第39回 MoMA QNS

第39回: MoMA QNS  増改築工事中のMoMA特別展示場 (2002/8/7) マンハッタンの近代美術館(MoMA)が、増改築工事の間の2005年まで、元の場所である53丁目を閉館して、マンハッタン島から橋を渡ったクイーンズ地区に特別展示会場を作り、運営しています。 このMoMA QNS(クイーンズ)、6月29日のオープニングには、マンハッタンからクイーンズまで作品を運ぶ行列のイベントを行い、幕開けとなりました。 マンハッタンからMoMA QNSに行くには地下鉄などでも便利ですが、53丁目の旧MoMA前から「QUEENS ARTLINK」というフリーで乗ることができるシャトル・バスが10~16時まで運行していて、たとえば毎時45分に出るバスは、MoMA QNS ~ P.S.1 Contemporary Art Center ~ AMERICAN MUSEUM OF THE MOVING IMAGE ~ ISAMU NOGUCHI GARDEN MUSEUMを回ります。 秋からはMUSEUM OF AFRICAN AMERICAN ART ~ SOCRATES SCULPTURE PARKも追加され、とても便利なQUEENS MUSEUM ツアーができるサービスになり、全て見ると盛り沢山の1日コースになります。 明るいブルーカラーで塗られたMoMA QNS。外部から見ると2階建てですが、内部は1層だけのなので、今までのMoMAを期待すると小さくて、展示も少なく物足りないのですが、入ると右手前に映像とコンピューターを使って、谷口吉生氏デザインのNEW MoMAの構想などをバーチャルに展示しています。オープニング・イベントの映像も参加したように見ることができますし、MoMAの紹介も簡潔です。 ニューヨーク近代美術館(MoMA)は3人の市民、リリー・ブリス、メアリー・Q・サリバン、アビー・O・ロックフェラーによって、1929年に近・現代美術を広く一般に紹介することを目的に設立されたそうです。設立当初、8枚の版画と1枚のドローイングから始まったコレクションが今では10万点を越えています。 このMoMA QNSは元ステープラー(ホッチキッス)工場だった建物を改築したもので、屋内はクーパー・ロバートソン&パートナーズ建築事務所によって最新技術を備えた保管倉庫とリサーチスペースに造り替えられ、2005年の新本館オープン以後も、それら重要な機能は継続して利用されるそうです。案内表示はロサンゼルスのマイケル・マルツアン建築事務所との共同デザインです。 MoMA QNS MoMA QNS幕開の作品を運ぶイベント(映像展示より) MoMA QNS MoMA QNS幕開の作品を運ぶイベント(映像展示より) MoMA QNS内部 MoMA QNS内部 MoMA QNS内部 MoMA QNS内部   MoMA QNS「Autobodies: Speed, Sport, Transport」 今回の展示の中で、デザイン関係のものだけPick Upしてみました。 一つは「Autobodies:

第34回 ジャパン・ソサエティとアジア・ソサエティ・ミュージアムで同時開催の “The New Way of Tea”展

第34回: ジャパン・ソサエティとアジア・ソサエティー・ミュージアムで同時開催の“The New Way of Tea”展 (2002/3/13)    改装されたアジア・ソサエティ “The New Way of Tea”展がジャパン・ソサエティーとアジア・ソサエティー・ミュージ アムで3月6日から5月19日まで同時開催されています。2つのアジア系ミュージア ムが第1部会場、第2部会場という形で行うのは今までになかった大きな催しで、2日 に及ぶオープニング・パーティーでは、2会場を結ぶシャトルバスが運行されました。 今回の“The New Way of Tea”展でジャパン・ソサエティー・ギャラリーでは伝統的な建 築様式を含む3つの茶室を設置し、選ばれた茶器そして襖絵を展示しています。ここで は黒川雅之の立礼形式を取り入れた椅子に座る和紙の茶室、喜多俊之の輪島塗りの立方 体で囲まれた茶室、そして伝統的な裏千家の今日庵の複製が置かれています。 展覧会の総合インスタレーションは北河原温のデザインで、入口のギャラリー・スペ ースを、茶室までの誘導の空間、細道というイメージで設置したそうで、暗い空間に異 なるサイズの光の窓があり、その中に浮かび上がる名茶器達を眺めながら誘導されて茶 室に向かうという構成です。茶器はこの展覧会の企画をした茶道・裏千家15代家元千 宋室次男の伊住政和氏(財団法人国際茶道文化協会理事長)と林屋晴三氏が選出した茶器な ど60点です。細道が開かれたところに喜多俊之の茶室が設置され、壁面は千住博の林 をイメージした大きな襖絵が展示され、ここにもいくつかの茶器が展示され、今日庵 の復元は近寄って中まで見られるようになっています。 12世紀後半に禅僧栄西が中国か らもたらし、16世紀後半に千利休が形と精神を一体化し、大成させて茶道。この茶の 湯の精神的な美学と環境、茶道具等を通して探る目的と、現代文化の融合を図る試みと して企画されたそうです。   ♦ ジャパン・ソサエティー(日本協会) 1907年に創立された非営利民間団体。ニューヨーク州法に基づく公益法人で、日米間の相互理解と友好関係を促進する為、政治、経済、社会、文化、教育などのプログラムを通して自由な日米交流の推進を目的としています。 ジャパン・ソサエティー・ギャラリーは1971年に設立し、主要美術館との共催で日本の伝統美術や現代美術の展覧会を開催しています。 www.japansociety.org ♦ アジア・ソサエティー・ミュージアム アジア・ソサエティーはアジアの理解とアメリカ人とアジアの人々とのコミュニケーシ ョンを促進することを目的にした非営利教育団体で、展覧会、パフォーマンス、メディ ア・プログラム、国際会議、講演会など多岐にわたるプログラムを提供しています。ニ ューヨーク市に本部を置き、ワシントン、ヒューストン、ロスアンジェルス、香港、メ ルボルンに地域センターを、サンフランシスコ、マニラ、上海に代表オフィスを置いています。 NYの建物は最近改装を終えたばかりで、ギャラリーとパブリック・スペース、カフェテ リアを拡張したところです。 www.asiasociety.org   アジア・ソサエティー・カフェテリア ロビーの空間 ロビー奥、カフェテリア前に設置されてるコンピューターで作動出来るインフォーメーションデスク ロビー奥、カフェテリア前に設置されてるコンピューターで作動出来るインフォーメーションデスク 入り口左手にあるアジア・ソサエティー・ミュージアム・ショップの開閉する壁 アジア・ソサエティー・ミュージアムの”The New Way of Tea”展2階会場 Gallery A   9丁目とマデソン街にオープンしたお茶の伊藤園 今回の展覧会のスポンサーにもなったお茶の伊藤園が、アジア・ソサエティーと裏千家NY茶の湯センターの近くに新しくオープンしたお茶の店と懐石風レストラン ”Kai 会”

第33回 冬のNYインターナショナル・ギフト・フェアー

第33回: 冬のNYインターナショナル・ギフト・フェアー (2002/2/13) 慣例のニューヨーク・インターナショナル・ギフト・フェアーが、今年は1月19日か ら1月24日まで行われました。初日に雪が少し積もり、道路事情が悪かったので すが、それでも今年はとても暖かなNYの冬で助かりました。9月11日の影響から、セキュリティーの問題など厳しくなり、出品 側もいろいろな規制が出て、出品しにくくなった上、やはり遠くからの顧客が減って、ショーは大きく打撃を受けてしまいました。 それでも主催者側は今年もAccent On Design賞を授与しました。 ベストブース賞は、商品のプレゼンテーションを含めて真っ赤に塗ったカナダのHothouseのブースと、もう一つ、ちょっとわからないのですが、ワイヤーメッシュのプロダクトと環境を考えた商品作りと展示、そしてカリフォルニア・サン・ディエゴのAfton Groveのブースに与えました。ベスト・プロダクトに選ばれたのは、木で出来たロンドンのOliver Hemming社の”Spice Boy” という名のPeppermillと、フェニックス・アリゾナの Off Center社の “Max”暖房器Space heater、それとHonorable MentionsとしてUmbra社 のメラミンのテーブル・トップでした。 Overall Excellenceとして、サンフランシスコのWingard には全体のプレゼンテーションの良さが 評価された賞が、NYのBabette Holland Designは優れたクラフトマンシップの新製品が評価された賞 Innovative Process and Excellence in Craftsmanshipが与えられました。         Best Boothに選ばれたCanadaのHothouse   Best Boothに選ばれたCanadaのHothouse Best Boothに選ばれた カリフォフニア・サンディエゴの Afton Grove社 同左、 ワイヤーメッシュのプロダクトと 環境を考えた商品作りの姿勢に Best Productに選ばれた ロンドンOliver Hemming 社の “Spice Bpy” Best Productに選ばれた フェニックス・アリゾナOff Center社の “Max” Honorable mentionプロダクトに Umbraのメラミンテーブルトップ サンフランシスコのWingard サンフランシスコのWingard は 全体のプレゼンテーションの良さが 評価されてOverall

第30回 (1)Tokyo Designer Block, Designer WeekとNYのDesigner week イタリア編 (2)イサム・ノグチ庭園美術館

第30回: Tokyo Designers Block, Designer’s WeekとNYのDesigner week イタリア編 (2001/11/14) Zero First 外からの全景 Miguelの飛騨高山、日進のユニット式棚 ウィンドーに飾られたMiguel Calvoの作品とクレジット Miguelのデザイン、飛騨高山の日進製花器で取りはずしの出来る丸いトレイ 代官山のZero Firstにおいて、NYデザイン2001展と、その中の1人、Miguel Calvo(ミグル・カルボ)の展覧会が開催されました。この展覧会は、Miguel Calvoが2ヶ月間岐阜で、飛騨高山の家具や美濃和紙のランプ、土岐の陶器など、地元との共同作業でできた作品群が中心です。岐阜県と飛騨高山をプロデュースする佐戸川氏/Zero Firstの協力で実現しました。NYデザイン2001展は、この夏岐阜で開催した展覧会を東京でも見てもらうため、開催されました。 Miguel Calvoの岐阜制作は、NYからのアーティスト・レジデンス岐阜プロジェクトの一環で、彼で2人目になります。NYからの作家は、1人目がGaston(ガストン)で、彼は5月から6月にかけて岐阜に住み、‘林工芸’との共同作品で、たくさんのランプができています。Miguelは今回、7月、8月と岐阜に住み、椅子・トレイ・花器・ランプ・カップなどのサンプルを短い間に産地と県の協力で発表しました。特に飛騨高山の‘日進’が、家具をサンプル制作まで仕上げ、このTDBでの発表になりました。 一方、New Yorkでは毎年9月末から10月にかけて行われる従来のデザイナーサタデイが、9月11日の惨事の為に延期になり、全体としての大がかりな催しは今年はやらないことになりましたが、11月5日をUptown、11月7日がDowntownと分けて、イタリー系のショールーム8軒ずつが6時から9時までパーティーとともに新商品発表の会を開催しました。 それぞれショールームの入口で、カードにスタンプを捺してくれます。3軒以上のショールームをまわってスタンプを集めて、そこの抽選箱に入れると、ミラノ・サローネご招待が当たるというおまけつきでした。 あくまでもビジネス目的の催しで、有名ブランドの家具ショールームが、広いスペースで商品の家具を展示しているので、日本の若い学生やデザイナー達の盛り上がりとは大分ちがいます。 日本のTDW・TDBのノリは5月のNY ICFFのオフ・サイト以上の盛況で、それぞれのエネルギーの使い様に感心してしまいました。家具もまるでトレンディーなファッション関係のイベントのようで、出展者もビジターもビジネスを全然考えていない様子だったことにも感心しました。   Tokyo Designers Block・Designer’s Weekにて Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero First内部とNYデザイン2001展 Zero Firstの外まであふれるパーティーの参加者 Zero Firstの外まであふれるパーティーの参加者 Zero Firstの外まであふれるパーティーの参加者 ミゲル・カルボ Miguel Calvo Miguelのデザイン、飛騨高山の日進製の積み重ね式トレイ Miguelのデザイン飛騨高山の日進製椅子 Miguel Calvoの作品 Miguel Calvoの作品   NYのDesigner weekにて Palazzetti ショールームUp townの A & Dビルディング内(58丁目Lex & 3rd) Terzani at Lee’s

第29回 「DIFFA」のParty 「ACM(American Craft Museum)」のギャラパーティー

第29回:「DIFFA」のParty (2001/10/10) Conran Shop NYC 9月11日の大惨事以降あらゆる催しがキャンセルになりました。2週間後の9月25日、デザイン業界では最初のパーティーが開かれました。59丁目の橋の下を利用して開発されたBridgemarketに一昨年オ-プンしたコンランショップは、アッパーイーストサイドの新しい名所です。ELLE DECO誌、シャンペンのTAITTINGER等の協賛で、コンランショップの売り上げから、AIDSの為の非営利団体DIFAに寄付をするというパーティーでした。皆、事件の話題でもちきりでしたが、1・2階のコンランショップ全体をパーティ会場に買い物をしながら、久しぶりに皆で集まる楽しいひとときをもてたようでした。 Conran Shop NYC Conran Shop NYC 1階のキャッシャー 橋の下を利用して出来た 1階会場の様子 1階会場の様子 1階会場の様子 1階会場の様子 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景 2階会場パーティー風景   「ACM(American Craft Museum)」のギャラパーティー 2001年ACMアワード受賞式風景 2001年ACMアワード受賞式風景 ACM(American Craft Museum)の2001年VISIONARIES(工芸に貢献した人を表彰するギャラパーティー <基金募集パーティー>)は、10月2日に行われました。 しかし、時期が時期だけに、HOTELでの開催をとりやめ、MUSEUMで行われました。今回、その一部をNew York Timesを通し、9月11日募金に寄付することとなりました。 この機転の企画を取り入れた結果、New York Timesの取材、NY州知事夫人 Libby Patakiのスピーチも行われることとなり、思わぬ盛大な会になりました。   パーティーは、皆の黙とうではじまりました。 そして、それぞれの事件とに関わる話しなどがあり、それぞれ重鎮な方達なので、毎日御葬式に出席しているとの事でした。 NY州知事夫人Libby Patakiも「知事もほんの時間を作っては、家で食事をして、又任務をこなしています。ですから、少しでも時間を合わせて、主婦をしなければと思います。 皆様との時間を過ごしたいのですが、このスピーチの後直ぐ帰る事をお許し下さい。」と結んでいました。   NY州知事夫人 Libby Pataki NYTIMESの方からの9.11基金の説明と、今回のお礼の言葉から式典がはじまりました 右・ACMのチーフ・キューレーターDavid McFadden 中央・ACMのアシスタント・キューレーターSusan Barry 右・ACMディレクターHolly Hotchner 右・今回のACMの展覧会のキューレーターPaul Smith   左・Bertil Vallien 右・William MorrisとPaul Smith

第28回 Visionaire

第28回:  Visionaire(2001/9/12) Visionaireは、形式に拘束されない雑誌というよりヴィジュアルな“アルバム”です。 Visionaireに広告は一切ありません。徹底的にヴィジュアルの美しさにこだわり、その編集方針からコンセプトに至るまで、“雑誌”という枠を越えた“アルバム”になっています。 1991年春の創刊以来、世界中の有名無名ファッションデザイナー、フォトグラファー、アーティスト等とコラボレートし、年3、4回出版されています。毎回限定発売される各号には手書きのシリアルナンバーが付けられ、コレクターズアイテムにもなっています。 創刊時、Visionaire発行部数は1000部のみでしたが、現在は3000部発行されています。それでも、手に入りにくい雑誌には変わりなく、バックナンバーには定価($175)の何倍ものプレミア価格がついています。 * Photo by Inez van Lamsweerde, Vinoodh Matadin Visionaire 36 資生堂のCover, Bjork Visionaire 36「Power」の箱 Visionaire 36「Power」の箱 Visionaire 36「Power」のCover(本) Visionaire社 入り口に並ぶ新刊 入ってすぐのギャラリー・スペース Visionaire社ウィンドウ   ステファン・ガンVisionaire編集長 創設者はステファン・ガン。彼はVisionaireの編集長でもあります。 彼は“ディテールズ”の編集者でした。しかし、同誌が買収されたことで、退社。そして、理想の編集を目指し、Visionaire創刊に踏み切りました。 彼と彼の同士数人で切り盛りしている編集部は、彼と同じ美の理想を持った人々で形成されています。彼らのライフスタイルは、様々なメディアに取り上げられています。   Visionaire35 Manのcover Photo: Mario Testino Visionaire35 Sarah Lucasの作品 Visionaire34 Box Visionaire34 Box Visionaire34 Stephen Hendeeの作品 Andreas Angelidakisの作品 Visionaire33 Fendiフェンディ編「Touch」のケース Visionaire24 Gucci編   Visionaire28 「Bible」のケース、フィリップ・スタルクデザイン Visionaire28 「Bible」のケース、オープン Visionaireは、これまで、ルイ・ヴィトン(Visionaire18 FASHION)、コム・デ・ギャルソン(Visionaire20 THE COMME DES GARCONS)、ヘルムート・ラングとトッド・オールドハム等(Visionaire14 HYPE!)などの様々なファッション・ブランドとコラボレートしてきました。 Visionaire24 LIGHTではトム・フォードをゲスト・エディターに迎えました。また、アート関係では、Visionaire16 THE

お知らせ「折り紙建築」展開催のお知らせ

お知らせ:「折り紙建築」展開催のお知らせ (2001/5/16) 左から茶谷正洋、海老原嘉子、中沢圭子、木原隆明、エリック・チャン 2001年5月18日から9月3日まで、アメリカン・クラフト美術館において『折り紙建築』展が開催されました。開催当時の記事を以下に記録として残します。茶谷正洋氏の作品をはじめ、仲間の中沢圭子氏、木原隆明氏の作品と、彼の影響を受けた世界の作家達の作品が100点以上展示されています。 ♦Origamic Architecture: International Artist Take Ancient Japanese Art of Paper-Folding into New Realms ♦Exhibition Opens at American Craft Museum   今回の展覧会は、アメリカン・クラフト美術館の依頼を受け、日本人で初めてゲスト・キューレーターとして海老原嘉子が企画して行われます。この『折り紙建築』は、1983年にはじめてSoHoのGallery 91で展覧会が行われて以来、愛好家が増え、今では世界中に広がりつつあります。 展示会場風景 展示会場風景 展示会場風景 木原隆明氏のMuseumでのワークショップ 『折り紙建築』展が、これだけ大きな形で、アメリカの美術館で行われるのも初めてです。 展示作品は、美術館で同時開催のフランク・ロイド・ライト展にあわせ、ライトの建築群、滝の家、彼のスタジオ・ハウス、グッゲンハイム美術館とロビン邸、その他の建築としては、ノ-トルダム寺院、エッフェル塔、シドニーオペラ・ハウス、ピサの斜塔、上海ファイナンシャル・センター、NYのクライスラービル等、そして花、動物、幾何模様、身の回りのオブジェなど、多角的、画期的なものです。またこの展覧会の為に、ユニークな展示デザインを、国際的に活躍するECCOデザインのEric Chan氏が担当しています。また、来館者の皆さんが閉じたり開いたり出来る作品が特別に展示され、体験型展示になっているのも特徴です。 オープニングパーティー   カード 茶谷正洋 デイズニー・キャッスル・カード 中沢圭子 『折り紙建築』は建築デザイン自体の美しさをより身近に、昔からの折り紙の手法で、1枚の紙から、切ったり、折ったりしてつくる、美しいフォルムとして世界中に広がり、今日では多くの愛好家がインターネットを通じて、それぞれの個人的なホームページを開設し、作品を紹介するなどしています。 今回の展覧会では、創案者である茶谷氏の作品を紹介し、『折り紙建築』のコンセプトを再認識する良い機会にもなると思います。 東京工業大学の名誉教授である茶谷氏は、彼のデザインパートナーである中沢圭子氏、木原隆明氏と共に50冊以上の本を出版しており、今回19日、20日にはMuseumに於いて、ワークショップが、行なわれ、参加者は作る行程を学ぶことができます。会期中『折り紙建築』にちなんだ、様々な催しも行われる予定です。 スケジュールに関してはMuseumまでお問い合わせ下さい。

第20回 (1)画家、ハント・スローネンの優雅なライフ・スタイル (2)ニューヨークの地下鉄と宇多川 信学氏

第20回:(1)鳥を描き続ける画家、ハント・スローネンの優雅なライフ・スタイル  2001/1/17 21世紀の幕開けは、久しぶりの大雪で始まりました。大晦日のタイムズ・スクエアーの興奮とは裏腹に、NYの正月休みは一日だけでした。 今回は、デザイナーではないのですが、友人のハント・スローネン(Hunt Slonem)氏を紹介します。1992年に新宿京王デパートで行なわれたニューヨーク展で、彼を日本に初めて紹介したことが知り合ったきっかけでした。その頃彼は、SoHoのイーストハウストンのロフトに70羽近いトロピカルバードと一緒に暮らしており、鳥の絵を描く作家として注目され始めていました。 大変大きな鳥カゴは、子供部屋程もあります。彼の毎日は2時間かけて作った餌を鳥に与えることから始まります。これが彼の作品の素材の元でもあるのです。カラフルな彼の鳥の作品は観る者に不思議な安堵感を与えるのです。その頃から彼の作品は人気が出ると思っていました。 そして6年程まえ、チェルシーに1万スクエアーフィートのスタジオを構え、トロピカル・バードと彼の収集しているクラシカルなフレームや椅子などを置き、制作の場としています。 彼の好きな物で溢れているこの部屋は、訪問者を驚かせます。部屋に入るとまず、廊下にずらりと並んだ椅子のコレクションが目に入ります。キッチンから見えるマンハッタンの景色は素晴らしく、廊下づたいに、赤、グリーン、黄色、ピンクで色分けされた部屋がならび、それぞれの部屋には、彼の作品がお気に入りのフレームに入り壁いっぱいに飾られています。その部屋を通り廊下を抜けると見えて来る広々としたリビングルーム/スタジオは、また圧巻です。鳥のためのスペースと、制作のための場所が十分にあります。彼の個人的な趣味だけで構成された空間です。 ハント・スローネンの水彩画 チェルシーのハント・スローネンのロフトのキッチンから。ダウンタウンとNew Jerseyの景色が見渡せる ガラスのコレクションと彼の絵 スタジオの一部。奥がジャングルの様な景色。   廊下のview レッド・ルーム グリーン・ルーム イェロー・ルーム ピンク・ルーム リビングルーム/スタジオ 鳥かごと鳥 キャンドル・スタンド・コレクション 鳥かごコレクションのひとつ ジャングルの枯葉をとったり、様子をみるハント ハント・スローネンの油絵 レッド・ルームに飾られているハントの絵   このような個性的な部屋は、ニューヨークでも注目の的となり、DKNY(ダナカラン・ニューヨーク)のカタログの舞台として撮影が行なわれました。こうしたお洒落な住いは、度々雑誌の撮影に使われます。 しかし、ハントの部屋には、流行等とは関係なく、彼自身の幸福の為の空気が流れています。そもそも子供の頃に住んでいたハワイで両親に買ってもらった鳥が、彼と鳥との出会いであり、彼の最初の友達だったそうです。それから鳥をコレクションし始め、後には、彼の作品の糧になったのです。毎日抜け落ちる羽根を集め、展覧会の時のギャラリー会場の壁に突き刺したインスタレーションは印象的です。そしてオープニングの時に感じるのですが、日本で感じる画家や先生と違って、彼はニューヨークの社交界に溶け込んでいます。 鳥という一つの素材にこだわり続ける彼は、自分の好きなものだけに囲まれて、自由に生きているように私の目には映りました。今年からは私も好きなことにだけ集中して暮らせる様な人生を送りたいものだと、事始めに思った次第です。 DKNYのカタログのカバーからすべてハント・スローネンのロフトで撮影   第20回:(2)ニューヨークの地下鉄と宇多川 信学氏  2001/ 1/17 1日500万人が利用するという24時間フル稼働の、ニューヨークのサブウェイ。ニューヨークっ子なら誰でも利用するこの地下鉄車両が、新しく川崎重工から納入されました。 この車両のデザインは、ニューヨークで活躍する日本人デザイナー、宇多川 信学(うだがわ まさみち)氏(35歳)によるもので、話題を呼んでいます。この1、2年、ニューヨーク市民のなくてはならないものになってきた、メトロカード(代金先払いカード)の自動販売機のデザインも彼が手掛けました。 この地下鉄も、日本の会社と日本のデザイナーという繋がり方ではなく、ニューヨークのメトロポリタン交通局(MTA)が落札したのが、川崎重工の米国現地法人、カワサキ・レール・カー社(Kawasaki Rail Car,Inc.)の車両で、公募の中から採用されたデザインが、たまたま宇多川さんのデザインだったという偶然が重なったためです。肩書きやスタジオの大きさなどでなく、良いデザインと良い製品を、採用するアメリカ行政の懐の深さを感じます。 彼は、千葉大学の工業デザインを卒業後、87年にヤマハに就職し、シンセサイザーなどの電子音楽機器のデザインを担当しました。その後89年にクランブルクアカデミーに留学し、工業デザインを再勉強して、卒業後、92年から95年までアップルコンピュータ社で働いて、同社のパワーブックやプリンターをデザインしました。退社後、IDEOのニューヨーク支店長として赴任し、その後、パートナーのシギ・モスリンガーと、アンテナ・デザイン・ニューヨークを設立して、インターラクティヴロゴ、IBMやソニー向けインターフェースのデザイン、リモートコントロールのデザインなどを手がけて、数々のデザイン賞を受賞しています。 今回の大抜擢は、実力主義アメリカならではの出来事ではないでしょうか。輝きを増してゆく彼の姿と活躍振りは、NYに住む我々日系人にとって大変な誇りです。ニューヨークのシンボルであるサブウェイには、2001年12月までに彼のデザインした車両が400両納入されるそうです。ニューヨーカー達は、新鮮な気持ちで新世紀の新車両を歓迎しているようです。 Antenna Design New York http://www.antennadesign.com 地下鉄車両エクステリア 地下鉄車両インテリア メトロカードの自動販売機

第16回 慣例NYのインターナショナル・ギフトショーあれこれと この夏NYをわかせたCow Paradeのこと

第16回: 慣例NYのインターナショナル・ギフトショーあれこれとこの夏NYをわかせたCow Paradeのこと   2000/9/13 ●今夏、NYでもっとも話題を集めたCow Parade ニューヨーク市、夏休み観光キャンペーンとして、ジュリアーニNY市長の協力と各企業、地元レストランなどのスポンサーがついて、約500のデザインされたグラスファイバー製の実物大の牛が、NYのあちこちに6月15日から展示されています。 観光客はもとより、仕事の行き帰りの人たちにも、微笑みを誘うこの楽しい催し。ことの起こりは1998年の夏、スイスのチューリッヒでした。 地元アーティストの手によってペイントされた牛400頭が並ぶイベントに、スポンサーが付き寄付金が集まり、イベント終了時には800頭に増える大反響を得ました。そのとき、出張でアテンドしていたシカゴの小売店協会の会長が、この企画に魅せられ、1999年の夏にはシカゴでCowParadeが実現しました。シカゴ市全体で5億ドル近くのお金が動き経済活性化に貢献したそうです。 主催者のカウパレード・ホールディング・コーポレーションが「やはり世界の中心、ここNYで」と話を持ち込み、NY市、市公園局の許可を得てこの夏のイベントとなったわけです。 今年の初め『牛にペイントしたいアーティスト募集』の告知が行われ、約1200のデザイン画の中から、スポンサーは1頭に付き7500ドルを払い好きな牛(デザイン画)を選び、それぞれの広告スペースに展示しました。 独自のデザインをすることもできますが、‘ずばり宣伝’は許されず、あくまでも芸術的、創造的な方法でビジネスにつなげることのみ許可されました。 人通りのあるような場所、たとえば、グランド・セントラル駅構内、バス停、5番街、貿易センター近辺、ミッドタウンのオフィス街からVillage、Sohoと外を歩くと必ずどれかにあたり、楽しくなるこのパレード。牛たちは9月4日に取り払われて、9月28日にオークション・ハウスでオークションにかけられ、その売り上げは芸術、教育福祉団体に寄付されることになっているそうです。 「なぜNYで牛なの?」ということはあまり気にせず、何にしろ、作る人、見る人、町全体が明るく活気がでて、楽しいこのイベントに、気持ちよくスポンサーになり、すんなり許可を上げたNY市をさすがと思います。 これが日本ではと思うと、まず前例がないにはじまり、会社の利益につながらないスポンサーが、はたしてつくのかなと考えてしまいます。皆が自分で感じ、楽しめる文化に投資をする日が近いことを祈ります。 今回のアクセント・アワードで4社が受賞。ベストコレクションで受賞したGallery91のブース ベストコレクションの中のD-Brosのステーショナリー・グッズ   ペストプロダクトに選ばれたサンフランシスコのPablo のデスクランプ 総合ですぐれた商品揃えとして2社が受賞、一つがVITRAのMuseum Qualityプロダクトが受賞 もう一つはテーブル、ベッドまわりのリネンで受賞したNYのAREA社 1月の受賞者と今回を一緒に受賞パーティーが開かれ、新しくAlan Hellerがデザインしたトロフィ ーを手にするEastern Accent 村松氏夫妻(1月受賞)とGallery 91海老原嘉子   このギフト・ショー、『アクセント・オン・デザイン』以外は今まであまり紹介していませんが、今回はハンドメイドなどで個人作家の面白いものが出てきているように思いました。『インターナショナル・ハンドメイド』のおおがかりなテントの展示会場は、玉石混合のところもありますが、中には優れた作家もいて、がんばっています。 海外からのHand Madeをまとめたテント張りのおおきなブース 毎年日本から出品しているMittskoのオリジナル手作りフェルト   アメリカ人による紙の手作りランプ ドイツ政府が力を入れて後援しているハンドメイド特別展示会場の中の陶芸家 Gallery91も毎回出展しているのですが、今回、特に印象に残っているのは、NYで活躍しているハイ・デザイン・ジュエリーの石山れいこさんと、日本から出品しているMittskoのオリジナル手作りフェルトの垂井三津子さんなどの作品が、際立っていたことです。 他に、今年は『MuseumSoures』部門が力を入れて、ジャビッツ・コンベンション・センターのガラス張り天井のクリスタル・ルームの下に大がかりな特別展示を行いました。 メトロポリタン・ミュージアム、グッゲンハイム、アメリカンクラフト、ウイットニー、自然博物館…、と各美術館のミュージアム・ショップの特徴が表れた品々を並べて演出していました。 日本にはなかなか浸透していないMuseumShopですが、アメリカでは長い歴史があり、生活に密着しています。日本ではこれからなのでしょうか。生活がほんとうに文化的になったとき、定着するように思います。実際の『MuseumSoures』のブースは、案外に地味で小物が多く、『KidsStaff』と隣り合せのブースになっていて今ひとつの感はあります。   (1)メトロポリタン・ミュージアム (2)アメリカン・クラフト・ミュージアム (3)ウイットニー・ミュージアム (4)グッゲンハイム・ミュージアム (5)アメリカン歴史博物館   ●今夏、NYでもっとも話題を集めたCow Parade ニューヨーク市、夏休み観光キャンペーンとして、ジュリアーニNY市長の協力と各企業、地元レストランなどのスポンサーがついて、約500のデザインされたグラスファイバー製の実物大の牛が、NYのあちこちに6月15日から展示されています。 観光客はもとより、仕事の行き帰りの人たちにも、微笑みを誘うこの楽しい催し。ことの起こりは1998年の夏、スイスのチューリッヒでした。地元アーティストの手によってペイントされた牛400頭が並ぶイベントに、スポンサーが付き寄付金が集まり、イベント終了時には800頭に増える大反響を得ました。そのとき、出張でアテンドしていたシカゴの小売店協会の会長が、この企画に魅せられ、1999年の夏にはシカゴでCowParadeが実現しました。シカゴ市全体で5億ドル近くのお金が動き経済活性化に貢献したそうです。主催者のカウパレード・ホールディング・コーポレーションが「やはり世界の中心、ここNYで」と話を持ち込み、NY市、市公園局の許可を得てこの夏のイベントとなったわけです。 今年の初め『牛にペイントしたいアーティスト募集』の告知が行われ、約1200のデザイン画の中から、スポンサーは1頭に付き7500ドルを払い好きな牛(デザイン画)を選び、それぞれの広告スペースに展示しました。独自のデザインをすることもできますが、‘ずばり宣伝’は許されず、あくまでも芸術的、創造的な方法でビジネスにつなげることのみ許可されました。人通りのあるような場所、たとえば、グランド・セントラル駅構内、バス停、5番街、貿易センター近辺、ミッドタウンのオフィス街からVillage、Sohoと外を歩くと必ずどれかにあたり、楽しくなるこのパレード。牛たちは9月4日に取り払われて、9月28日にオークション・ハウスでオークションにかけられ、その売り上げは芸術、教育福祉団体に寄付されることになっているそうです。 「なぜNYで牛なの?」ということはあまり気にせず、何にしろ、作る人、見る人、町全体が明るく活気がでて、楽しいこのイベントに、気持ちよくスポンサーになり、すんなり許可を上げたNY市をさすがと思います。これが日本ではと思うと、まず前例がないにはじまり、会社の利益につながらないスポンサーが、はたしてつくのかなと考えてしまいます。皆が自分で感じ、楽しめる文化に投資をする日が近いことを祈ります。 ロックフェラーセンター前 メトロポリタン・ミュージアム裏セントラルパーク 59丁目ゼネラルモーター広場のエンジェルCow 大人気の5番街プラザホテル前のパーティーで踊り狂う2頭 9丁目ゼネラルモーター広場のガウンにカールの牛 タイムズ・スクエアー

第10回 新しいアートの動きをアメリカン・クラフト美術館と SoHoのアートギャラリーから見る

第10回: 新しいアートの動きをアメリカン・クラフト美術館と SOHOのアートギャラリーから見る 2000/3/8   ● アメリカン・クラフト美術館『クラフトの定義:ニューミリニアムのコレクション』 NY近代美術館の前にあるアメリカン・クラフト美術館。昔から立派な空間で、アメリカの工芸を専門に展示していますが、今また新しい動きを盛んにしています。以前、クーパーウイット・ナショナル・デザイン・ミュージアムのキューレーターだったデビット・マックファダン(David McFadden)氏が、ここのチーフ・キューレーターとして呼ばれて、常に「クラフト」「アート」「デザイン」の定義の問いかけをしています。 アメリカン・クラフト美術館外景 ジャヴアメリカン・クラフト美術館入口 ミュージアムにも、今までの工芸愛好に偏った層に加えて、デザイン寄りのファンも増えてきて、建物も来年着工で改装されることもあり、今後が楽しみ€ネ美術館です。ここで行われている『クラフトの定義:ニューミリニアムのコレクション』という展覧会。25年のコレクションからガラス、陶芸、金属、ファイバー、木工作品など150点あまりの、これまで見せていなかった作品を4つの部屋に分けて展示しています(2月9日~5月7日)。出品作家も大御所のPeter Voulkos(陶芸)、Jack Lenor Larsen(織物)、 Lenore Tawney(ファイバー)、 Robert Arneson(陶芸)から、木工のWendell Castle、 ガラスのDale Chihuly 。日本のガラス工芸の大家である藤田喬平など。他にもFrank GehryやGaetano Pesceの家具があったり、三宅一生の服、Toshiko Takaezu(陶芸)や、Dakota Jackson、Thomas Loeser、Wendy Maruyamaの家具。James D. Makinsの陶磁器等、幅広い作家達の作品のコレクションが各部屋に分かれて飾られています。そして‘チャレンジング’の部屋では、テクノロジーや新しい素材も「これからのクラフトの課題」として取り組み一品ものから量産も手がける若手の作家達が紹介されています。Marek Cecula(陶芸)、Stanley Lechtzin(CAD/CAMを使って作る金属工芸)、スキャンして織りあげるジャガードという日本の山口英夫の作品は、すばらしい舞台に飾られて、ひときわ輝いて見えます。プラスティックに皺寄せを入れた「クリンクル」ランプのLyn Godley 、ロシア生まれのConstantine Boymなど。 他にも、新世紀の幕開けにミュージアムのコレクションをご披露しながら「これからのクラフトの定義について皆で考える展覧会」といった感じがしました。 内部展示風景 フランク・ゲーリーの家具 Wendell CastleのMusic Rack アメリカン・クラフト・ミュージアムのショップ全景 Philip Moulthrop の白松のモザイク細工のボール1996年作(写真撮影:Eva Heyd) 山口英夫のコンピューター・スキャンした「しだの葉」のジャガード     ● 今、話題のCRG Gallery ギャラリーCRGのオーナーの一人リチャード.デスロッシュ(RICHARD DESROCHE)とアーティストのロバート・ベック(ROBERT BECK) Sohoでは、Galley 91の隣りに、マデソン・アベニューから移ってきたCRG Gallery(Carla Chammas, Ricchard Desroche, Glenn McMillanの頭文字)が、センセーショナルな展覧会を開き2月19日オープンしました。このギャラリーの若いオーナー3人ですが、アップタウンでのコレクターとコネクションを持っているらしく、最初の頃から話題展を開催しています。今回の”Robert Beck”の『Nature Morte』(自然死とでも訳すのでしょうか)と題された個展は、オープニング時にギャラリーの前に山のように花束がつまれ、それを見て皆、昨年のジョン・ケネディー・ジュニアを思い起こしました。その後も毎日花束がつまれ、隣りのGallery 91には毎日「誰が亡くなったのか?」と人が尋ねに入ってきます。 Robert Beckはぴんぴんしていて、彼の作品は幼児期の思い出や、生い立ちを作品にしているもので、外の花束もそのメモリーの一つの作品とのこと。3月25日まで行われますが、センセーションを死んだ気でやっているのですから話題になるのは当然でしょうか?