と幅広いテーブルが出展していました。 最も古く大きなHIV/AIDSのサービス団体の基金集めが目的で、巡回イベントをして、各イベント会場で、このTableで食事をするディナー・チケットが売りだされます。他にも、会期中に各デザイン・ショップ等から寄付を募って集めた商品の当たるラッフル・チケットも売り出され、インテリア・デザイン業界のセレブ達との協力で、大きな収益をあげているDIFFAのイベントです。 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影

第84回 チェルシー10番街に出現した安藤忠雄デザインのレストラン「MORIMOTO」

安藤忠雄デザインのレストラン「MORIMOTO」 続々と新しいお店が出現しているミートパッキング地区のチェルシーにまた、話題のレストランが1月31日に開店しました。ニューヨークでもお馴染みになってきたTV番組「料理の鉄人」のモリモト(森本正治シェフ)がニューヨークで初めての第一号店を開きました。 13,000スクエア・フィートのスペースをデザインしたのは安藤忠雄氏。安藤氏の実物のデザインを見れる、ニューヨークで初めてのインテリア作品です。目をひくのは、天井は砂のガーデンのイメージで作ったという、固めた布地で出来た波打つ白地。壁もこの柔らかいうねりでできており、天井に対して床は黒地で、だんだん上に向かって白くなるグラデーションになっています。このグラデーションがモリモトの名刺等のカラーにも使用されています。 もう一人はプロダクト・デザイナーで世界的に活躍しているRoss Lovegroveで、安藤忠雄氏のイメージを入れてデザインしたという椅子や、彼の有名な自然型のウォーター・ボトルを17,400本使って作られたクリスタルの“光の間仕切り”も壮観です。 このプロジェクトのクリエイティヴ・ディレクター、プロデューサーを務めたのはニューヨークのGOTODESIGN GROUPのステファニー後藤氏です。後藤氏はコーネル大学を卒業後、Rafael Vinolyの後David Rockwellにいて独立した日本女性です。地下のバーも木の葉が埋め込まれた透明アクリルのカウンターがあったり、トイレの奥の壁には四季の花が延々と続く仕掛けのパフォーマンスだったり、お料理だけでなく、盛り沢山のエンターテイメントが含まれていて、ニューヨーカーを楽しませそうです。 オーナーのステファン・スターは、フィラデルフィアにいくつかのレストランを経営しています。フィラデルフィアのモリモトは、Karim Rashidのデザインです。「いつかニューヨークに・・・」という2人の夢が、今回実ったそうです。 入口には営業時に、縦122フィート、幅14フィートもある世界で一番大きい真っ赤なのれんが下がります。 オープン時はちょうどファッション・ウィークで、ニューヨークのレストランは毎晩ファッション・ショー後の貸し切り接待パーティーの会場となります。モリモトは話題のレストランとして、NY Timesでも大きく取り上げられました。 今、ニューヨークの西の外れ、10番街が開拓され、大型レストランが次々と出現しており、まだ寒いニューヨークにホットな話題を提供してくれています。 「CC+for MoMA」 デンマーク・クラフト・コレクション ソーホー MoMAデザイン・ストアーが、デンマーク・クラフト・コレクションの特設コーナーを設け、そのお披露目パーティーがあり、NYのデザイン関係者が一同に集まりました。デンマーク・クラフトの中からMoMAが選定した商品を「CC+for MoMA」と銘打って、デンマーク領事館の後押しもあり、MoMAデザイン・ストアーで売り出そうというものです。 デンマーク・クラフトは1999年にデンマークの文化庁の後押しで出来た独立組織で、25~30人のクラフトマンの作品を、今までと違った方法で世界に出そうとしているようです。日本と同じようなクラフトの状況を感じますが、スマートなNY進出です。 出席したデザイナーや関係者が一段と背が高く、見上げる人の多いのが目につきました。マリメッコが今年から卸しを始めたので、MOMAなどのあちこちの店で特徴のある大きな花柄を見かけます。 今年は久しぶりに、スカンジナビア旋風になるのかもしれないと感じました。 ※表示あるものを除き、写真は全て海老原嘉子撮影